若桜のおやきの伝承地域は若桜町で、主な材料はもち米粉、あんこ、よもぎになります。
毎年5月に開催される「若桜神社大祭」は約400年の歴史を誇り、2年に1度の5月3日には「わかさまつり」が行われます。
この祭りでは神輿や行列、獅子舞などが見られ、おやきはそのおもてなし料理として知られています。昔から氏子たちは、家々でよもぎ入りのおやきを作り、夕方にはその香ばしい香りが町中に広がっていました。
おやきは、天下泰平と五穀豊穣を祈願して神社に奉納し、神棚に供えられてきました。
一般に「おやき」といえば、長野県の小麦粉やそば粉を使った野菜入りのものが有名ですが、若桜町のおやきは、もち米とうるち米の粉を使い、小豆あんを包んだ菓子です。
若桜町のおやきは、家ごとに代々受け継がれてきた亀甲形の押し型を使って作られ、訪れた人や親戚に振る舞われていました。現在では、家庭で手作りする習慣は薄れつつありますが、若桜町のお土産や若桜弁天参りの名物として親しまれ続けています。
よもぎをミキサーで細かくし、もち米粉と水を混ぜて生地を作ります。その生地であんを包み、型押ししてからフライパンで焼き、水を加えて蒸し焼きにします。冷凍保存も可能で、食べる際には電子レンジで温めたり、フライパンで再度焼くと、出来立てとは違った食感を楽しめます。
若桜町内の和菓子屋や道の駅などで購入できます。
また、ふるさと納税の返礼品としても提供されています。
町立こども園では毎年、食育ボランティアの協力を得て園児たちがおやき作りを体験しています。さらに、町内の施設では伝統行事を体験してもらうために、毎年5月5日のこどもの日に合わせてよもぎ入りおやき作りのイベントが開催されています。
若桜のおやきのレシピと材料
材料(約75個分)
もち米粉(だんごの粉):1kg
こしあん:1.5kg
ゆでたよもぎ:200g
水:1000ml(生地用)
作り方
1:よもぎをミキサーで細かくすり潰し、もち米粉と一緒にボウルに入れ、よく混ぜ合わせる。
2:1に少しずつ水を加えながら、耳たぶほどの硬さになるまでこねる。よもぎの水分も考慮しながら水の量を調整する。
3:こねた生地を冷蔵庫に入れて一晩寝かせる。
4:翌日、生地をもう一度よくこねる。
5:生地を30g、こしあんを20gずつ計り、生地でこしあんを包む。
6:生地を布を敷いた型に入れて押し型を使い形を整える。
7:フライパンに薄く油をひき、弱火から中火で蓋をして焼く。ある程度焼けたら、水を少し加えて蒸し焼きにする。
8:水気がなくなったらおやきを裏返して焼き続ける。
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
まとめ
若桜のおやきは、鳥取県若桜町に伝わる伝統的な菓子であり、地域の文化や食の象徴として大切にされています。
特徴と由来
主な使用食材: もち米粉とうるち米粉を混ぜて作った生地に小豆のこしあんを包んだ菓子です。
よもぎの使用: 地元で採れたよもぎを使用し、生地に混ぜることで風味豊かな特徴を持ちます。
歴史と伝承: おやきは、若桜神社の大祭りや地域の行事で重要な役割を果たし、古くから地域住民に親しまれてきました。天下安泰や豊穣を祈願して神社に奉納されることが多いです。
製造方法
生地の作り方: よもぎをすり潰して粉にし、それをもち米粉やうるち米粉と水と混ぜてこねます。生地を寝かせてから再度こね、30gの生地に20gのこしあんを包んで形を整えます。
焼き方: フライパンで軽く焼き、水を少量加えて蒸し焼きにし、仕上げに裏返して焼き上げます。
現在の状況と保存・継承
地域の特産品: 若桜町内の和菓子屋や道の駅で購入可能であり、地元の誇りとして親しまれています。
継承と保存: 地域の文化として大切にされており、食育の一環やイベントでの体験などを通じて次世代に伝えられています。また、ふるさと納税の返礼品としても提供されていることもあります。
若桜のおやきは、その風味と歴史的な背景から、地域の人々に愛され、大切に守られている伝統的な和菓子です。