呉の肉じゃがの主な地域は、広島県呉市です。使用食材は、じゃがいも、牛肉、糸こんにゃく、玉ねぎ、砂糖、しょうゆになります。
一般的な肉じゃがは、じゃがいも、牛肉、玉ねぎをベースにし、にんじんや絹さやを加える家庭もありますが、呉の肉じゃがは特にメークインというじゃがいもを使い、牛肉、糸こんにゃく、玉ねぎといった決まった食材で作られるのが特徴です。
肉じゃがの起源には、東郷平八郎元帥がイギリス留学中に食べた「ビーフシチュー」を参考にして艦上で作った料理が影響しているという説があり、その際、赤ワインの代わりにしょうゆを使ったことがきっかけで「甘煮」が生まれたと言われています。
こうした作り方は、当時の海軍の料理本にも記載されていました。
その後、昭和40年代に女性向け雑誌で「肉じゃが」として紹介され、家庭料理として広まりました。
東郷元帥が明治23年に呉に赴任していたことから、呉は「肉じゃがの発祥地」として知られ、1997年には「くれ肉じゃがの会」が設立され、より伝統的な作り方を普及させる活動が行われています。
戦時中には海軍の食事としても提供されていましたが、現在では家庭料理として、特に季節を問わず幅広い場面で食べられています。
呉の肉じゃがの作り方としては、じゃがいも、牛肉、糸こんにゃく、玉ねぎを食べやすい大きさに切り、牛肉を炒めて砂糖としょうゆで味付けをします。その後、じゃがいもと糸こんにゃくを加えて煮込み、最後に玉ねぎを加えて適度に煮込んで完成です。
呉市内の飲食店では、この伝統的な肉じゃがを提供しています。
さらに、呉市をはじめとする舞鶴市、横須賀市、佐世保市の四都市は「旧軍港四市グルメ交流会」として毎年イベントを開催し、呉市では「くれ食の祭典」が行われ、地元の名物料理が楽しめます。また、呉市の小学校でも、肉じゃがが提供されています。
呉の肉じゃがの作り方と材料
材料(4人分)
牛肉:160g
じゃがいも:6個
玉ねぎ:1個
糸こんにゃく:240g
砂糖(調味料):大さじ4
酒(調味料):大さじ4
しょうゆ(調味料):150cc
水:2と1/2カップ
油:適量
作り方
1:じゃがいもは皮をむいて、一口大に切る。玉ねぎはくし形に切り、糸こんにゃくと牛肉は食べやすい大きさに切る。
2:鍋に油を熱し、牛肉、玉ねぎ、じゃがいもを軽く炒める。
3:水を加えて煮立たせる。
4:糸こんにゃくを加え、さらに煮る。
5:砂糖、酒、しょうゆを加え、味が染み込むまで煮る。
普通の肉じゃがの歴史を紹介
肉じゃがは、日本の家庭料理の一つで、主に牛肉や豚肉、鶏肉を使い、じゃがいもや玉ねぎ、糸こんにゃくを加えて、甘辛い味付けで煮込んだ料理です。調理方法は家庭や地域によって異なり、材料を炒めてから煮込む方法や、炒めずにそのまま煮込む方法があります。
肉じゃがの名前が初めて登場したのは、1950年(昭和25年)1月号の雑誌『主婦と生活』で、当時の外食店のメニューに「肉ジャガ」が記載されていたことが報告されています。
しかし、この時の料理がどのようなものであったかは不明です4年(昭和39年)に放送された『きょうの料理』で、初めて「肉じゃが」のレシピが紹介され、1975年(昭和50年)頃からは料理本で一般的に使用されるようになりました。
1980年代にくろの味」として紹介されることが多く、これによって家庭料理としての認識が深まったと言われています。
肉じゃがの発祥に関する説発祥説
1988年のテレビ番組『謎学の旅』では、肉じゃがの起源が海軍にあるとされ、舞鶴に保管されていた『海軍厨業管理教科書』の「甘煮」料理が肉じゃがの元であるとされました。
調査によって、戦前の料理本に「肉じゃが」に相当するたため、海軍で作られた「甘煮」が肉じゃがに通じるものとされたとされています。
東郷平八郎発祥説
広く知られている説の一つに、留学中に食べたビーフシチューが忘れられず、艦上で作らせた料理が肉じゃがの起源だというものがあります。
さらに、舞鶴に赴任していた東郷がビーフシチューを作ろうとしたが、材料が手に入らず、代われたというエピソードもあります。
これらの話は、町おこしを目的とした「まいづる肉じゃがまつり実行委員会」が広めたもので、町のイベントとして平八郎に結びつけました。
その他の説
魚柄仁之助は、肉じゃがのルーツは「イモの煮物」や「イモの煮っころがし」に、戦後の肉料理じゃがの発祥については、様々な説があり、どの説が正しいかは今なお議論の対象となっています。
まとめ
呉の肉じゃがは、広島県呉市に伝わる独自の肉じゃが料理で、特徴的な作り方と使用する食材が伝統として受け継がれています。
一般的な肉じゃがが牛肉、じゃがいも、玉ねぎを基本にした煮物であるのに対し、呉の肉じゃがは、メークインという特定の品種のじゃがいもを使用し、さらに糸こんにゃくを加えることが特徴です。
調味料は、砂糖としょうゆで甘辛く味付けされ、家庭によっては多少の具材の差異はありますが、基本的な作り方には共通点があります。
呉の肉じゃがは、戦時中に海軍の食事として広まったとされ、特に東郷平八郎元帥がイギリスで食べたビーフシチューの影響を受けて作られたという説もあります。
この「海軍料理」の影響を受けたことが、呉市で肉じゃがが広まった一因とされています。また、1997年には「くれ肉じゃがの会」が設立され、伝統的な肉じゃがの作り方を継承し、地域の名物料理として普及活動を行っています。
現在では、呉市内の飲食店で肉じゃがを楽しむことができ、呉の小学校でも地元の食文化を学ぶ一環として提供されています。
さらに、「くれ食の祭典」や「旧軍港四市グルメ交流会」などのイベントで、呉の肉じゃがが紹介され、観光客にも親しまれています。家庭料理としても多くの家庭で作られており、地域の食文化を支える大切な一品となっています。