岡山県の郷土料理けんびき焼きとは?

岡山県の伝統料理「けんびき焼き」は、新見市を中心に伝えられています。この料理の主な材料は小麦粉とみょうがの葉です。

歴史や由来に関して、昔から農家では旧暦の6月1日を特別な日としており、その日には田植えが終わり、梅雨明けを待つ時期でした。

この日は厄年の終わりや厄年の始まりでもあり、さまざまな行事が行われました。

その中で、農家ではみょうがの葉で包んで焼いた「けんびき焼き」が作られ、食べられました。

これは、農作業で疲れた肩の筋肉をほぐしたり、夏バテ予防に効果があると言われています。

また、小麦の収穫直後に焼き餅を作ったり、ソラマメで作ったあんを詰めたりして焼きました。昔はみょうがの葉が庭にたくさん植えられており、簡単に手に入りました。

この料理は、旧暦の6月1日に休暇を取る機会として広く知られ、農家の嫁が里に帰る「泥落としの日」でも食べられました。

さらに、この日は厄年の境目でもあり、豊作を祈る行事が行われました。

食べ方は、小麦粉に熱湯を加えてこね、その中にあんを包み、みょうがの葉で包んで焼く方法が一般的です。

けんびき焼きのレシピと材料

けんびき焼きの材料(10個分)

小麦粉:200g
みょうがの葉:10枚
熱湯:200ml
水:40ml
油:少々
片栗粉:少々
小豆:140g
砂糖:100g
塩:少々

けんびき焼きの作り方

1:小豆は一晩水に漬け、あくを取りながら柔らかくなるまで煮る。指で押してつぶれるくらいの柔らかさが目安(50~60分)。

2:1を絞り、砂糖と塩を加えて練り上げ、あんこを作り、丸めておく。

3:大きめのボウルに小麦粉を入れ、熱湯を加えて混ぜる。

4:加減を見ながら40mlの水を加え、軽くこねる。そのまま10分ほど室温でねかせる。

5:手に片栗粉をつけ、10等分にした生地にあんこを包み、団子を作り、みょうがの葉を巻く。

6:フライパンに薄く油を引き、中火から弱火で両面を焼き上げる。

※レシピ提供元名: 備中県民局農林水産事業部

※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。

けんびき焼きの起源と方言

岡山県新見市のカルスト台地では、夏の風物詩として、JA晴れの国岡山新見女性部がけんびき焼きを伝承しています。

「けんびき」とは肩こりのことを指し、この「けんびき焼き」は、練った小麦粉または米粉の中に餡を入れ、みょうがの葉で包んで焼いたシンプルなおやつです。

田植えが終わり、梅雨明けを待つ旧暦の6月1日は「ロッカッシテェ」「ロッカッヒテェ」と呼ばれ、どの農家でも仕事を休む日とされ、この日に「けんびき焼き」が食べられていました。

小麦の収穫が終わり、農作業の疲れを癒すためのおやつとして各家庭で作られています。

JA新見女性部長さんは、「みょうがの葉は焼くと爽やかな香りがするのが特徴で、昔から各家庭で親しまれてきた。出来上がったけんびき焼きは、JAのイベントや直売所で販売されているが、懐かしの味として好評で、これからも伝統を守っていきたい。また、食と農を守る取り組み、農と暮らしを支える活動の輪を広げ、くらしの視点に立ち仲間づくり活動を広げていきたい」と述べています。

まとめ

けんびき焼きは、岡山県新見市のカルスト台地で夏の風物詩として親しまれている伝統的な料理です。

由来と名前の意味

「けんびき」は肩こりを指し、「焼き」は焼くことを意味します。この料理は肩こりを和らげるための食べ物として作られたことから、「けんびき焼き」と名付けられました。

材料と作り方

材料には小麦粉、みょうがの葉、熱湯、水、油、片栗粉、小豆、砂糖、塩が使用されます。

作り方は、まず小豆を柔らかく煮て餡を作り、小麦粉に熱湯を加えてこね、生地を作ります。この生地にあんを包んで団子にし、みょうがの葉で包んで焼くという手順です。

食べる機会

田植えが終わり、梅雨明けを待つ旧暦の6月1日には、けんびき焼きが特に食べられます。この日は農家が仕事を休む日であり、けんびき焼きはその休息の一環として食べられます。

伝統と文化の継承

JA晴れの国岡山新見女性部を中心に、けんびき焼きの伝統が継承されています。地域のイベントや直売所で販売され、伝統を守りながら親しまれています。

特徴と評価

みょうがの葉で包まれたけんびき焼きは、爽やかな香りと風味が特徴です。地元の人々からは懐かしい味として好評であり、伝統を守りながら広く親しまれています。

岡山県新見市のけんびき焼きは、地域の文化や風習を反映した料理であり、その歴史と伝統を大切に受け継がれています。