主な伝承地域は島根県の出雲地方、石見地方などになります。ふきのとう味噌の主な使用食材はnふきのとう、白味噌、田舎味噌などになります。
春の味覚として親しまれるふきのとうは、島根県でも清らかな水と肥沃な大地に恵まれ、田畑のあぜ道や山間部、市街地の土手や公園など、さまざまな場所で見られます。
お年寄りや子どもたちが拾ってくるほか、農家も一部で栽培しています。
ふきのとうは冷凍保存ができ、一年を通じて料理に利用されます。
天ぷらや和え物、炒め物などに加え、「ふきのとう味噌」はごはんのお供やお酒のつまみとしても楽しまれています。
早い地域では1月ごろから八百屋やスーパーマーケットで見かけますが、4月に入ると出荷が終了します。
地元ではふきのとうをおすそ分けする風習もあります。同じ時期につくしやぜんまい、たけのこなどの山菜も楽しめます。
苦みが少ない小さく閉じたつぼみのふきのとうを使用し、独特の苦みと香りを楽しむために調理します。
細かく刻んで重曹を加えたお湯でゆで、冷水でさらします。水を絞り、白味噌や田舎味噌、酒、みりんなどと混ぜ合わせます。
味噌の配分は好みに合わせて調整し、塩味が強い場合は砂糖を加えて調整します。冷蔵保存することで日持ちします。ふきのとうは調理中に茶色く変色しますが、ゆでた後に冷水にさらすことで鮮やかな緑色を保つことができます。
シーズン中は道の駅や直売所で販売され、冷凍保存をしたふきのとうを使って一年中提供される店もあります。
ふきのとう味噌の手順と材料
ふきのとう味噌の材料(4人分)
ふきのとう:140g
炒りごま:少々
麦味噌:30g
白味噌:250g
酒:20cc
みりん:20cc
砂糖:20g
重曹:適量
塩:適量
ふきのとう味噌の作り方
1:ふきのとうは、熱湯に塩と重曹を入れてゆで、水に浸してしばらく置き、アクを抜く。
2:水気を絞り、みじん切りにする。
3:2を調味料と混ぜ、すり鉢でよくすり合わせる。
レシピのアレンジ
重曹を加えると色が抜けにくく、美しい緑色になります。
※地域や家庭によってレシピが異なる場合があります。
ふきのとうについて紹介
ふきのとうは、早春に花蕾が生じる野菜であり、「ふき」と呼ばれる葉柄も利用されます。
古くから日本原産の野菜として知られ、8世紀ごろから栽培が始まりました。現在ではスーパーなどで販売されるほとんどは栽培されたもので、春を中心に出回っています。主に惣菜の材料として使われます。
山菜としても知られるふきのとうや葉柄、葉は独特の香りがあります。
灰汁が強く、肝毒性があるため、下茹でして灰汁抜きをする必要があります。旬は春であり、冬から春にかけて体調を整える野菜としても利用されます。茎はまっすぐ伸びていて、太さが均一で色が薄い緑色で黒ずみがないものが良品とされます。
栄養的には、ふきのとうには特に特徴的な成分はありませんが、低カロリーでありながら多少のβ-カロテン、ビタミンB1・B2、カルシウム、カリウム、亜鉛などの栄養素が含まれています。
食物繊維も豊富で、腸の働きを活発にし、便通を促進します。一方、ふきのとうは栄養価が高く、ビタミンB群、ビタミンC・E・K、カリウム、鉄、亜鉛などのミネラルが含まれています。
ふきのとうの個性的な香りと苦みを生かした料理としては、和え物や煮物がよく知られています。野生のふきは栽培されたものよりも苦味が強く、小ぶりです。また、亜種のアキタブキも利用され、砂糖漬けにされて市販されています。
ふきのとうの利用方法と特徴
旬は早春で、蕾の状態で採取されます。
新鮮なふきのとうはほろ苦い味と特有の香りがあり、春の味覚として愛されています。
天ぷらや煮物、和え物、味噌汁、油炒め、ふきのとう味噌など、さまざまな料理に利用されます。蕾がしっかり締まっているものが一般的で、花が咲いた状態は灰汁が強く避けられます。
また、花が開いたものは細かく刻んで味噌と炒めてふき味噌にすることもできます。
ふきのとうは、灰汁にフキノトキシンと呼ばれる発がん性物質が含まれているといわれており、多食や常食は避けるべきです。
自生するふきのとうは春から初夏にかけて採取されます。下茹でして灰汁を抜いてから料理に使われるほか、塩漬けや佃煮にして保存されます。
また、油揚げで包んで信太巻きの具材にしたり、醤油と砂糖やみりんで味付けした佃煮にしたりもします。葉も塩茹でしてアクを抜いてから佃煮にしたり、釣った魚を包んで焼く調理法にも利用されます。
ふきの薬用利用
フキは薬用植物でもあり、夏から秋にかけて掘り出して天日乾燥した根茎は、蜂闘菜(ほうとうさい)として生薬として用いられます。
また、フキノトウも生薬として利用され、蕾のうちに採取後に天日乾燥または陰干しにして調製されます。フキノトウの生薬名は和款苳花(わかんとうか)とされます。
昔からフキは痰を切り、咳を鎮める作用があることが知られており、呼吸器系の機能を円滑にし、気管支粘膜の炎症を鎮め、粘液の分泌を促す働きがあります。
フキノトウには食欲増進効果があり、苦味質や精油成分を含み、消化を助けるとされています。
葉にも苦味配糖体、粘液、サポニン、タンニンなどが含まれ、同様の薬効があるとされています。また、フキノトウに多く含まれるほろ苦さの成分はがんの予防に役立つとされています。
蜂闘菜は患部に熱を持つのどの腫れや痛みに効果があり、民間療法では1日量5グラムを600 ccの水で煎じて3回に分けて服用するほか、うがい薬代わりに煎液でうがいする方法が知られています。
乾燥したフキノトウまたは葉は、咳止め、去痰、解熱、健胃、食欲増進に用いられ、1日量5 – 20グラムを水300 – 600 ccで半量になるまで煎じ、3回に分けて食前に服用する用法が知られています。
また、生の茎葉のしぼり汁には魚の中毒の解毒効果があるといわれ、虫刺されにも効果があるとされています。
まとめ
ふきのとう味噌は、日本の伝統的な山菜料理の一つであり、春に山や畑で採取されるふきのとうを使って作られます。以下はふきのとう味噌についてのまとめです:
材料: ふきのとう味噌を作るための主な材料には、ふきのとう、味噌(白味噌や田舎味噌など)、酒、みりん、砂糖などが含まれます。
調理方法: ふきのとうは、塩と重曹を入れた熱湯でゆでてアク抜きし、水にさらして水気を絞り、みじん切りにします。それを味噌や調味料と混ぜて、よくすり合わせます。
味わい: ふきのとう味噌は、ほろ苦いふきのとうの風味と、味噌のコクが絶妙にマッチした独特の味わいが特徴です。
保存方法: ふきのとう味噌は冷蔵保存が可能であり、作った後は密封容器に入れて冷蔵庫で保存します。保存期間は数日から数週間ですが、冷凍することで長期間保存することもできます。
利用方法: ふきのとう味噌は、ご飯のお供としてはもちろん、お酒のおつまみや料理の隠し味として幅広く利用されます。また、天ぷらや和え物、炒め物などにも活用されます。
ふきのとう味噌は、春の訪れを感じさせる季節限定の味覚であり、その独特の風味と栄養価の高さから、多くの人々に親しまれています。