電池を引き出しや防災袋に保存するとき、「セロハンテープを貼ったほうがよいのか」「貼ると電池が減らないか」と迷うことがあります。
結論からいうと、セロハンテープは電池の端子を絶縁し、ショートを防ぐために使用できます。
特に、包装から出した電池、使いかけの電池、コイン形・ボタン形電池、9V角形電池、使用済み電池をばらで置く場合は、金属端子をテープで覆うと安全性が高まります。
一方、未開封の電池は端子同士が触れないように包装されているため、基本的にはパッケージのまま保存すればよく、わざわざ一本ずつテープを貼る必要はありません。
ここでは、電池の保存方法とセロハンテープの貼り方、避けたい保管場所、使用済み電池との違いを分かりやすく説明します。
電池の保存方法でセロハンテープを使う理由
セロハンテープを貼る目的は、電池の残量を保つことではなく、金属製の端子を絶縁することです。
電池同士や金属との接触によるショートを防ぐ
電池のプラス極とマイナス極が金属を通してつながると、ショートと呼ばれる状態になります。
ショートすると大きな電流が流れ、発熱、液漏れ、破裂、発火につながるおそれがあります。
鍵、硬貨、クリップ、アクセサリーなどと一緒に置かないことが大切です。
複数の電池を同じ袋や容器へ無造作に入れることも避けましょう。
電池工業会は、電池を保管・廃棄する場合には、ごちゃ混ぜにせず、テープなどで絶縁して金属部分が接触しないよう案内しています。
コイン形電池と9V角形電池は特に注意する
コイン形電池は表面の広い範囲が金属であり、重なっただけでも一方の電池のプラス極とマイナス極がつながる可能性があります。
9V角形電池はプラス極とマイナス極が同じ面に並んでいるため、硬貨などが両方の端子へ触れるとショートします。
これらを包装から出して保存するときは、一個ずつ端子を絶縁することが重要です。
セロハンテープを貼っても電池は消耗しない
テープで各端子を覆うだけなら、プラス極とマイナス極の間に電気の通り道はできないため、それが原因で電池が消耗することはありません。
ただし、金属製のテープやアルミホイルなど、電気を通す素材で両端子をつないではいけません。
保存する電池へのセロハンテープの貼り方
テープは金属端子が露出しない大きさに切り、しわや浮きができないように貼ります。
電池が汚れていたり濡れていたりするとテープがはがれやすいため、異常のない電池を乾いた状態で扱いましょう。
単1・単2・単3・単4形乾電池
円筒形の乾電池では、出っ張っているプラス極と、平らなマイナス極の両方を、それぞれセロハンテープで完全に覆います。
一方の端子だけでは、金属や別の電池との接触を十分に防げません。
電池全体を何重にも巻く必要はなく、両端の金属部分を隠すことがポイントです。
9V角形電池
上面に並んだ二つの端子が露出しないよう、端子部分全体をテープで覆います。
保存中にテープが浮かないよう、幅に余裕のある絶縁性テープを使うと扱いやすくなります。
コイン形・ボタン形電池
表裏の両面をセロハンテープで挟むように覆い、縁の金属部分にも他の電池や金属が触れにくい状態にします。
複数個を重ねてからまとめて貼るのではなく、一個ずつ絶縁してください。
乳幼児がいる家庭では、絶縁後も鍵のかかる場所や手の届かない場所へ保管する必要があります。
テープは誤飲そのものを防止する道具ではありません。
充電式電池や電池パック
ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池なども、取り外した状態で露出している金属端子を絶縁性テープで覆います。
機器から取り外せない電池を無理に分解すると危険なため、そのままメーカーや自治体の案内に従ってください。
膨張、破損、水濡れなどの異常がある充電式電池は、通常の回収ボックスでは受け付けられない場合があります。
異常のある電池は使用や充電を中止し、製造元、販売店、自治体の窓口へ処分方法を確認しましょう。
未開封・使いかけ・使用済みで保存方法を分ける
すべての電池を同じ容器へ入れるのではなく、状態ごとに分けると、誤使用やショートを防ぎやすくなります。
未開封の新品はパッケージのまま保存する
未開封の電池は、購入時の包装に入れたまま保存するのが基本です。
包装によって端子同士の接触を防げるうえ、種類、使用推奨期限、注意事項も確認できます。
包装が破れ、電池がばらになった場合は、端子へテープを貼るか、端子同士が触れない仕切り付きのケースへ一本ずつ収めます。
使いかけの電池は新品と分ける
使いかけの電池は、新品と区別して保管し、「使用中」「残量あり」などと容器へ表示すると間違いを防げます。
複数本で使用していた電池は同じ組としてまとめ、別の残量や種類の電池と組み合わせないようにします。
長期間使用しない機器からは電池を取り外してください。
入れたままにすると、過放電や経年劣化によって液漏れし、機器が傷むことがあります。
使用済み電池は両極を絶縁して早めに出す
使い終わった電池にも電気が残っている場合があるため、安全になるまで自宅で使い切ろうとしたり、意図的にショートさせたりしてはいけません。
プラス極とマイナス極をセロハンテープやビニールテープなどで覆い、新品や使いかけとは別の容器へ一時保管します。
その後、乾電池、コイン形電池、ボタン形電池、充電式電池などの種類を確認し、自治体や回収協力店の指示に従って出してください。
廃棄方法は地域や電池の種類によって異なります。
電池を安全に長持ちさせる保管場所
テープで絶縁しても、高温や湿気による劣化までは防げません。
保存環境と定期点検を組み合わせることが大切です。
直射日光と高温多湿を避ける
パナソニックは、電池の保管温度として10~25℃が適切であり、30℃を超えないよう案内しています。
暖房器具の近く、直射日光が当たる窓辺、夏の車内などは高温になるため、保管場所には向きません。
湿気の多い洗面所や水回りも、さびやテープのはがれにつながるため避けましょう。
冷蔵庫へ入れない
電池は冷やせば長持ちすると思われがちですが、家庭用冷蔵庫での保存は適していません。
取り出したときの温度差で結露が生じると、さびや故障の原因になります。
室内の涼しく乾燥した場所を選びましょう。
金属製ではない専用ケースに分ける
保管容器には、ふた付きの樹脂ケースや、電池同士が触れない仕切り付きケースが適しています。
金属缶を使う場合は、電池の端子が缶の内側へ直接触れないようにしなければなりません。
新品、使いかけ、使用済みを別々にし、種類やサイズも混ぜないようにしましょう。
使用推奨期限とテープの状態を点検する
電池には、正しく保管した場合に性能を発揮できる目安となる使用推奨期限が表示されています。
防災用の電池も入れっぱなしにせず、古いものから日常で使い、使った分を買い足すローリングストックが便利です。
点検時には、期限だけでなく、テープの浮き、液漏れ、さび、変色、膨らみ、異臭がないかも確認してください。
電池保存でやってはいけないこと
誤った保存方法は、電池の劣化だけでなく、発熱や火災の原因になります。
次のような保存は避けてください。
- 複数の電池を裸のまま一つの袋へ入れる
- 鍵、硬貨、クリップ、工具、アクセサリーと一緒に置く
- 新品、使いかけ、使用済みを混ぜる
- 種類やメーカー、残量の異なる電池を同じ機器で併用する
- 直射日光が当たる場所や夏の車内へ放置する
- 冷蔵庫や結露しやすい場所へ入れる
- 長期間使わない機器へ電池を入れたままにする
- 金属製のテープやアルミホイルで端子を覆う
- 膨張、破損、液漏れのある電池をほかの電池と一緒にする
電池の保存方法とセロハンテープに関するFAQ
電池の絶縁や保管で迷いやすい点をまとめます。
セロハンテープ以外でも絶縁できますか?
電池工業会は、使用済み電池についてセロハンテープやビニールテープなどで絶縁するよう案内しています。
端子を完全に覆い、簡単にはがれない絶縁性のテープを選びましょう。
紙を基材とするマスキングテープは、電池の絶縁用として公的な案内に示されていない場合があるため、セロハンテープやビニールテープを使うほうが判断しやすいでしょう。
新品の乾電池にも一本ずつテープを貼るべきですか?
未開封で包装に傷みがなければ、パッケージのまま保存できます。
包装から出してばらで保存するときや、端子がほかの電池や金属へ触れる可能性があるときは、両極を絶縁してください。
テープを貼ったまま機器へ入れてもよいですか?
いいえ、テープを貼ったままでは端子が機器側の接点に触れず、正常に動作しません。
使用するときはテープをきれいにはがし、粘着剤や汚れが端子に残っていないか確認します。
液漏れした電池をテープで覆って保存してもよいですか?
液漏れした電池は使用せず、正常な電池から隔離してください。
アルカリ乾電池から漏れた液や白い粉は強いアルカリ性であり、素手で触れると化学やけどなどのおそれがあります。
皮膚や目に付いた場合は、こすらず大量のきれいな水で洗い、特に目に入った場合は速やかに医療機関を受診してください。
処分方法は電池の種類や地域によって異なるため、自治体やメーカーへ確認しましょう。
セロハンテープはいつまで貼ったままにできますか?
テープの粘着力は温度や湿度、保存期間によって低下するため、一度貼れば永久に安全というわけではありません。
長く保存する場合は定期的に確認し、浮きやはがれがあれば貼り替えてください。
まとめ
電池の保存にセロハンテープを使う目的は、端子を絶縁してショートを防ぐことです。
未開封品はパッケージのまま保存し、包装から出した電池、使いかけの電池、コイン形・ボタン形電池、9V角形電池などをばらで保管するときは、プラス極とマイナス極を確実に覆いましょう。
電池は新品、使いかけ、使用済みに分け、金属類から離した樹脂製ケースへ入れます。
直射日光、高温多湿、冷蔵庫を避け、使用推奨期限と電池・テープの状態を定期的に確認することも大切です。
使用済み電池は両極を絶縁したうえで、自治体や回収協力店のルールに従って処分してください。

