上級国民とは?どういった状態を指すのか?

上級国民とは、一般の国民とは異なる特定の階層を指す言葉であり、主にインターネット上などで使用される俗語やスラングです。この言葉は2015年と2019年にユーキャン新語・流行語大賞の候補になりました。

その上級国民の意味は一つではなく、単に富裕層や上流階級を指す場合もありますし、一般の人々が理解できない言動をする政治家や専門家、官僚などを指す場合もあります。

また、政治力や財力を利用して罪や責任から逃れる階級を指すこともあります。

一般的にはあまり使われない言葉でしたが、2015年の2020年東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムの著作権侵害疑惑以降、急速に広まりました。

その後、2018年に東京都港区で発生した元東京地検特捜部長による自動車死亡事故や2019年の東池袋自動車暴走死傷事故の際にもこの言葉が使われました。

2015年9月1日には、オリンピック大会組織委員がエンブレムの著作権侵害ではないが一般の国民には理解されないとして白紙撤回を表明し、この発言が報道やネット上で「一般の人の感覚や理解を超えたもの」として反発を呼び起こしました。

また、佐々木惣一の「立憲非立憲」(1916年)においても、「上級国民」という言葉が使われ、「限られた範囲の国民」として位置づけられています。

上級国民は誰が言い出したのか

上級国民という言葉の起源は2015年に遡ります。同年7月24日に東京五輪のエンブレムがベルギーの劇場のロゴと似ていると指摘され、その後にパクリ疑惑が浮上しました。

この事件をきっかけに、五輪組織委員会の武藤敏郎事務総長が「一般国民からみて、納得できないだろう、分かりにくいだろう」との発言を行い、これがネット上で「一般国民」「上級国民」の対立構造として広まりました。

具体的には、東京五輪のエンブレムのデザインを作成した男性が逮捕されないことや、メディアが敬意をもって報道することが指摘されました。

これらの報道は各メディアの表記ルールや共同通信の記者ハンドブックに基づいていたものの、ネット上では「上級国民様は逮捕されない」といった意見が広がりました。

この発端となった発言は2ちゃんねるにおいて議論を呼び起こし、それがきっかけとなって上級国民が急速に広まり、その後の流行語大賞ノミネートに繋がった異例の事態となりました。

結果的に、上級国民はユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされ、ガジェット通信主催のネット流行語大賞では上級国民/上級無罪が銅賞を受賞しました。また、上級国民/下級国民という本も出版されました。

しかし、この言葉の広がりは単なるネット上の反応だけにとどまらず、その後も社会的な注目を浴びています。上級国民論争は、特定の階級が法の下で平等に扱われないとする不満や疑念を表現するために使用されるようになりました。

上級国民という言葉は、一部の人々が特権階級が法の枠を逸脱していると感じる出来事や状況に対して投影され、広く社会的な議論の一部となりました。

また、この議論は他の出来事や事件にも拡大し、特権階級に対する批判や疑問が投げかけられています。

このように、上級国民という言葉は、特定の出来事を契機にしてネット上で生まれ、その後社会的な注目を浴び、一般的な言葉としての定着が見られるようになりました。

上級国民になるには

上級国民になるには、年収が1000万円以上であることが必要であり、中級国民は500万円以下、下級国民は150万円以下とされています。

これは年収に基づく一般的な基準であり、公務員や一流企業の正社員が上級国民、中小企業が中級国民、非正規雇用や低収入者が下級国民に該当します。

上級国民になるためには、1%のエリートになるか、起業して成功することが重要です。

一流大学を卒業し、公務員試験に合格するか、上場企業に就職するのが上級国民になる道です。そのため、その道が開かれるのは1%未満の人々であり、その他の多くの人々は税金を納めることが生計を立てるための唯一の方法となっています。

大企業の社長や官庁の長官など、社会的に高い地位に就くことで、上級国民と呼ばれることがあります。もちろん、政治家に対してバンバン献金を行うだけでなく、様々な社会的要因が絡んでいます。

しかし、一般的に上級国民とは、社会的な地位や財産に基づく差別的な概念であり、単なる成り上がりの問題ではありません。この概念そのものがある意味で幻想的であると考えられます。

ただし、上級国民として扱われたい場合、一部の事故や事件で逮捕されないことをネット上で「上級国民だから」と揶揄されることがあります。実際、警察や社会において地位が影響することもあるでしょう。

例えば、社会的な地位が高い人物が関与する事故でも、法を順守し適切に対応すれば逮捕を免れることがあるかもしれません。ただし、これは単なる法の適用に基づくものであり、上級国民が特別扱いされるべきではないという意味ではありません。

社会的地位が逮捕に影響を与える可能性はあるものの、それが全てを説明するものではありません。上級国民としての扱いは複雑な要因の組み合わせによるものであり、公正な社会の構築が求められています。

上級国民になるための職業は?

上級国民は年収1000万以上ということで、日本で年収1000万円以上を得る職業を紹介します。

年収1000万以上を得る職業は、一般的には高度なスキルや経験が求められ、高収入な分野に従事していることが多いです。以下は一例であり、個々の収入は経験、スキル、勤務地、企業によって異なります。

医師・歯科医師・薬剤師: 医療関連の専門職は高収入が期待されます。

弁護士: 法律家として働く弁護士は、高度な専門知識が求められ、高収入が期待されます。

エンジニア(特にITエンジニア): 技術者やIT関連の職種は需要が高く、高収入の仕事があります。

経営者・企業幹部: 企業のトップや経営幹部は高い責任を負っており、それに見合った報酬が得られることがあります。

金融関連職(投資銀行家、ファンドマネージャーなど): 金融業界の一部のポジションは高い報酬が期待できることがあります。

コンサルタント: 経営コンサルタントやITコンサルタントなど、専門知識が必要な仕事は高収入が見込めます。

研究者(特に特許弁理士や研究開発職): 高度な専門知識を持つ研究者は高収入が期待できることがあります。

パイロット: 航空業界で働くパイロットは高い技術力が求められ、高収入が得られることがあります。

映画・テレビ関連のプロデューサーやディレクター: エンターテインメント業界の一部のポジションは高い報酬が期待できます。

不動産関連職(特に不動産開発や仲介業): 特定の地域やプロジェクトで成功すると高収入が得られることがあります。

船舶関連職(特に船長や船の技術者): 船舶業界での経験や技術力がある場合、高い報酬が期待できることがあります。

航空機関連職(特に操縦士や整備士): 航空機の操縦士や整備士は高度な技術が求められ、それに見合った収入が得られることがあります。

大学・大学院の教授: 専門分野での経験や研究実績がある場合、大学や大学院での教授職は高収入が期待できることがあります。

製薬会社の研究者(特に医薬品開発の研究者): 製薬会社での研究職は高度な専門知識が求められ、報酬が高いことがあります。

外交官: 外交官は国際的な交渉や外交活動に従事し、その責任に見合った高い収入が得られることがあります。

スポーツ選手(特にプロ野球選手やサッカー選手): トップアスリートは高い技術力や実績に応じて報酬が支給されることがあります。

アーティスト(特に有名な画家や彫刻家): 芸術家の中には高い評価を受け、作品が高値で取引されることがあります。

宝飾品デザイナー: 高級な宝飾品のデザインに携わるデザイナーは、その才能に見合った報酬が得られることがあります。

宇宙関連職(特に宇宙飛行士や宇宙機械のエンジニア): 宇宙産業での経験や専門知識がある場合、高い収入が期待できることがあります。

特許弁理士: 特許関連の法律に詳しい弁護士は、特許弁理士として働くことで高収入が得られることがあります。

これらはあくまで例であり、個別の職業や企業によって収入水準は異なります。また、自営業者や起業家も成功すれば高収入を得ることができる可能性があります。

まとめ

上級国民は、一般的には日本のネット上で生まれた言葉で、社会的な地位や財産がある人々が法的な責任から逃れることができるという風潮を指しています。

この概念は、特定の事件や事故で高い社会的地位にある人物が、逮捕や厳しい処罰を免れるケースが報じられることから生まれました。そのため、上級国民とは、法の下で平等であるべきにもかかわらず、特権的な地位にある人々を皮肉って指す言葉です。

この言葉は、社会的な不公平や法の適用の偏りを批判するために用いられ、しばしば風刺的な意味を帯びています。また、この概念にはルサンチマン(嫉妬や憎しみ)の感情も含まれており、財産や地位に羨望を感じる一般の人々からの不満が反映されています。

上級国民になることは、法的・社会的に正当な手段ではありません。この言葉はあくまで風刺的な表現であり、特定の方法や手順が存在するわけではありません。むしろ、この概念は法の平等性や公正さに対する懸念を表現しています。

一部の人々が法の下で特別扱いを受けることがないように、社会全体で法の公正な適用を求め、偏りのない公正な社会を築くことが重要です。この問題に対処するためには、法の改善や社会の構造に関する議論が必要です。