リアコとガチ恋の違いとは?

リアコとガチ恋は、共に「アイドルや芸能人、2次元のキャラクターに恋をしている人」という概念を指す言葉です。

これらは基本的に同じ意味を持ち、類似した言葉とされていますが、それぞれの特性や使用法に微妙な差異が存在します。

リアコは、女性が男性の推しに恋している状況を指し示しますが、ガチ恋は、男性が女性の推しや女性同士、または男性同士の推しに恋している状況を包括的に指します。

要するに、リアコとガチ恋では特性や対象者の指向に差異があると言えます。

ガチ恋とは?

ガチ恋とは、真剣な恋愛感情を抱いていることを表現する言葉であり、単なる冗談や軽い感覚ではなく、本気の恋愛感情を持っている状態を指します。

特に、アイドルやタレント、そして最近ではVTuberなどのネット配信者に対して、通常のファンの域を越えて深い恋愛感情を抱いてしまった状況を指すことが一般的です。

このような状態にある人々を「ガチ恋勢(ガチこいぜい)」と呼ぶことがあります。

ガチ恋勢の特徴とは?

ガチ恋勢の特徴として、推しに対して真剣な恋愛感情を抱いています。推しに対する愛が極めて強く、以下のような行動が見られることがあります。

告白やプロポーズのシチュエーションを妄想する
推しとの恋愛の未来を考える
推し以外の恋愛対象を見なくなる

自分の推しとの未来は単なる理想や憧れだけでなく、実現させたい夢として考えられています。

またガチ恋勢は同担拒否の傾向にあります。同じアイドルや芸能人を応援する同担ファンを嫌う傾向のことです。なぜなら、他のファンは単なる仲間ではなく、恋のライバルだからです。

推しに対する愛情は独自に最も強いと信じているため、他のファンとは仲良くなりたくないと思っています。

ガチ恋勢は時間とお金を投資として、推しに全力で尽くしたいと思い、時間やお金を惜しまない傾向があります。

具体的な行動としては、以下のようなことが挙げられます。

遠方に住む推しに会いに行く
高額な投げ銭をする
多くのCDやグッズを購入する

推しへの愛情の強さをアピールするために、お金や時間をどれだけ費やしても惜しくないと考えています。

SNSでの過激な表現もガチ恋勢の特徴です。ガチ恋勢は、推しに対する愛情の強さから、他のファンに攻撃的な態度を取ることがあるかもしれません。自分の愛情が最も深いと信じているため、推しに関連する事柄に対して過敏に反応しやすい傾向があります。

ガチ恋勢がVTuberに多くなった理由とは?

理由のひとつとしては、VTuberとの精神的な距離が、一般のアイドルよりも近いと感じられるからです。

三次元のアイドルと異なり、VTuberとの交流はインターネットを通じて行われ、物理的な距離を感じません。

YouTubeを開き、数回のクリックや画面のタップで、彼らや彼女たちと双方向のコミュニケーションが可能な空間が広がっています。

人は会った時間よりも回数で親密さを感じるとされています。三次元のアイドルとは年に数回しか会えない可能性があり、遠方のライブやイベントに行っても、ほとんどが一方通行のコミュニケーションにとどまります。

一方でVTuberは頻繁に会うことができ、ユーザー参加型の配信によってVTuberのキャラクター性やコミュニティを共有できる楽しさがあります。さらに、スパチャによってファン個人の認知も得られます。

もうひとつの理由は、VTuberが個人であることです(これは個人勢に限ります)。

人気で知名度が高いアイドルは手の届かない存在として恋愛対象から諦められがちですが、企業コンテンツではなく個人事業主として活動するVTuberは、自分に近い存在として親しみを覚えやすく、恋愛対象としても映りやすいです。

言い換えれば、近所に住む気になるお兄さん・お姉さんのような存在なのです。

最近では真剣に恋愛するための手段が学校、職場、イベントだけでなく、婚活、街コン、マッチングアプリなど多岐にわたります。

しかし、これらは一定の費用と時間がかかり、相手に好かれるためにはお金以外の努力や運も必要です。

一方でVTuberとの恋愛は、まだ見ぬ相手を見つける必要がなく、用意されている中から自分に合いそうな人を選ぶだけで済みます。

インターネット上での交流なので、スマホやパソコンがあればどこでも可能で、自分の顔を晒す必要もありません。逆に、顔ではなく性格や精神で繋がる真実の恋ができると信じられている部分すらあります。

リアコとは?

リアコとは、「リアルに恋している」の略語で、主に推し活で頻繁に使用される表現です。この言葉は、ジャニーズや韓国の男性アイドル、イケメン俳優、男性声優、アニメキャラなどに向けて使われます。

リアコは、手の届かない芸能人や2次元のキャラクターに対して、「結婚したい」「付き合いたい」といった恋愛感情を抱く人や、その様子を指し示す言葉です。

推し活においては、これらの相手を「推し」と呼ぶこともよくあります。しかし、リアコの場合は、その言葉通りに応援する相手というよりも、相手に対してリアルな恋愛感情を抱くことが特徴です。

この言葉は主に女性から使われ、男性が使用することはほとんどありません。男性にとっては馴染みの薄い表現になります。

リアコの対象は、男性アイドルや2次元のキャラクターなどです。リアコは、現実にはなかなか恋愛関係になれないような相手が対象であり、同級生や職場の同僚など、身近な相手はリアコの対象外とされています。

基本的にリアコは、女性が男性の推しに対してリアルな恋心を抱く様子を表現します。一方で、男性が女性アイドルなどに対してリアルな恋愛感情を抱く場合は、ガチ恋という表現が一般的です。

リアコの意味

リアコは、主に女子中高生やSNSユーザーが用いるギャル語で、ジャニーズや韓流に関する話題で頻繁に使用されます。

リアコという言葉は2019年ごろからSNS上で広まり始め、2020年の新型コロナウィルスの影響でリモート活動が一般的になり、現実と非現実の境界が曖昧になったことが、リアコの普及に一役買った可能性があります。

アイドルやアニメキャラクターへの恋愛は手に入れることが難しいとされつつも、「好き」という感情だけでなく、それを超えて本気で恋をしている状態、それが「リアコ」です。この言葉は身近な男性にはあまり使われない傾向があります。

男性アイドルオタクが真剣な恋心を抱く場合、ガチ恋と表現されることがあります。また、女性が男性アイドルに対するリアルな恋愛感情を指す場合も、ガチ恋と呼ぶことがあります。

アニメやマンガのキャラクター(2次元)との恋愛妄想に夢中になる女性も、ある意味でリアコ状態と言えますが、これは一般的に夢女子と呼ばれています。

本気の恋心には独占欲が伴い、リアコのアイドル推しも同担拒否と呼ばれるように、同じ推しを応援するファン仲間を受け入れがたくなる傾向があります。

リアコの特徴とは?

リアコという言葉が登場してからまだ数年しか経っていませんが、ジャニーズのタレントやK-POPアイドルに対するリアコは歴史が長いと言えるでしょう。

このリアコを抱く人々が共有する特徴に焦点を当ててみましょう。まだカミングアウトしていないだけで、あなたの周りにも同様の特徴を持つ人がいるかもしれません。

リアコ女子の主な特徴を以下に示します。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

自分だけが特別扱いされていると思う

リアコ女子は、自分がリアコしている相手から特別扱いされていると考える傾向があります。

例えば、「彼の本当の気持ちは私だけが理解している」「私は他の誰とも異なり、認識されている」といった考えが一般的です。

ファンサービスを愛情表現だと捉える

前述の特徴とも連動していますが、特別な存在であると捉えた結果、アイドルなどが提供するファンサービスを愛情表現だと受け止めることがよくあります。

通常、ファンサービスは仕事の一環として行われますが、リアコ女子はこれを愛情表現と解釈します。

SNS上の情報を徹底的にチェックする

推しにとって自分は特別な存在であるという前提があるため、他のファンが知っていて自分が知らない、という状況は許容されません。

そのため、SNS上での情報を徹底的にチェックすることが欠かせません。

共演者との親密な状況に嫉妬する

リアコは単なる妄想に留まらず、共演者との親密な状況に対して嫉妬心を強く抱くことがあります。

例えば、バラエティ番組で仲良く談笑しているだけでも、強い嫉妬心に襲われ、その共演者を好きになることもあります。特にラブシーンなどは耐え難い衝撃を受け、涙がこぼれることもあるのです。

リアコ枠・リア恋枠とは?

リアコはすでに恋している状態を表しますが、リアコ枠・リア恋枠はその一歩手前の段階と考えると理解しやすいです。

特にリアコやリア恋枠は、女性から圧倒的な支持を受ける「ジャニーズグループ」において頻繁に使われる表現です。

応援を超えて、アイドルに対して本気で恋愛対象として感じている場合にリアコと言います。また、リアコの状態にある人たちをリアコ民と呼ぶこともあります。

推しのためなら時間もお金も惜しまない状況も、リアコ枠・リア恋枠において共通して見られます。

コンサートやイベントへの通い、遠方への遠征、多くのグッズの購入、高額なプレゼントの贈呈などがあります。これらを通じて生活全体がリア」に囲まれ、それによって仕事に対するモチベーションを高めることもあります。

リアコ勢の特徴

リアコ勢とは、簡単に言えば「アイドルや俳優などに本気で恋している人たち」を指します。

この言葉は、リアコ民とも表現され、例えばリアコ勢の私は、好きなアイドルに会うためにお金を惜しまずにコンサートに出かけている。といった風に使われます。

リアコ勢になると、同じ男性芸能人を応援しているファンに対して敵意を表すことが少なくありません。

自分の好きな芸能人が欲しがっているファッションブランド、家電、グルメなどの情報を一足先にキャッチしてプレゼントを贈ることが多く見られます。

一般的に、同じ芸能人を応援している仲間ならば共有できる話が豊富なため、仲良くなりやすい傾向にありますが、リアコ勢の場合は同じ応援対象を持つ相手が皆恋敵と見なされるため、SNS上で同担拒否の記載が多いです。

まとめ

ガチ恋とリアコは、アイドルや芸能人に対するファンの恋愛感情を指す言葉でありながら、微妙な違いが存在します。以下に、ガチ恋とリアコの主な違いをまとめてみましょう。

推しの性別に対する指向の違い

ガチ恋: 推しの性別に関わらず、ファンが本気で恋愛感情を抱くことを指す。男性が女性アイドルに、女性が男性アイドルに恋する場合も含まれます。

リアコ: 推しの性別によって使い分けられることがあり、リアコは主に女性が男性アイドルやキャラクターに恋する状態を指します。

ファン同士の関係に対する意識の違い

ガチ恋: ファン同士が同じ推しを応援することは共感の対象であり、同じ推しを応援する仲間として捉えることが一般的。

リアコ: ファン同士が同じ推しを応援することに対して、恋愛対象としてのライバル心が生まれやすい。同担拒否といった表現が用いられることもある。

恋愛感情の深さの違い

ガチ恋: 恋愛感情を本気で抱くものであり、推しとの将来を夢見ていたり、推しに対する独占欲や嫉妬心が強いことがある。

リアコ: 推しに対する恋愛感情はあるが、夢想的な要素が少なく、推しとの関係をリアルなものとして捉えることが特徴。

使用される対象の違い

ガチ恋: アイドルや芸能人、キャラクターなど、幅広い対象に使用される。

リアコ: 主に男性アイドルや男性キャラクターに対して使用され、女性が本気で恋愛感情を抱く状態を指す。

要するに、ガチ恋は広い意味での本気の恋愛感情を指す言葉であり、リアコはその中でも女性が男性アイドルやキャラクターに本気で恋する状態を指すニュアンスが強い言葉と言えます。