柿の葉寿司の主な伝承地域は、鳥取県の智頭町になります。主な食材は米、塩マス、柿の葉になります。
「柿の葉寿司」は鳥取県智頭町に古くから伝わる郷土料理で、盆や祭りの際のおもてなし料理として親しまれています。
この地域は海から離れているため、魚を腐らせずに美味しく食べる方法として生まれました。柿の葉に含まれるタンニンには防腐作用があり、塩マスを新鮮に保つ役割を果たします。昔は農家の庭に柿の木が必ずあり、先人たちの知恵が伺えます。
お祭りやお正月、来客の際など、特別な日の料理として広く作られてきました。
紅葉の季節には赤や黄色に染まった葉に乗せることで、さらに華やかになります。秋の風情を感じながら、独特の「柿の葉寿司」を楽しむことができます。
作り方は簡単です。薄切りの塩マスを酢水に浸して味を染み込ませ、酢飯を握り、その上に塩マスを乗せます。
最後に柿の葉に乗せ、塩マスの上に山椒の実をトッピングして完成です。塩マスのピンクと柿の葉の緑のコントラストが美しい一品です。
一口食べると、酢の香りと山椒の風味が広がり、塩マスの旨味が引き立ちます。山椒の実は小さいながらも味にアクセントを加え、食欲をそそります。
家庭で作られる機会が減少しているため、この郷土料理を残したいと活動を始めたのが「那岐特産品開発研究会」です。
1987年に発足したこの会は、那岐地区の農家を中心に結成され、より多くの人に味わってもらうための活動を行っています。料理教室を開き、小学生にレシピを伝える普及活動も行われており、「県民が選ぶとっとり旨いもん100」にも選ばれています。
柿の葉寿司の作り方と材料
材料(10~15人分)
米:1升
水:米の1.1倍
酒:100ml
昆布:20cm
塩マス:1尾
柿の葉:90~100枚
【調味料A(合わせ酢)】砂糖:200g
【調味料A(合わせ酢)】酢:250cc
【調味料A(合わせ酢)】塩:大さじ2
【調味料B(マスの浸し汁)】酢:1/2カップ
【調味料B(マスの浸し汁)】砂糖:大さじ2
【調味料B(マスの浸し汁)】塩:少々
山椒の葉:90~100枚(または山椒の実90~100個)
作り方
1:柿の葉はしっかり洗い、水分を拭き取ります。山椒の葉は若芽を選びましょう。
2:米は炊く30分前に準備し、指定の水、昆布、酒を加えて炊きます。
3:塩マスは軽く洗って3枚におろし、冷凍します。冷凍状態で薄皮を取り、薄い塩水でさっと洗います。
4:片身を40~50枚の斜め薄切りにし、調味料Bに1~2分浸けておきます。
5:調味料Aはご飯を握る際に作り、炊き上がったご飯と素早く混ぜます。
6:ご飯を握り、塩マスと山椒の葉(または実)を載せ、柿の葉で包みます。それをおひつまたはすし桶にしっかり詰め、柿の葉で覆って蓋をし、寿司の倍ほどの重しを載せます。
7:半日から一晩漬け込むと、柿の葉と山椒の葉(または実)とご飯がよく馴染んで美味しくなります。
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
まとめ
柿の葉寿司は、主に鳥取県智頭町に伝わる郷土料理です。この料理は、柿の葉で包まれた寿司で、塩マス(塩漬けのマス)と酢飯を使います。
特徴
柿の葉の利用: 柿の葉にはタンニンが含まれており、防腐効果があります。これにより、魚を新鮮に保ちながら美味しくいただけます。
見た目: 柿の葉の緑と塩マスのピンクのコントラストが美しく、紅葉の季節には色づいた葉を使ってより華やかになります。
風味: 酢飯と塩マスに加えて、山椒の実や葉がアクセントになり、香り豊かです。
歴史
柿の葉寿司は、海から遠い智頭町で魚を腐らせずに保存する方法として生まれました。盆や祭りなどの特別な日のおもてなし料理として親しまれてきました。
食文化
この寿司は、特別な日だけでなく、地域の人々に愛され続けています。また、最近では地域外の人にも広まるよう、保存会や料理教室などで普及活動が行われています。