上ると登ると昇るの使い分けとは?

「のぼる」という言葉には、「上る」と「登る」と「昇る」という漢字があります。
普段よく使われるのは「上る」で、「階段を上る」「坂道に上る」など、下から上に一歩一歩進むことを表します。
「都に上る」「上り列車」など、都や中央へ向かうことも表します。
話題や取り上げられることも「上る」と言います。
また、「食卓に上る」など、高い所に置くことも指します。
「百万人に上る」など、数量が多いことを表す場合もあります。
「頭に血が上る」など、興奮や怒りを表す意味もあります。
「登る」は、意識的に高い場所に行くときや、努力して進むときに使います。
「山に登る(登山)」「頂上まで登る(登頂)」など、熟語で使われることがあります。
「昇る」は空中に上昇することを表します。「天に昇る」「日が昇る」「煙が昇る」などが例です。
また、「地位が昇る(昇進)」など、地位が上がることも表します。
「エレベーターで昇る」「エスカレーターで昇る」のように、機械を使って上昇することもあります。
普段は「上る」を使うことが多いですが、「登る」と「昇る」は状況によって使い分けます。

上るの意味とは?

「上る」とは、下から上へ移動する際や低い場所から高い場所へ移動する際に用いられる言葉です。「下る(くだる)」や「下りる(おりる)」と対をなす言葉です。

「上る」、「登る」、「昇る」の中で、広く一般的に使われるのが「上る」で、以下のような場面で用いられます。

上るの例文を紹介

階段を上る(かいだんをのぼる)

解説: この場合、「上る」は文字通り階段を上っていくことを指します。
例文: 学校の階段を上ると、教室があります。

都心に上る(としんにのぼる)

解説: ここでの「上る」は地理的な位置を示しています。都心や中心地へ向かうことを表します。

例文: 週末には友達と一緒に都心に上ってショッピングを楽しむ予定です。

人気が上る(にんきがあがる)

解説: この場合の「上る」は、何かが増加していくことを示します。一般的に、評判や人気が上昇するときに使います。

例文: 最近、彼の音楽がとても人気が上ってきているらしい。

重要性が上る(じゅうようせいがあがる)

解説: ここでは「上る」は、何かが重要性を増すことを表しています。

例文: このプロジェクトはますます重要性が上ってきており、今後の成功にとって不可欠です。

湯気が上る(ゆげがのぼる)

解説: 「上る」は物体が上方に移動することを示すので、湯気が上がる様子を表現する際にも使います。

例文: 鍋から湯気が上るのが見えたので、お風呂の湯が沸騰したことが分かった。

登るの意味

「登る」とは、一段と高い場所へ移動する際に用いられる言葉です。目的を持って一歩一歩進む、または努力して高い場所へ進むといったイメージがあります。

登るの例文を紹介

山に登る(やまにのぼる)

解説: この場合、「登る」は山などの自然の地形を上り詰めることを指します。

例文: 夏休みには友達と一緒に近くの山に登る予定です。

階段を登る(かいだんをのぼる)

解説: ここでの「登る」は階段を上ることを指します。一つずつ段を上っていくイメージです。

例文: 毎日、会社のオフィスまで5階を階段を登ることで運動をしています。

頂上まで登る(ちょうじょうまでのぼる)

解説: 「登る」は頂上や最高点まで到達することを表し、より具体的な目標を示します。

例文: 彼らは未踏の山の頂上まで登る計画を立てました。

ランキングで順位が登る(らんきんぐでじゅんいがのぼる)

解説: ここでは「登る」は、ランキングや順位が上がることを意味します。競技や評価の中での向上を表します。

例文: 最新の試合で彼のランキングが急上昇していると聞きました。

演壇に登る(えんだんにのぼる)

解説: 「登る」は物理的な高い場所に到達するだけでなく、象徴的な高い地位につくことも指します。

例文: 彼女は重要なプレゼンテーションのために演壇に登り、自分の意見を述べました。

昇るの意味

「昇る」とは、太陽や月が空に高く昇る時や、何かが上方向へ進み高い場所へ達する時に用いられる言葉です。ある線の上を移動するというイメージがあります。

高い地位に就いたり昇進したりする際にも使われます。「昇る」は「降る(くだる)」や「降りる(おりる)」「沈む」の対義語です。

昇るの例文を紹介

太陽が昇る(たいようがのぼる)

解説: この場合、「昇る」は太陽が空に昇ることを指します。

例文: 毎朝、美しい朝日が東の空に昇るのを見るのが私の楽しみです。

月が昇る(つきがのぼる)

解説: ここでの「昇る」は、月が空に昇ることを表します。

例文: 夜空に静かに輝く満月が昇ると、心が落ち着きます。

船が沈む太陽が昇る(ふねがしずむたいようがのぼる)

解説: この例文では、夕焼けの中で船が沈む様子と同時に、空に昇る太陽が描かれています。

例文: 海の向こうから見る夕焼けは、美しく船が沈む様子とともに、背後に太陽が昇る光景が見えました。

彼の地位が昇る(かれのちいがのぼる)

解説: ここでは「昇る」は、彼の地位や社会的な立場が上がることを意味します。

例文: 彼の素晴らしい業績により、会社内での彼の地位が急速に昇っています。

気球が空高く昇る(ききゅうがそらたかくのぼる)

解説: 「昇る」は、物体が空中に上昇することを指します。ここでは気球の上昇が描かれています。

例文: 子どもたちの喜びの声とともに、カラフルな気球が空高く昇りました。

まとめ

「上る」「登る」「昇る」は、それぞれ異なる意味や使い方を持つ動詞ですが、時には類似した意味を持つこともあります。以下にそれぞれの特徴や使い方をまとめます:

上る

下から上へ向かう、位置や方向の変化を表します。

物理的な移動や、数量や地位の増加を表す場合に使用されます。

具体的な場所や地点への移動を示すことが一般的です。

「階段を上る」「都心に上る」「人気が上る」などの使い方があります。

登る

高い場所へ向かう際に使われることが多いです。

目的や目標があって、一歩ずつ進む、努力して進む、よじ登るといったイメージを持ちます。

特に山や頂上などの自然の地形、または象徴的な高い地位への到達を表します。

「山に登る」「階段を登る」「頂上まで登る」などの使い方があります。

昇る

空や上方へ向かう動きを表します。

太陽や月が昇るような自然現象、または地位や評価が上昇する場合に使用されます。

高い地位への昇進や、空中に浮かぶ物体が上昇する様子を表します。

「太陽が昇る」「地位が昇る」「気球が昇る」などの使い方があります。

これらの動詞は、状況や文脈によって使い分けられますが、一部の場面では意味が重なることもあります。それぞれの特徴を理解し、適切な場面で使い分けることが重要です。