せっつくという言葉はどういう時に使うのか?

そんなにせっつくのはやめて。せっつかれてもできないものはできない。などの文脈で使用される「せっつく」という言葉について、その意味は一体何であるかご存知でしょうか?

これは、特定の地方方言でも使用されますが、標準的な日本語として広く受け入れられている言葉であるため、その意味についてしっかりと理解していきましょう。

せっつくとは何か?

せっつくという言葉は、責っ付くという漢字表記も存在します。

この言葉はビジネス環境、日常会話、そしてドラマのセリフなどで使われることがありますが、馴染みのない人にとっては「せっつく」という言葉だけではその意味が分かりにくいかもしれません。

せっつくまたは責っ付くとは、何度も催促や急かしをすることを指します。

言い換えれば、催促する行為や急がせることがこの言葉の主な意味です。

優しく急いでねと言うのではなく、早くしてくれ、まだか、待てないんだけど、と相手に何度も急かすような行動がせっつくに該当します。

この言葉には急かすという言葉よりも、より強い急がせるニュアンスが含まれています。

例えば、我慢できなくなり、部下に資料をせっついた。という場合、部下に資料を早く作成するよう何度も催促したことを表しています。

また、もう時間がないから、早く出かけよう!と夫に急かされた場合には、時間に追われているため、妻が夫に対して早く準備をするようにせっつかれたことを意味します。

せっつくの漢字表記と方言の意味

せっつくという言葉の漢字表記は「責付(せつ)く」です。一般的にはせっつくと口語表現されます。

責付くの意味は、しきりに催促すること、せがむこと、しきりにうながすこと、またしつこく催促する行為を指します。

せっつくは甲州弁で使われる言葉で、この方言ではせっつくは催促するという意味を持ちます。たとえば、「ぜにょおせっつく」は「金を催促する」という意味です。

一方、天草方言ではせっつくは急くな、焦るな、という意味を持ちます。このように地域によってせっつくの意味が異なることがあります。

天草は熊本県に位置しています。天草市は、熊本県の天草地方にある市で、熊本県内で3番目に人口が多い市です。さらに、全国の離島自治体の中で最も人口が多い市の一つでもあります。

せっつくの意味と方言

せっつくという言葉には、大まかに2つの意味があります。

一つは、うるさくつきまとうという意味です。子どもが親に甘えたり、忙しい人に仕事を頼むためにしつこくお願いする場合などに使われます。

もう一つは、追い詰めるという意味です。

弱者を一方的に攻撃したり、追い詰めたりする場合に使用されます。

方言として使われる際には、通常うるさくつきまとうという意味が適用されます。

たとえば、甲州弁ではせっつくがうるさく相手に付きまとり、相手を困らせる。という意味で用いられ、日常会話でもよく使われます。

また、大分弁でもせっつくはうるさく相手に付きまとうという意味で使用されますが、主に子どもが親に甘えるためにしつこくお願いする場合に限定されます。

このように、せっつくは方言で使われる際に、意味が特定の状況に絞られる傾向があります。

せっつくの方言とその使用地域

せっつくという言葉は、主に甲州弁と大分弁で方言として使用されています。

甲州弁では、せっつくはうるさく相手に付きまとって、相手を困らせる。という意味で一般的に使用され、日常会話でも頻繁に使われます。

例えば、

せっつかれたら、うるさくて仕方ない。

せっつかれて、仕事が進まない。

などの文脈で使われます。

大分弁でもせっつくはうるさく相手に付きまとうという意味で使用されますが、主に子どもが親に甘えるためにせっつく場合に限定して使われます。

例えば、

子どもがせっつくから、ついおやつをあげてしまった。

子どもがせっつくから、早く寝かせてあげたい。

などの文脈で使用されます。

また、これらの地域以外でも、一部の地域でせっつくが方言として使用されていることがあるかもしれません。

ビジネスメールでのせっつくタイミング

ビジネスメールにおいて、せっつくすなわち、催促や確認、リマインダーメールを送る適切なタイミングはいつでしょうか?

適切なタイミングを守ることは、相手に不快感を与えずに済む方法です。

まず、催促や確認メールなどでせっつくための適切なタイミングを3つのパターンに分けて説明し、それぞれのチェックポイントを確認しましょう。

返信がない場合

基本的に、返信が必要なビジネスメールでは、送信時に返信期限を明示するのが良いです。

期日が過ぎても返信がない場合、そのタイミングで催促メールを送っても問題ありません。

返信期限を事前に設定していない場合、催促メールを送るタイミングの目安は、送信から2〜3営業日後としましょう。

ただし、状況によっては急ぎの場合や当日中に返信が必要な場合もあります。

入金確認が取れていない場合

期日までに入金が確認できない場合、期日を過ぎた時点でメールを送り、状況を確認しましょう。もし入金を忘れている場合、メールを受けて早急に対応するでしょう。

しかし、催促メールを送ったにもかかわらず相手からの返信やアクションがない場合、入金できない理由がある可能性があります。

長期間未回収のままになる可能性もあるため、電話など別の連絡方法で速やかに確認しましょう。

電話の場合、午前中など早い時間帯に連絡し、当日中に入金可能かどうかを確認します。難しい場合でも、入金予定日などを確認しましょう。

書類送付や納期の遅れ

書類の送付や商品の納期が遅れる場合も、期日を過ぎたら催促メールを送り、状況を確認しましょう。

自社の業務だけでなく、お客様にも影響を及ぼす可能性があるため、迅速な対応が必要です。

相手の状況が把握できたら、再度送付期限や納期を設定し直し、スケジュールの調整を行いましょう。ビジネス書類の内容によっては、急ぎでない場合も考慮すべきです。

せっつくの使い方と例文

せっつくを使った例文をいくつかご紹介します。

相手に何かを急かすときに使う例文

早く出発しないと遅れるから、急いで準備をせっつかれた。

テストの解答を早く教えてよ、せっつかれた。

仕事が進まないから、上司にせっつかれた。

相手に何かを要求するときに使う例文

早くご飯を用意してよ、せっつかれた。

早く遊びに行こうよ、せっつかれた。

早く帰ってきてよ、せっつかれた。

相手に何かをお願いするときに使う例文

宿題を教えてよ、せっつかれた。

買い物に付き合ってよ、せっつかれた。

ゲームを貸してよ、せっつかれた。

相手に何かを咎めるときに使う例文

遅刻するなんて、もう二度とせっつかないぞ。

勉強しないなんて、親にせっつかれるぞ。

嘘をつくなんて、もう許さないぞ。

相手に何かをさせるために、励ますときに使う例文

頑張れよ、もう少しでゴールだよ、せっつかれた。

大丈夫、きっとできるよ、せっつかれた。

最後まで諦めないで、せっつかれた。

このように、せっつくという言葉は、さまざまなシチュエーションで使うことができます。相手に何かを急かしたり、要求したり、お願いしたり、咎めたり、励ましたりするときに、使ってみてください。

また、せっつくという言葉は、相手にプレッシャーを与えたり、不快感を与えたりすることもあります。使うときは、相手に配慮して、言葉遣いや態度に注意しましょう。

せっつくの類義語

せっつくの類義語や近義語として、以下の言葉が考えられます。

催促(さいそく): 何かを早めに行うように相手に促すことを指します。例えば、支払いの催促や提出期限の催促などがあります。

促す(うながす): 何かを急がせるために相手に促す行為を指します。例えば、進捗状況を促す、行動を促すなどがあります。

催促する(さいそくする): 何かを迅速に行うように相手に要求する行為を指します。催促メールを送るなどが一般的です。

圧力をかける(あつりょくをかける): 相手にプレッシャーや圧力をかけて、何かを早めに行動させることを意味します。

うるさい(うるさい): 相手に対してうるさく言ったり、繰り返し何かを要求したりする行為を指すことがあります。

これらの言葉は、せっつくと同様に、相手に何かを急かす行為や要求を表現するために使用できます。適切な状況に応じて、これらの言葉を使い分けることが重要です。

せっつくの対義語

せっつくの対義語として考えられる言葉には以下のものがあります。

待つ(まつ): 相手の行動を急がすのではなく、相手の行動を待つことを指します。催促や促すの対義語として使えます。

ゆっくりとする(ゆっくりとする): 逆に相手にプレッシャーや急ぎをかけないで、余裕をもって行動することを意味します。急がせるの対義語として使用できます。

放置する(ほうちする): 何かを無視し、相手の行動や状況をそのままにしておくことを指します。せっつくの逆の行動です。

譲る(ゆずる): 相手の意向を尊重し、譲歩することを指します。相手に圧力をかけるのではなく、協力的に行動するときに使えます。

これらの言葉は、せっつくの対義語として、相手に対するアプローチや態度を表現する際に使用されます。適切な状況に応じて使い分けることが大切です。

まとめ

せっつくという言葉は、標準語であり、標準語とは異なる地域特有の表現でもあります。以下にせっつくの由来や成り立ち、方言と標準語での違いなどをまとめます。

由来と成り立ち

せっつくは、日本の方言の中でも甲州弁(こうしゅうべん)や大分弁(おおいたべん)などで使われる言葉です。

この言葉の由来や成り立ちは特定の文献には詳しく記録されていないため、正確な由来は不明です。

しかし、地域の言語環境や歴史的な背景から派生したものと考えられています。

方言と標準語での違い

せっつくは、標準語の日本語では催促する、急かすといった意味を持ち、何かを早く行動させたり、相手に何かを要求したりするときに使われます。

方言として使われる地域では、せっつくの使用が一般的で、地域ごとにニュアンスや発音に違いがあることがあります。

方言の言葉は地域共通の文化や言語の影響を受け、特有の言葉や表現が生まれることがあります。

方言の地域差

「せっつく」は主に甲州弁(山梨県の甲府市周辺)や大分弁(大分県)などの特定の地域で使用される言葉です。それぞれの地域で異なる言語環境が育み、独自の方言が発展しました。

甲州弁ではせっつくはうるさく付きまとって、相手を困らせる意味で使われ、日常会話で頻繁に聞かれます。大分弁でもせっつくは使われますが、主に子供が親に甘えるために使われることが特徴です。

方言は、地域や文化に根ざした言語のバリエーションを提供し、地域間のコミュニケーションを豊かにします。

せっつくもそのような地域ごとの言葉の一例であり、地域特有の言語遺産を守り、伝える役割を果たしています。