性格と性質の違いとは?

性格とは、人や犬、猫などの高次の動物が持つ独特の感情や意志の傾向のことです。

また、物事が顕著に示す独特な傾向の意味でも用いられます。

性格は一般に人に対して使われますが、物事に対しても使われ、例えば「性格が異なる問題」や「性格が異なる組織」などの、人為的に生じた事柄に関連します。そして、これらは人為的に変えることができる可能性のある事柄に関連しています。

一方、性質とは生まれ持った気質のことです。

物事が本来備えている特徴の意味でも使われます。性質は、「水に溶けやすい性質」など、人以外の物事にも広く使われ、その物事が本来持っている特性を指します。

性格は、先天的な資質と後天的な要因(環境など)が複雑に絡み合って形成されるものですが、性質は本来備わっている特徴を指し、先天的な側面が強調されます。

性格は後天的な要因も含まれるため、将来変化する可能性がありますが、性質は本来備わっているため、変化の余地がありません。

したがって、「性格が悪い」と「性質が悪い」という場合、より厳しい批判は「性質が悪い」に向けられることになります。

性格とは?

性格、または英語で言うところのパーソナリティ(Personality)、これは生物学的要因や環境から派生する行動、認知、そして感情のパターンの特徴的な集合として定義されます。

性格に関する一般的な合意された定義は存在しませんが、ほとんどの理論は動機づけと環境との心理的相互作用に焦点を当てています。

性格理論の伝統的なアプローチは、性格を人の行動を予測する特性として捉えますが、より行動に焦点を当てたアプローチでは、学習や習慣を通じて性格を定義します。

それでも、ほとんどの理論は性格を比較的安定したものと見なしています。

人格心理学として知られるパーソナリティ心理学の研究では、異なる行動の根底にある傾向を説明しようと試みます。

性格を研究するために、生物学的、認知的、学習的などの理論に加えて、精神力学的や人文主義的なアプローチも含む多くのアプローチが取られてきました。

パーソナリティ心理学は、ジークムント・フロイト、アルフレッド・アドラー、ゴードン・オールポート、ハンス・アイゼンク、アブラハム・マズロー、カール・ロジャースなどによって提唱されたいくつかの有力な理論に基づいています。

性格の種類を紹介

性格はさまざまな検査によって評価されます。性格は複雑な概念であり、性格検査や尺度の次元はさまざまであり、しばしば明確に定義されていません。

性格を測定する2つの主要な手段は客観的検査と投影的測定です。

このような検査の例には、ビッグファイブインベントリ(BFI)、ミネソタ多面人格目録(MMPI-2)、ロールシャッハ・テスト、神経症性人格アンケート・KON-2006、そしてアイゼンクの性格アンケート(EPQ-R)があります。

これらのテストは信頼性と妥当性の両方を備えているため、有益です。

心理学者たちは、性格を因子分析によって抽出された因子や次元に分割することがよくあります。一般的には、内向性-外向性と神経症(情緒的に不安定-安定)の次元が使用されます。

性格は、統計的に求められた5つの因子に分けられることがよくあります。

ビッグファイブと呼ばれるこのモデルでは、開放性、誠実性、外向性、協調性、神経症傾向(または情緒安定性)の5つの因子があります。

ビッグファイブは一般的に安定しており、遺伝の影響が大きいとされています。

外向性と幸福感の関係を調査した研究では、幸福感と外向性の関連が示されています。また、気質や自己効力感がその関連に影響を与えることも示唆されています。

外向的な人が幸せになる傾向がある理由について、道具理論と気質理論の2つの説があります。

道具理論では、外向的な人がポジティブな状況に対してより強く反応すると考えられます。

一方、気質理論では、外向的な人が一般にポジティブな感情をより強く経験すると考えられます。自己効力感や気分維持などの要素が、外向性と幸福感の関係を説明する媒介要素として機能する可能性があります。

人間の性質の特徴とは?

「人間性」とは、他者への思いやりや愛情などの内面的な性質を指します。人間性には、他者への配慮や自己中心的な考え方などが含まれます。

「人間性」には、「人間力」や「人徳」、「人格」、「人柄」といった言葉が類似していますが、微妙な違いがあります。

「人間性」には、高い・低いといった優劣があるのでしょうか。一般的には、明確な基準は存在しないとされていますが、社会的なルールや価値観によって評価されることがあります。

「人間性が高い」人の特徴には、マナーや約束を守ること、冷静で感情の起伏が少ないこと、常にポジティブな思考を持つこと、生活習慣が整っていること、他者を考えて行動することなどが挙げられます。また、自己磨きを怠らず、向上心があり、目標を持ち、それに向かって努力する姿勢も重要です。

その他にも、誰にでも平等に接することができ、周囲からの信頼が厚い人や、最適な指導ができる人、感謝の気持ちを常に持っている人なども「人間性が高い」とされます。

人間の性質の傾向

人間の性質という概念に類似した言葉には、以下のものがあります。

人間力:社会での生活において必要な能力
人徳:個人が持つ美徳や性格
人格:個人の性格や心理的な特性
人柄:個人の性格や品性

これらの言葉は、個人の特性や性格を表す点で類似していますが、微妙なニュアンスの違いがあります。

人の性質には質やレベルをつけることができるのか

「彼の人性は素晴らしい」「彼の人性を疑う」というように使われる「人性」という言葉ですが、一体人性には優劣があるのでしょうか。

答えとしては、本質的に人性を評価することはできません。

なぜなら、人性は個々の人が持つものであり、優れていたり劣っていたりするという明確な基準が存在しないからです。

しかし、一般的な社会のルールや価値観に基づいて、「人性が高い」と見なされる人やそうでない人が存在することは事実です。

まとめ

性格と性質は、個人の行動や考え方、またその根底にある特性を表す言葉ですが、微妙な違いがあります。

性格

外向性と内向性: 性格の一つで、外向的な性格は社交的で積極的な傾向があり、内向的な性格は静かで内省的な傾向があります。

情緒的な安定性: 性格の特性で、安定している人は感情の起伏が少なく、不安定な人は感情の変化が激しい傾向があります。

勤勉性と怠惰さ: 性格の一部で、勤勉な人は責任感があり努力家で、怠惰な人は仕事を怠る傾向があります。

性質

人間性: 人間の基本的な特性や品性を指し、思いやりや配慮などの倫理的な性質を含みます。

個人差が少ない: 性質は人間全体に共通する特性であり、個人差があまりない傾向があります。

生まれつきの傾向: 性質は生まれつきのものであり、遺伝や環境の影響を受けます。

性格は個人の行動や社会的な態度を反映し、性質は個人の基本的な特性や持ち味を示します。

性格は比較的変化しやすく、外部の環境や経験によって形成される一方、性質は比較的安定しており、個人の生まれつきの傾向に基づいています。