いが餅の主な伝承地域は、広島県呉市で、主な使用食材は、もち米、小豆、砂糖になります。
いが餅は、もち米や米粉で作った皮に小豆のあんを包み、蒸した後に鮮やかに着色されたもち米の粒を乗せたお菓子です。
もっちりとした食感と、上に乗った粒々のもち米が楽しめます。亀山神社で行われる例大祭や小祭りといった秋祭りの時期には、菓子店や屋台で販売され、特に屋台では蒸したてのものを楽しむことができます。
名前の由来には、「栗のイガに似ている」という説や、「旅の僧侶が食べたところ、胃の病が治ったことから」といった複数の説があります。
また、発祥に関する話もあり、「田畑が少ない呉では米が貴重だったため、祭りの時だけでも楽しもうと、もち米を他の穀物や芋で作ったもちにまぶして食べた」というものや、「東北出身の人が懐かしさから作り始めた」という説などがあります。
「いが餅」は東北から中国・四国地方にかけて広まっており、山形県では上に乗せた米が稲に見立てられ、五穀豊穣を祈る儀式に由来して着色は黄色のみですが、呉ではピンクやグリーンなどに華やかに色付けされています。また、食べる機会や形状は地域によって異なります。
いが餅は、亀山神社の例大祭や小祭りなど、呉市内の秋祭りで食べられる秋の風物詩です。
もち米や米粉で作った皮に小豆のあんを包み、彩りを加えた米の粒を上に乗せて蒸します。あんには粒あんとこしあんがあり、店によって異なります。
秋祭りの時期になると、菓子店や屋台、スーパーなどで広く販売されている人気のお菓子です。家庭で作られることは少なく、ほとんどが購入して楽しむスタイルです。一部の店舗では年間を通して購入可能です。また、食育や郷土料理を知るための一環として、地元の学校給食でも提供されることがあります。
いが餅の作り方と材料
材料(1人分)
上新粉:12g
白玉粉:6g
砂糖:2g
湯(約80℃):20cc
もち米:3g
食用色素(赤・緑):少々
小豆:7g
砂糖:7g
塩:0.03g
作り方
1:もち米は洗った後、3等分にして、色を付けた水(分量外)にしばらく浸けておきます。
2:小豆は柔らかく煮て、煮汁を切った後、砂糖と塩を加えて粒あんを作り、小さく丸めておきます。市販のこしあんを使っても構いません。
3:ボウルに上新粉、白玉粉、砂糖を入れ、よく混ぜた後、湯を加えて手早く混ぜ、耳たぶくらいの硬さになるまでしっかりとこねます。
4:生地から1個分を取り分け、あんを包んで、上に色付けしたもち米を飾り、約20分蒸します。
もち米と白米の違いについて
簡単に言えば、白米はお米の種類の一つで、精米された後のお米の状態を指します。
お米の袋には「精米」と表記されているものがありますが、これは白米が含まれていると言えます。
、精米されたお米には「精米」「精白米」「白米」といった複数の呼称がありますが、これらは全て同じ意味です。
うるち米ともち米の違いについて
「白米」と「もち米」の違いについて説明します。この二つの違いは、ズバリ、含まれているデンプンの質にあります。
デンプンは、単糖類であるブドウ糖(グルコース)が多数結合した多糖類であり、グルコースの結合の仕方によって2つのタイプに分類されます。
グルコースが一直線につながったものを【アミロース】と呼び、枝分かれしたものを【アミロペクチン】と呼びます。
アミロペクチンは非常に粘り気が高く、米が餅になるために必要な成分です。
一般的に、アミロースを全く含まず、アミロペクチンが100%の米を「もち米」と定義しています(世界的にはアミロースが5%以下のものがもち米とされます)。
それ以外の米、すなわちアミロースが5%以上含まれているものはすべて白米となります。
日本の白米は、アミロース含量が約20%前後で、アミロペクチンが約80%前後です。
アミロース含量が低いお米(低アミロース米)は、もちもちして粘りがあり、炊いた時にもち米特有の香りがします。
逆にアミロースが多いと、粘りが少なく、しっかりとした食感になります。
例えば、コシヒカリのアミロース含量は約15〜17%ですが、低アミロース米の代表格である【ミルキークイーン】では約9〜12%と少なめです。
低アミロース米は、強い粘りに加え、冷めても固くならず、もちもちとした食感が特徴です
まとめ
いが餅(いがもち)は、広島県呉市を中心とした地域で作られる伝統的なお菓子です。
いが餅の特徴
形状: いが餅は、もち米や米粉で作った皮で小豆のあんを包み、上に色とりどりのもち米の粒を乗せた蒸し菓子です。上に乗せられたもち米の粒が、栗のいが(外皮)に似ていることからこの名前が付けられました。
食感: もち米や米粉の皮はもっちりとした食感で、上に乗せられたもち米の粒は、ぷちぷちした食感を楽しめます。
歴史・由来
いが餅の起源にはいくつかの説があります。ひとつは、呉市周辺で米が貴重だったため、祭りの際にもち米を用いた特別なお菓子として作られたというものです。また、旅の僧侶が食べたことで胃の病が治ったとの伝説もあります。
いが餅は、亀山神社の例大祭や小祭りの際に販売され、地域の秋祭りの風物詩として親しまれています。
現在でもいが餅は人気があり、秋祭りの時期には多くの菓子店や屋台、スーパーマーケットで販売されます。家庭で作ることは少ないですが、地元の学校の給食などで提供されることもあります。