鳥取県の郷土料理そら豆の粉吹きとは?

そら豆の粉吹きの主な伝承地域は鳥取県の中部地域、東部地域になります。主な使用食材は乾燥そら豆になります。

そら豆の粉吹きは、鳥取県の東中部を中心に伝わるそら豆料理です。甘みが豊かで重みのあるそら豆が特徴です。

完熟後に乾燥させた種実用のそら豆が使われることが多いですが、「そら豆の粉吹き」ではこの乾燥そら豆が利用されます。

そら豆の旬は4月から6月の初夏で、鮮度が落ちるのが早く、3日ほどで風味が大きく変わるとされています。

そのため、乾燥保存が適しています。乾燥方法はシンプルで、完熟した鞘から豆を取り出し、ざるなどに置いて天日干しするだけです。乾燥させることで数ヶ月保存可能となります。乾燥そら豆を使ったこの料理は、水に浸して煮るだけで、独特のコクと風味が楽しめます。

冠婚葬祭や来客時に提供されていましたが、皮むきに手間がかかるため、現在では特別な集まりで食べられることが多いです。

乾燥そら豆を使用することで、季節に関係なく調理できるのが特徴です。

乾燥そら豆を水に浸し、その後、たっぷりの水と重曹で煮ます。皮をむき、好みの硬さになるまで再度煮て、調味料を加えます。

砂糖の代わりに蜂蜜やみりん、醤油を使うこともできます。お弁当のおかずとして、そのまま食べるほか、ごはんに混ぜたり、一口大のじゃがいもと和えてサラダ風にするのも美味しいです。

食物栄養学を専攻する大学では、鳥取地域の郷土料理に関する講習会を開いており、その中で「そら豆の粉吹き」の実習も行われています。

そら豆の粉吹きの材料と作り方

材料(乾燥そら豆1kg分)

乾燥そら豆:1kg
水:適量
砂糖:適量
塩:少々
重曹(ベーキングパウダー):少々

作り方

1:乾燥そら豆を水に浸して戻します。

2:戻したそら豆を鍋に入れ、たっぷりの水と重曹を加えて茹でます。

3:茹で上がったら豆の皮をむきます。

4:皮をむいた豆に砂糖を加え、好みの硬さになるまで煮ます。

※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。

そら豆の特徴と保存方法

春になるとよく目にするそら豆ですが、その特性や旬の時期についてご存じですか?ここでは、そら豆の基本的な情報と保存方法をご紹介します。

名前の由来と特徴

そら豆はマメ科ソラマメ属に属し、西南アジアが原産です。古代エジプトでも栽培されていた歴史のある食材で、日本には奈良時代(710~794年)にインドの僧によって中国から持ち込まれたとされています。

名前の「そら豆」は、さやが空に向かって伸びる様子に由来しています。また、「蚕豆」という呼び名もあり、これは蚕の繭に似ていることから来ています。

そら豆にはビタミンB1、B2、C、鉄分などが豊富に含まれており、栄養価が高いだけでなく、美しい花も楽しめる点が魅力です。

そら豆の旬

そら豆の旬は一般的には4月から6月です。鮮度が落ちやすいため、店頭に並ぶ期間が短く、旬を感じやすい食材です。ただし、温暖な気候の鹿児島では1月頃から市場に出回ります。

余ったそら豆の保存方法

そら豆は鮮度が落ちやすいため、できるだけ早く食べるのが理想ですが、余った場合には以下の保存方法を試してみてください。

冷蔵保存

そら豆は空気に触れると風味が損なわれるため、さや付きのまま冷蔵するのがベストです。さや付きのそら豆をキッチンペーパーやラップで包んで冷蔵庫に入れると、2~3日ほど保存できます。

冷凍保存

長期間保存したい場合やさやから出した豆の鮮度を保ちたい場合には冷凍保存が適しています。さや付きの場合はそのまま冷凍し、さやから出した場合は皮に少し切れ目を入れて保存容器に入れます。生のままでも冷凍できますが、事前に下茹でしておくと調理が楽になります。保存期間は約1ヶ月です。

解凍する際は、さや付きのものはさやごと調理し、豆だけ冷凍した場合は生の状態で調理します。下茹でしている場合は自然解凍後に電子レンジで温めると良いでしょう。

新鮮なそら豆を楽しむ方法

そら豆は春を代表する食材で、鮮度が重要です。新鮮なそら豆は塩茹でしてそのまま食べるのも良いですが、焼きそら豆やサラダ、パスタの具材としても美味しくいただけます。旬の新鮮なそら豆をさまざまな料理で楽しんでください。

まとめ

そら豆の粉吹きは、鳥取県の伝統的な料理で、乾燥したそら豆を使って作ります。そら豆は春が旬の食材ですが、乾燥させることで長期間保存できるため、通年で楽しむことができます。

そら豆の粉吹きは、冠婚葬祭や来客時の特別な料理として振る舞われていたが、現在では人が集まる際の特別な料理として楽しまれています。

地域の郷土料理として、食物栄養学を学ぶ大学で講習会が行われるなど、継承の取り組みも見られます。