主な伝承地域は、瀬戸内市で主な使われる材料として、米、干ししいたけ、にんじん、ごぼう、かんぴょう、ちくわ、干しえび、鶏肉、里いもが使われる郷土料理。
「とどめせ」とは、酢を混ぜた煮込み寿司で、その起源は中世から鎌倉時代まで遡る。
備前福岡(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)はかつて水運で栄えた商業都市で、「福岡の市」として知られていた。
この地で、高瀬舟の船頭たちに供されていた炊き込みご飯に、武士が酔って酸っぱくなったどぶろくを入れたところ、美味しくなったと伝えられている。
以後、炊き込みご飯に酸っぱいどぶろくを入れる習慣が生まれ、「どぶろくめし」の起源とされ、後の備前ばら寿司の原型とも言われている。「とどめせ」とは、「どぶろくめし」が変化して生まれた言葉である。
食べる機会や季節としては、お祭りやイベントなど、多くの人々が集まる時に作られる。
干ししいたけ、にんじん、ごぼう、かんぴょう、ちくわ、干しえび、鶏肉、里いもを油で炒め、水と調味料を加えて軽く煮る。
炊飯器に米と昆布、酒、具材を入れて炊く。炊き上がったら昆布を取り出し、酢と調味料を混ぜ入れて蒸らす。器に盛り付け、あなごの照り焼き、さやいんげん、錦糸卵を彩りよく添える。
「とどめせ」はその名が忘れられつつも、地元の備前福岡の女性グループによって復活し、1989年には岡山県主催の「健康づくり食生活の知恵フェスティバル」で「岡山の味賞」を受賞した。
町内のイベントでは、長船味の研究会が「とどめせ」を毎回作り、好評を博している。
とどめせのレシピと材料
とどめせの材料(8人分)
米 5合
昆布 10cm
酒 50ml
干ししいたけ 5枚(10g)
にんじん 2/3本(100g)
ごぼう 1/2本(100g)
かんぴょう 15g
ちくわ 小1本(20g)
干しえび 40g
鶏肉 200g
里いも 5個(250g)
サラダ油 大さじ2
【A】砂糖 大さじ3
【A】しょうゆ 大さじ2強
【A】塩 小さじ1/2
【A】水 200ml
【B】酢 100ml
【B】砂糖 大さじ4
【B】塩 小さじ1
あなごの照り焼き 120g
さやいんげん 8本(80g)
卵 2個
とどめせの作り方
1:干ししいたけは水で戻して薄切りにし、にんじんはいちょう切りに、ごぼうはささがきにして水にさらし、かんぴょうは水で戻して小さく切ります。あなごの照り焼きは2cmに切り、さやいんげんはゆでて斜めに切り、卵は錦糸卵にします。ちくわは半月切りにし、鶏肉と里いもは小さく切ります。
2:干ししいたけ、にんじん、ごぼう、かんぴょう、ちくわ、干しえび、鶏肉、里いもをサラダ油で炒め、【A】で軽く煮ます。
3:炊飯器に洗った米と昆布、酒、2を入れて炊きます。水の量は、2の煮汁と合わせて米の1.2倍くらいにします。
4:炊き上がったら昆布を取り出し、【B】を混ぜ入れて蒸らします。
5:器に盛り付け、あなごの照り焼き、さやいんげん、錦糸卵を彩りよくのせます。
(レシピ提供元:瀬戸内市 こども・健康部 健康づくり推進課)
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
備前福岡で有名な郷土料理とどめせ
「どどめせ」は、備前福岡で昔から伝わる伝統料理です。
炊き込みご飯に酢を混ぜた煮込み寿司で、備前ばら寿司のルーツとして知られています。この料理は中世福岡の市で生まれ、その後、賑わいと共に広まりました。素朴な味に、独特のまろやかな風味が漂います。
時代は鎌倉時代末期、まだ日本に食酢がなかった頃に遡ります。
話によれば、「福岡の市」(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)の渡し場にあっためし屋での出来事です。
ある日、そこで働く高瀬舟の船頭たちに供されていた炊き込みご飯に、酔っ払った武士がどぶろく(にごり酒)を入れてしまいました。
昼食時に船頭たちがその飯を食べ、普段とは違う味に大喜びし、「うめえ、うめえ」と言ったのが、どどめせの始まりだと伝えられています。
その後、炊き込みご飯にどぶろくを使う独特の料理が広まり、「どどめせ」と呼ばれるようになり、後には全国的に有名な「備前ばら寿司」に発展しました。
どどめせは、その名前こそ失われましたが、地域の伝統料理として受け継がれてきました。
地元の福岡の女性グループが再びこの料理を広め、1989年には岡山県主催の「健康づくり食生活の知恵フェスティバル」で「岡山の味賞」を受賞しました。
また、地域のイベントでは、長船味の研究会が毎回どどめせを作り、好評を博しています。
栄養バランスもよく、保存にも適した料理です。
椎茸、さやえんどう、かんぴょう、錦糸卵などちらし寿司の材料に加えて、里芋、タケノコ、ごぼう、にんじん、鳥肉、ちくわを炊き込みご飯に使います。
味付けは、合わせ酢に加えてどぶろくと日本酒、当店特製の天然だしを使用します。地元産の寿司米に最適なアケボノ米を100%使用しています。
この料理は栄養バランスが良く、幅広い年齢層に愛されています。1996年からは冷凍パックも販売され、遠方の方にも手軽に楽しんでもらえるようになりました。特にお年寄りや単身者にとって便利な保存食としても人気です。
まとめ
とどめせは、日本の岡山県備前福岡地域で伝統的に食される特別な料理です。
とどめせの起源と歴史
中世から鎌倉時代にさかのぼる古い歴史を持つ郷土料理であり、備前福岡の特産品とされています。
元々は炊き込みご飯に酢を混ぜた煮込み寿司で、その起源は中世の福岡の市で生まれたと言われています。
ある日、酔っ払った武士がどぶろく(にごり酒)を炊き込みご飯に加えたことから生まれ、以後、独特の味わいが広まりました。
とどめせの材料とレシピ
材料には米、昆布、酒、干ししいたけ、にんじん、ごぼう、かんぴょう、ちくわ、干しえび、鶏肉、里いもなどが含まれます。
レシピでは、材料を調理して炊き込みご飯として提供され、その後酢と調味料を加えて蒸らすという工程があります。
また、彩りよくあなごの照り焼きやさやいんげん、錦糸卵を添えて供されることが一般的です。
とどめせの保存・伝承
地元の女性グループや地域の団体が伝統を守り、復活させたり、イベントで提供するなどして、伝統を継承しています。
岡山県主催のイベントで受賞するなど、地域の自慢の味として認知されています。
とどめせの特徴
地域の特産品や文化の一部として位置づけられており、その独特の味わいと歴史的背景から親しまれています。
酸味のあるどぶろくが炊き込みご飯に使われることが特徴であり、その風味が「とどめせ」の味を形作っています。
総括すると、「とどめせ」は地域の誇りであり、伝統的な料理として根付いているだけでなく、その独自の歴史や味わいから多くの人々に愛されています。