ちらし寿司の郷土料理岡山祭り寿司とは?

ばら寿司は岡山の伝統的な祭り料理で、江戸時代に庶民が贅沢を避けるために考案された。

見た目は一汁一菜のちらしずしでありながら、中にはサワラやアナゴなど豊富な具材が詰まっており、岡山の地域や家庭によって異なる風味が楽しまれている。

春や秋のお祭りなど特別な機会に提供され、地域の食文化として保存・継承されている。

岡山祭り寿司の作り方

岡山のちらし寿司である祭り寿司の代表的な作り方を紹介します。

材料(4人分)

米 400g
水 500cc
だし昆布 10cm角
サワラ 4切れ
【合わせ酢】
砂糖 大さじ4
塩 大さじ1/2
酢 大さじ3
イカ 1ぱい
エビ 4尾
ゆでタコ 1/2本
モガイ 60g
アナゴ 2尾
レンコン 80g
高野豆腐 20g
ゆでタケノコ 60g
ゴボウ 1本
フキ 1本
干しシイタケ 6枚
卵 2個
サヤエンドウ 30g

岡山県の郷土料理ばら寿司の作り方の手順

1:サワラに軽く塩を振り、しばらく寝かせた後、合わせ酢に漬け、まわりが白くなったら取り出す。合わせ酢に酢大さじ1を加えておく。

2:だし昆布を入れて炊いたご飯全体に合わせ酢をまわしかけ、寿司飯を作る。

3:イカは5mm幅の切れ目を入れ一口大にそぎ切りにし、エビは背わたを取ってそれぞれゆでる。

4:タコはそぎ切りにし、甘酢(分量外:砂糖・酢各大さじ1、塩少々)に浸す。

5:モガイは振り洗いして煮る。(分量外:砂糖小さじ1、みりん・しょうゆ各大さじ1)

6:アナゴはたれ(分量外:砂糖・みりん・しょうゆ各大さじ1)をつけながら照り焼きにする。飾り用を少し残し、あとは小さく切る。

7:レンコンは飾り用を花形に、残りは小さく切り、酢水で煮た後、酢大さじ1を加えて浸しておく。

8:高野豆腐は戻して煮る。(分量外:砂糖大さじ2、塩小さじ1/2、だし汁適量)飾り用を少し残し、あとは小さく切る。

9:高野豆腐の煮汁にうす切りにしたタケノコ、ささがきにしたゴボウを加えて煮る。下ゆでして小さく切ったフキを加えて火を止める。

10:戻した干しシイタケを煮る。(分量外:戻し汁適量、砂糖大さじ6、しょうゆ大さじ1)

11:卵はわりほぐし(分量外:砂糖小さじ2、塩少々)うすく焼いて錦糸卵にする。

12:飾り用以外の具をご飯に混ぜ、器に盛り、飾り用の具、塩ゆでしたサヤエンドウを彩りよくのせる。

レシピ提供元: 岡山市栄養改善協議会

※レシピは地域・家庭によって異なる場合があります。

岡山ばら寿司の由来と特徴

江戸時代、備前(びぜん)岡山の大名である池田光政(みつまさ)は、家来や国の人々に贅沢を控えるようにと、「食事は一汁一菜(いちじゅういっさい)とする」というお触れを発令しました。

このため、祭りの日など特別な日に贅沢な食事を望む人々は、魚や野菜を目立たないように寿司飯に混ぜ込み、見た目は一汁一菜のシンプルさを保ちつつ、中には豊富な具が詰まった「ばらずし」が生まれました。

ばら寿司の食材の特徴と豆知識

「ばらずし」に使用される魚や野菜は、家庭や地域によって異なります。

サワラ、モガイ、エビなどの魚介類や、タケノコやゴボウなどがアナゴとともに使われることもあります。

岡山県の穏やかな気候は、瀬戸内海の魚や野菜、果物など多彩な食材で恵まれています。「ばらずし」は岡山県の特産品をたっぷり活かした、華やかな料理です。

岡山県の郷土料理ばら寿司のまとめ

岡山県の郷土料理祭ずしはは別名岡山ばら寿司、または備前ばら寿司と呼ばれていてお祭りやお祝いごと、来客の接待など特別な機会につくられる寿司料理になっています。

そんなばら寿司についてまとめてみました。

ばら寿司の歴史・由来・関連行事

まつりずしは、「岡山ばらずし」「備前ばら寿司」とも呼ばれ、備前岡山地方ではお祭りや祝い事、来客の接待などに作られます。

野菜や魚介、瀬戸内海の豊かな食材を詰め込んだ、華やかなちらしずしです。

江戸時代、岡山藩主であった池田光正公が、ぜいたくを控えるように「庶民は一汁一菜にせよ」との節約令を発令しました。

そこで庶民は、魚や野菜をすしの具に使えば飯を食べる時のお菜ではなくなる、という理屈で、たらい状の半切り桶の中に詰めたすし飯に、味をつけた野菜や魚介類を十種余りも入れて、かき混ぜて食べました。

入れられる具材の魚や野菜は、家庭や地域によってさまざまで、サワラやアナゴのほかにもモガイ、エビなどの魚介類や、タケノコやゴボウを入れることもあります。また、まつりずしを蒸して温めた「ぬくずし」という食べ方もあります。「ぬくい」は岡山の方言で「温かい」を意味します。

ばら寿司の食習の機会や時季

春、秋のお祭りや盆、法事など来客へのもてなしとしても欠かせない、岡山を代表するハレの料理。

春はサワラ、フキやタケノコ、秋にはマツタケなど、時季によって入れる具材はさまざまです。地域や家庭で、すし飯の炊き方や合わせ酢の調合、具の煮方などが異なります。

ばら寿司の飲食方法

野菜は下ゆでで処理などし、しょうゆ、砂糖、塩などで味付けします。サワラに軽く塩を振り、しばらく寝かせた後、合わせ酢にいれ、まわりが白くなったら取り出します。

モガイは振り洗いして煮ます。アナゴは背を開いて骨を取り、しょうゆと砂糖で照り焼きにします。エビ、イカはしょうゆで煮るか、塩ゆでします。

タコはそぎ切りにし、甘酢に浸します。高野豆腐は戻して煮ます。卵は焼いて薄く切っておきます。野菜や魚介は形の良いものを飾り用にし、あとは酢飯の中に混ぜ込みます。

ばら寿司の保存・継承の取組

県内の割烹料理店やすし屋で食べることができ、スーパーのお惣菜コーナーでも販売されています。「桃太郎の祭り寿司」は、酢飯の上に具材を並べた岡山のばら寿司を駅弁に仕立てた商品として、岡山駅構内で50年以上のロングセラーとして親しまれています。