パスタは、イタリアの食文化で用いられる小麦粉をこねて作られる食品の総称で、伝統的には600以上の種類が存在するとされています。
パスタは大まかに、長いスパゲッティや短いマカロニなどのショートパスタ、そして板状のラザニアや団子状のニョッキなどの種類に分けられます。
言い換えれば、スパゲッティはパスタの一種です。
フェットゥチーネが幅広のスパゲッティとして誤解されることもありますが、これは正しくありません。
また、細長い形状のパスタが必ずしもスパゲッティとは限りません。
イタリアでは、長さが約25cmで太さが約2mmのパスタを「スパゲッティ」と呼び、太さが約1.6~1.7mmのものを「スパゲッティーニ」と呼びます。太さが約1.4~1.5mmのものは「フェデリーニ」と呼ばれます。
一方、日本の農林規格(JAS)では、太さが1.2mm以上の棒状のものや2.5mm未満の管状のものを「スパゲッティ」と規定しています。したがって、日本で販売されているスパゲッティは、イタリアでの呼称よりも太さが幅広い場合があります。
その他、太さが1.2mm未満の棒状のものを「バーミセリ」と定義し、太さが2.5mm以上の管状またはその他の形状のものを「マカロニ」と呼びます。帯状に成形されたものは「ヌードル」とされています。
パスタの豊富な種類
パスタは500種類以上もあると言われていますが、今回は大まかに「ロングパスタ」と「ショートパスタ」に分けて、それぞれの代表的なものをご紹介します。
ロングパスタ
ロングパスタは、その名の通り長い形状をしているパスタの総称です。一般的なロングパスタには、スパゲッティやフェットチーネ、リングイネなどがあります。
スパゲッティは、イタリア料理で最もポピュラーなロングパスタです。細くて長い形状をしており、一般的には直径1.4〜1.9mmほどです。主にトマトソースやミートソースなどのソースとよく組み合わせられますが、他の多くのソースにも合います。
フェットチーネは、スパゲッティよりも幅が広く、平らな形状をしています。幅は5〜10mmほどで、厚みは1mmほどです。この幅広い面積が、クリームソースやボロネーゼソースなど、濃厚なソースとの相性を良くしています。
リングイネは、楕円形の断面を持つ細長いパスタです。幅は3cmほど、厚みは1mmほどで、平らな麺にソースがよく絡みます。特に濃厚なクリームソースなどと相性が良いです。
ロングパスタは、その長い形状が特徴で、ソースとの絡みやすさが魅力です。様々な種類のロングパスタがあり、それぞれの形状や太さ、食感によって異なるソースとの相性があります。そのため、料理のバリエーションを広げる上で、ロングパスタは重要な役割を果たします。
スパゲッティ
スパゲッティは、イタリア料理の代表的なパスタの一つであり、世界中で広く愛されています。細長い形状をしており、一般的には小麦粉と水を混ぜて作られます。スパゲッティの名前は、イタリア語で「細線」という意味を持ちます。
一般的なスパゲッティの直径は、約1.4〜1.9mm程度であり、長さは通常25〜30cmほどですが、パッケージによって異なる場合もあります。
この細長い形状は、ソースとよく絡み、食べやすい特徴があります。
スパゲッティは多くの料理に使用されますが、特にトマトベースのソースやクリームソース、オイルベースのソースとの相性が良いとされています。
トマトソースには、ミートソースやマリナーラソースがあり、クリームソースにはアルフレードソースなどがあります。また、オリーブオイルやニンニク、唐辛子を使用したペペロンチーノソースも人気があります。
スパゲッティはイタリア料理の中でも特にポピュラーで、多くの家庭やレストランで提供されています。
茹でた後にお皿に盛り付け、ソースを絡めてから提供されることが一般的です。その他にも、スープに入れたり、冷製パスタとしてサラダにしたりすることもあります。
スパゲッティは食感がしっかりとしており、様々なソースとの相性が良いため、料理のバリエーションが豊富に楽しめるパスタの一つです。
スパゲッティーニ
スパゲッティーニは、スパゲッティに似た形状を持つパスタで、より細く細長いタイプです。その名前は、イタリア語で「小さなスパゲッティ」という意味を持ちます。
一般的なスパゲッティーニの直径は、約1.5〜1.7mmほどで、長さは通常25〜30cmほどですが、パッケージによって異なる場合もあります。スパゲッティーニはスパゲッティよりも細く、より繊細な食感が特徴です。
スパゲッティーニは、一般的なスパゲッティと同様に、トマトベースのソースやクリームソース、オイルベースのソースとの相性が良いとされています。特に、オイルベースのソースや軽めの和風ソースとの相性が良いとされており、シンプルな調理法で素材の味を楽しむことができます。
スパゲッティーニは、イタリア料理のレシピによく登場し、多くの家庭やレストランで提供されています。茹でた後にソースと絡めてから提供されることが一般的であり、食感がしっかりとしているため、ソースとよく絡み合います。
スパゲッティーニは、スパゲッティよりも細く繊細な食感が特徴であり、様々なソースとの相性が良いため、料理のバリエーションを広げる上で重宝されるパスタの一つです。
カペッリ・ダンジェロ(カッペリーニ)
カペッリ・ダンジェロ、または一般的にはカッペリーニとして知られるパスタは、非常に細く細長い形状をしたパスタです。その名前は、イタリア語で「天使の髪」という意味を持ちます。
カッペリーニは、一般的に直径が1.3mm以下の極細のパスタで、通常は25〜30cmの長さです。この非常に細い形状は、スパゲッティーやスパゲッティーニよりもさらに繊細な食感を持っています。
カッペリーニは、軽やかな食感と独特の見た目から、さっぱりとしたソースや冷製のソースとの相性が良いとされています。
特に、オリーブオイルやガーリック、唐辛子、ハーブを使用したペペロンチーノソースや、冷製のトマトやハーブソースと相性が良いです。
一般的に、カッペリーニは茹でる時間が短く、茹で過ぎると煮崩れしやすいため、注意が必要です。茹でた後はすぐに氷水に入れて冷やすと、より一層食感が良くなります。
カッペリーニは、イタリア料理のレシピによく登場し、特に夏季には冷製のパスタサラダとして人気があります。その細い形状と軽やかな食感は、暑い季節にぴったりです。
ヴェルミチェッリ
ヴェルミチェッリは、イタリア語で「虫」を意味する言葉に由来するパスタで、細長い形状を持つ平打ちのパスタです。その名前は、糸を撚り合わせたような独特の形状から来ています。
一般的なヴェルミチェッリは、幅が2.1〜2.2mmほどであり、厚みは約1mmほどです。この幅広い面積が、様々なソースとの絡みやすさを提供しています。
ヴェルミチェッリは、平打ちのパスタであるため、ソースがよく絡み、しっかりとした食感が特徴です。そのため、濃厚なソースやクリーム系のソースとの相性が良いとされています。例えば、カルボナーラやボロネーゼ、クリームソースなどが挙げられます。
ショートパスタ
ショートパスタは、その名の通り、短い形状を持つパスタの総称です。ロングパスタと比較して、短く切られたり、短い形状をしています。一般的には、マッケローニ、ペンネ、ファルファッレ、コンキリエなどがショートパスタの代表的な種類です。
マッケローニは、中空の筒状をしており、直径が2〜5mmほどで、通常は1cmほどの長さに切られています。この形状は、ソースがよく絡みやすく、グラタンやスープにもよく使われます。
ペンネは、中空の筒状で、両端が斜めにカットされた形状をしています。直径は約8mmほどで、通常は2〜3cmほどの長さに切られています。この形状は、トマトソースやクリームソースなど、さまざまなソースとの相性が良く、人気があります。
ファルファッレは、蝶の形をしたパスタで、その名前はイタリア語で「蝶」という意味を持ちます。幅広で厚みのある中央部と、両端がくびれた形状をしており、ソースがよく絡みやすい特徴があります。
コンキリエは、貝の形をしたパスタで、その名前はイタリア語で「貝殻」という意味を持ちます。幅広の平たい形状をしており、表面には筋模様が入っています。ソースがよく絡みやすく、特にトマトソースやクリームソースとの相性が良いです。
ショートパスタは、その短い形状や特徴的な形状から、さまざまな料理に使用されます。ソースとの相性や食感を考慮して選ぶことで、より美味しいパスタ料理を楽しむことができます。
マッケローニ(マカロニ)
マッケローニ、または一般的にはマカロニとして知られるパスタは、中空の筒状をしており、その名前はイタリア語で「小麦粉の食べ物」という意味を持ちます。マッケローニは、パスタの中でも特にポピュラーで、多くの料理で使用されています。
マカロニの一般的な形状は、直径が2〜5mmほどで、通常は1cmほどの長さに切られています。しかし、マカロニの形状には様々なバリエーションがあり、一般的なものから曲がったり、リブが付いていたりするものもあります。
マカロニは、その中空の筒状の形状から、ソースがよく絡みやすく、特にクリーム系のソースやチーズソースとの相性が良いとされています。代表的な料理としては、マカロニ・アンド・チーズやマカロニグラタンがありますが、トマトソースやミートソース、ホワイトソースなどとも相性が良く、様々な料理に使用されます。
マカロニは、一般的に茹でる時間が短く、アルデンテ(食感が歯ごたえのある状態)に茹で上げることが一般的です。また、マカロニは非常に幅広い用途に使用されるため、料理のバリエーションを広げる上で重宝されています。
ペンネ
ペンネは、イタリア料理の代表的なショートパスタであり、特徴的な形状を持つことで知られています。その名前は、イタリア語で「羽根ペン」という意味を持ちます。ペンネの特徴は、中空の筒状で、両端が斜めにカットされていることです。
一般的なペンネの直径は約8mmほどで、長さは約2〜3cmほどです。この形状は、ソースがよく絡みやすく、食べやすい特徴があります。
また、ペンネの表面には、筋が入っていることがあり、これによってソースがより良く絡みます。
ペンネは、さまざまなソースとの相性が良いとされています。特に、トマトソースやクリームソース、オリーブオイルベースのソースなどと相性が良く、人気があります。ペンネの形状は、ソースをよく保持し、より一層美味しさを引き立てる役割を果たします。
一般的に、ペンネは茹でる時間が短く、アルデンテ(歯ごたえのある食感)に茹で上げることが好まれます。
茹で上がったペンネは、ソースと絡めて提供されることが一般的であり、その美味しさを引き立てます。
ペンネは、イタリア料理のレシピによく登場し、多くの料理に使用されています。その特徴的な形状と食感は、料理のバリエーションを広げる上で重宝され、広く愛されています。
フジッリ
フジッリは、イタリア料理におけるショートパスタの一種であり、らせん状の形状を持つパスタです。
その名前は、イタリア語で「くるり」という意味を持ちます。フジッリは、その特徴的ならせん状の形状から、ソースや調味料がよく絡みやすく、食べ応えのある食感が楽しめることで知られています。
一般的なフジッリは、幅広いらせん状の形状をしており、その長さは通常2〜3cmほどです。
この形状は、ソースや調味料がよく絡み、パスタとソースの組み合わせをより一層美味しく楽しむことができます。
フジッリは、さまざまなソースとの相性が良いとされています。
特に、オリーブオイルやガーリック、唐辛子、ハーブを使用したシンプルなオイルベースのソースや、トマトソースとの相性が良く、人気があります。また、フジッリはサラダにもよく使われます。
一般的に、フジッリは茹でる時間が短く、アルデンテ(歯ごたえのある状態)に茹で上げることが好まれます。
茹で上がったフジッリは、すぐにソースと絡めて提供されることが多く、その美味しさを引き立てます。
フジッリは、イタリア料理のレシピによく登場し、特に夏季には冷製のパスタサラダとして人気があります。
その特徴的ならせん状の形状と食感は、暑い季節にぴったりで、さまざまな料理に使用されています。
ファルファッレ
ファルファッレは、イタリア語で「蝶」という意味を持ち、その形状が蝶の羽に似ていることから名付けられました。ファルファッレは、イタリア料理におけるショートパスタの一種であり、その特徴的な形状が人気を集めています。
ファルファッレの特徴は、幅広で平らなパスタの中央部分がくびれ、その両端がくぼんでいることです。
この形状によって、ファルファッレはソースや調味料がよく絡み、食感が楽しめます。
一般的なファルファッレは、幅広い平らな形状をしており、その長さは通常2〜3cmほどです。
この形状は、ソースや調味料がよく絡み、パスタとソースの組み合わせをより一層美味しく楽しむことができます。
ファルファッレは、さまざまなソースとの相性が良いとされています。
特に、クリーム系のソースやトマトソース、ペストソースなどと相性が良く、人気があります。また、ファルファッレはサラダにもよく使われます。
一般的に、ファルファッレは茹でる時間が短く、アルデンテ(歯ごたえのある状態)に茹で上げることが好まれます。
茹で上がったファルファッレは、すぐにソースと絡めて提供されることが多く、その美味しさを引き立てます。
ファルファッレは、イタリア料理のレシピによく登場し、特にサラダや冷製のパスタ料理として人気があります。
その特徴的な形状と食感は、料理のバリエーションを広げる上で重宝され、広く愛されています。
コンキリエ
ンキリエは、イタリア語で「貝殻」という意味を持ち、その形状が貝殻に似ていることから名付けられました。コンキリエは、イタリア料理におけるショートパスタの一種であり、その特徴的な形状が人気を集めています。
コンキリエの特徴は、貝殻を思わせるような形状をしており、表面には筋模様が入っています。
この形状によって、コンキリエはソースや調味料がよく絡み、食感が楽しめます。
一般的なコンキリエは、幅広い平たい形状をしており、その長さは通常1〜2cmほどです。
この形状は、ソースや調味料がよく絡み、パスタとソースの組み合わせをより一層美味しく楽しむことができます。
コンキリエは、さまざまなソースとの相性が良いとされています。
特に、トマトソースやクリームソース、ミートソースなどと相性が良く、人気があります。また、コンキリエはサラダにもよく使われます。
一般的に、コンキリエは茹でる時間が短く、アルデンテ(歯ごたえのある状態)に茹で上げることが好まれます。
茹で上がったコンキリエは、すぐにソースと絡めて提供されることが多く、その美味しさを引き立てます。
コンキリエは、イタリア料理のレシピによく登場し、特にシーフードや海鮮料理との相性が良いです。
その特徴的な形状と食感は、料理のバリエーションを広げる上で重宝され、広く愛されています。
パスタの特徴と使い方
パスタは多岐にわたる種類があり、それぞれに合った調理法を知って、さらに美味しく楽しむことができます。以下では、代表的なロングパスタとショートパスタそれぞれの最適な使い方や、おすすめのソースをご紹介します。
ロングパスタの使い方
まずは、スルスルと食べられるロングパスタの使い方を紹介します。
一般的なスパゲッティはどんなソースでもOK
日本でも馴染みの深いスパゲッティは、どんなソースでも相性抜群です!ミートソースやナポリタン、明太子パスタなど、さまざまなソースを引き立てます。迷ったときはスパゲッティがおすすめです。
細めのパスタにはオイル系がおすすめ
細いスパゲッティやスパゲッティーニは、ペペロンチーノなどシンプルで軽いオイル系ソースがぴったりです。細めのパスタには軽やかなソースを合わせましょう。
極細パスタには冷製パスタがおすすめ
極細パスタのカッペリーニは、軽い口当たりなので、さっぱりした冷製ソースがおすすめです。細い麺は冷水で締めてもコシが残り、冷製パスタに向いています。
太め・平たいパスタはチーズ系・クリーム系・濃厚なソースがおすすめ
太めのヴェルミチェッリや平打ちのフェットチーネは、濃厚なソースと相性が良いです。カルボナーラやジェノベーゼなどのクリームソースと特に合います。
ショートパスタの使い方
ショートパスタは使い勝手がよく、どんなソースにも合います。
ロングパスタよりも伸びにくいので、しっかりと芯まで茹でるのがコツです。また、さまざまな形状があり、普段の料理に取り入れると食卓が華やかになります。
まとめ
パスタは、イタリア料理の代表的な食材であり、世界中で愛されている食べ物です。
主に小麦粉と水から作られ、さまざまな形状や種類があります。パスタは、ロングパスタとショートパスタに大別されます。
ロングパスタ
ロングパスタは、長い形状をしており、主にスパゲッティやフェットチーネなどがあります。
スパゲッティは、細長い棒状であり、様々なソースと相性が良い万能なパスタです。
フェットチーネは、幅広の平打ちパスタであり、クリームソースやミートソースとの相性が良いです。
ショートパスタ
ショートパスタは、短い形状をしており、主にマッケローニやペンネ、ファルファッレなどがあります。
マッケローニは、中空の筒状をしており、グラタンやスープによく使われます。
ペンネは、中空の筒状で、両端が斜めにカットされた形状をしており、トマトソースやクリームソースとよく合います。
ファルファッレは、蝶の形をした平らなパスタであり、幅広で厚みのある中央部と周辺部の食感の違いが楽しめます。
パスタは、さまざまなソースや具材と組み合わせて様々な料理が作られます。
トマトソースやクリームソース、ミートソース、シーフードなど、多彩な味わいを楽しむことができます。
また、茹でる時間やアルデンテにするかどうかなど、調理法もさまざまです。
パスタは、手軽に作れる一品でありながら、そのバリエーション豊かな魅力によって、世界中で愛されています。