計ると測ると量るの違いとは?

「計る」、「測る」、そして「量る」は、どれも「はかる」と読みます。

そして、「計測」「計量」「測量」という言葉もあり、数値を知るために計器などを使うことを表しますが、使い分けは測る対象によって異なります。

「計る」は、「時間を計る」「タイミングを計る」「損失を計る」など、数や時間を数える際に使います。「計」を使う言葉には、「時計」「計算」「会計」「累計」などがあります。

「測る」は、「距離を測る」「身長を測る」「面積を測る」など、長さ・高さ・広さ・深さ・速さなどを調べる際に使います。「測」を使う言葉には、「測定」「観測」「目測」などがあります。

「量る」は、「体重を量る」「容積を量る」など、重さ・かさ・量などを調べる際に使います。「量」を使う言葉には、「重量」「容量」などがあります。

このような場合は、使い分けが間違いやすいので、注意が必要です。

「体温をはかる」の場合、「体温計」から考えると「計る」と書きがちですが、「体温測定」という言葉もあり、ここでは「測る」を使います。温度・熱などは、高低を表すために「測る」です。

また、「100mのタイムをはかる」の場合、「スピード(速度)」を連想して「測る」と書くこともありますが、実際にはその距離を走るのにかかった「時間」を指すので、「タイムを計る」と書くのが正しいです。

計るの意味

計るは、時間を測ったり、計算を行ったりする際に使われます。

また、タイミングを見計らう意味でも使用され、「タイミングを計る」などがその例です。「将来を計る」のように予測をする意味も持つため、主に時間に関係する場合に使われることが多いです。

「図る」や「謀る」と同様に、「計画を立てる」や「企画する」意味でも使われますが、この場合は「図る」が一般的です。

ただし、「図る」との使い分けは難しく、どちらも同じ意味で使われることが多いです。「謀る」は悪意のある計画に使われますが、「計る」にはそのような悪いニュアンスはありません。

「計算」「見計らう」「計画」などの言葉も参考にして意味を考えるとよいでしょう。

計るを使った例文を紹介

例文:時間を計る

解説: ストップウォッチや時計を使って、特定の活動や出来事にかかる時間を測定することを意味します。例えば、「ランニングのタイムを計る」などで使います。

例文:タイミングを計る

解説: 適切な時期やタイミングを見計らうことを意味します。例えば、「会話の切り出すタイミングを計る」などで使われ、適切な瞬間を狙うというニュアンスがあります。

例文:将来を計る

解説: 未来の出来事や成り行きを予測することを意味します。例えば、「彼は将来のビジネス展望を計る」などで使い、将来の計画や予測を立てることを表します。

例文:損失を計る

解説: 何らかの理由で生じた損失を計算して見積もることを意味します。例えば、「災害による損失を計る」などで使い、被害の規模や影響を数値で示します。

例文:コストを計る

解説: 何かを行うために必要な費用を見積もることを意味します。例えば、「プロジェクトのコストを計る」などで使われ、経済的な計算を行う場面で使います。

例文:成果を計る

解説: ある活動や取り組みの結果を評価することを意味します。例えば、「プロジェクトの成果を計る」などで使われ、結果を数値やデータで評価する場面で使います。

例文:見計らう

解説: 状況を見て適切な行動を取るために判断することを意味します。例えば、「彼は訪問のタイミングを見計らった」などで使われ、適切な時期を判断するニュアンスがあります。

例文:累計を計る

解説: ある期間内の合計を計算することを意味します。例えば、「年間売上の累計を計る」などで使われ、一定期間の総量を計算する場面で使います。
これらの例文を通じて、「計る」が持つ多様な意味と使用法を理解することができます。それぞれの文脈において、「計る」がどのように適用されるかを把握することが重要です。

測るの意味

「測る」は、面積や身長、深度などを測定する際に使います。

「水の深さを測る」のような具体例があります。また、気温計という言葉があるため混乱しやすいですが、気温や血圧などを測定する際にも「測る」を使います。

推測する意味での「はかる」も「測る」を使いますが、この際には「量る」もほぼ同じ意味で使われます。

「測る」は心の深さを示し、「量る」は心の広さを示すというニュアンスの違いがありますが、ほぼ同じ使い方です。

「測定」「測量」「推測」などの言葉も参考にしてみましょう。

測るを使った例文を紹介

例文:身長を測る

解説: 身体の高さを測定することを意味します。例えば、「子どもの身長を測る」といった場合、メジャーや身長計を使って子どもの身長を確認することを指します。

例文:距離を測る

解説: 二点間の長さを測定することを意味します。例えば、「ランニングコースの距離を測る」といった場合、測定器や地図を使って正確な距離を確認することを指します。

例文:面積を測る

解説: ある特定の地域や空間の広さを測定することを意味します。例えば、「庭の面積を測る」といった場合、測定器具を使ってそのエリアの広さを算出することを指します。

例文:深さを測る

解説: 物や場所の深さを測定することを意味します。例えば、「川の深さを測る」といった場合、専用の測定器具を使って川の深さを確認することを指します。

例文:温度を測る

解説: 温度計を使って温度を測定することを意味します。例えば、「体温を測る」といった場合、体温計を使って体の温度を確認することを指します。

例文:速さを測る

解説: 物体の移動速度を測定することを意味します。例えば、「車の速さを測る」といった場合、スピードメーターやレーダーを使って車の速度を確認することを指します。

例文:水位を測る

解説: 水の高さや水位を測定することを意味します。例えば、「ダムの水位を測る」といった場合、水位計を使ってダムの水の高さを確認することを指します。

例文:視力を測る

解説: 視力検査を行って目の視力を測定することを意味します。例えば、「病院で視力を測る」といった場合、視力検査表を使って目の見え具合を確認することを指します。

例文:風速を測る

解説: 風の速さを測定することを意味します。例えば、「気象台で風速を測る」といった場合、風速計を使って風の速度を確認することを指します。

例文:血圧を測る

解説: 血圧計を使って血液が血管の中を流れる圧力を測定することを意味します。例えば、「毎朝血圧を測る」といった場合、家庭用の血圧計を使って自分の血圧を確認することを指します。

これらの例文を通じて、「測る」が持つ多様な意味と使用法を理解することができます。それぞれの文脈において、「測る」がどのように適用されるかを把握することが重要です。

量るの意味

量るは、穀物の重さを測る際などに使われ、主に計量カップやはかりを用いて容積や重さを調べる場合に使われます。「測る」と同様に、他人の心情や事柄を推量する意味も持っています。

「重量」「量目」「推量」などの言葉も参考にして意味を考えるとよいでしょう。

量るを使った例文を紹介

例文:体重を量る

解説: 体の重さを測定することを意味します。例えば、「毎朝体重を量る」といった場合、体重計を使って自分の体重を確認することを指します。

例文:水の量を量る

解説: 水の容積や量を測定することを意味します。例えば、「料理のために水の量を量る」といった場合、計量カップを使って正確な水の量を測定することを指します。

例文:米の量を量る

解説: 米の重さや量を測定することを意味します。例えば、「炊飯器で炊く前に米の量を量る」といった場合、計量カップを使って適切な量の米を測定することを指します。

例文:薬の量を量る

解説: 投与する薬の適切な量を測定することを意味します。例えば、「赤ちゃんに与える薬の量を量る」といった場合、スプーンやシリンジを使って正確な薬の量を測定することを指します。

例文:野菜の重さを量る

解説: 野菜の重さを測定することを意味します。例えば、「サラダの材料となる野菜の重さを量る」といった場合、キッチンスケールを使って野菜の重さを測定することを指します。

例文:小麦粉の量を量る

解説: 小麦粉の量を測定することを意味します。例えば、「パンを作るために小麦粉の量を量る」といった場合、計量カップやはかりを使って正確な小麦粉の量を測定することを指します。

例文:燃料の量を量る

解説: 燃料の量を測定することを意味します。例えば、「車の燃料の量を量る」といった場合、ガソリンメーターを使って燃料の残量を確認することを指します。

例文:アルコールの量を量る

解説: 飲料に含まれるアルコールの量を測定することを意味します。例えば、「カクテルを作る際にアルコールの量を量る」といった場合、計量カップを使って適切なアルコールの量を測定することを指します。

例文:荷物の重さを量る

解説: 荷物の重さを測定することを意味します。例えば、「飛行機に乗る前に荷物の重さを量る」といった場合、はかりを使って荷物の重さを確認することを指します。

例文:材料の量を量る

解説: 料理や工芸に使う材料の量を測定することを意味します。例えば、「ケーキを作るために材料の量を量る」といった場合、計量カップやはかりを使って正確な材料の量を測定することを指します。

これらの例文を通じて、「量る」が持つ多様な意味と使用法を理解することができます。それぞれの文脈において、「量る」がどのように適用されるかを把握することが重要です。

まとめ

「計る」「測る」「量る」は、それぞれ異なる意味や用法を持つ日本語の動詞ですが、共通点もあります。以下にそれぞれの特徴と使い分けについてまとめます。

計る(はかる)

意味: 数や時間を測定したり、予測したりすることを指します。主に数値や時間的な概念を扱います。

例: 時間を計る、損失を計る、将来を計るなど。

特徴: 数値や時間を詳細に把握し、予測する場合に使用されます。計器を用いて具体的な数値を得ることが特徴です。

測る(はかる)

意味: 長さ・高さ・広さ・深さ・速さなど、物理的な寸法や量を測定することを指します。また、心情や状況を推し量ることも含みます。

例: 距離を測る、身長を測る、水の深さを測るなど。

特徴: 物理的な寸法や量を正確に測定する場合や、状況や心情を推し量る場合に使用されます。道具や計器を使用することが一般的です。

量る(はかる)

意味: 重さや量を測定することを指します。物質の重さや容量、数量を測定する際に使います。

例: 体重を量る、水の量を量る、小麦粉の量を量るなど。

特徴: 物質の重さや容量、数量を測定する場合に使用されます。具体的な質量や数量を評価することが主な目的です。

使い分けのポイント

「計る」: 数値や時間的な概念を扱う際に使用します。具体的な数値や時間を知りたいときに使います。

「測る」: 物理的な寸法や量を測定する際に使用します。具体的な長さや体積などを知りたいときに使います。

「量る」: 物質の重さや容量、数量を測定する際に使用します。具体的な重さや量を知りたいときに使います。

これらの動詞は、日常生活や専門的な分野で広く使われており、正確に意味を理解し、適切な文脈で使用することが重要です。