広島県の郷土料理たこめしとは?

タコ飯の主な地域は、広島県三原市、尾道市、福山市で、主な材料として、米、たこ、にんじん、ごぼう、油揚げがあります。

「たこめし」は、たこを米と一緒に炊き込んだ料理で、元々は漁師たちが船の上で新鮮なたこを切り、炊き込んで食べていた漁師飯です。

三原沖は水質が良く、たこの成育に適した環境であり、江戸時代からたこ漁が盛んな地域として知られています。

特に、瀬戸内海は今でもマダコの豊かな生息地です。

この地域の速い海流によって、たこは岩場にしっかりと足を張り、肉質が引き締まり、歯ごたえのあるプリプリのたこが獲れます。

三原では、たこが傷つきにくい「たこつぼ漁」が主な漁法で、約100メートルのロープにたこつぼを数十個取り付け、海底に沈めます。

この漁法には長年の経験と勘が必要です。獲れたたこはすぐに塩水で洗い、真空パックで急速冷凍されます。

三原市漁業協同組合では、この地で獲れるたこを「三原やっさタコ」としてブランド化し、地域の伝統行事「三原やっさ祭り」にちなむ名前が付けられています。

たこの旬は6月から8月ですが、冷凍技術の向上により、年間を通して食べられるようになりました。

元々漁師飯だった「たこめし」は、現在では広く家庭でも親しまれています。また、地域によっては田植え祭りの際に「たこの足のように稲がしっかり根を張るように」と願って食べる習慣もあります。

たこは塩でもんでぬめりを取った後、水洗いし、にんじん、ごぼう、しょうがなどと一緒に刻んで、だし、しょうゆ、酒で炊き込みます。

地域によっては、具材が多少異なることもあります。たこのぬめりは米ぬかで取ることもあります。干したたこを使用することもあり、その味わいも美味です。また、たこ料理としてはたこ天や刺身も人気です。

地元の直売所や飲食店で「たこめし」が提供されており、学校の給食でも人気です。

三原市漁業協同組合では、地域で取れるたこを「三原やっさタコ」としてブランド化し、毎年8月8日を「タコの日」と定めてタコの供養式や料理教室、音楽祭などのイベントを開催しています。

地元の直売所では、たこ天カレーやたこバーガーなど新しいメニューが開発されており、また市内の土産物店では「開きたこ」や「たこ飯の素」、さらに「たこもみじ」など、たこを使ったさまざまな商品が販売されています。

たこめしの材料とレシピ

材料(4人分)

精白米 2合
水 450ml
茹でたこ 150g
にんじん 30g
【調味料】酒 少々
【調味料】薄口しょうゆ 大さじ2弱
きざみのり 適量

作り方

1:茹でたたこは食べやすい大きさに切る。

2:にんじんは細切りにする。

3:洗った米に水とともに、切ったたこ、にんじん、調味料を加えて一緒に炊く。

4:炊き上がったら器に盛り、きざみのりを上にのせて完成。

たこめしは瀬戸内海周辺の郷土料理?

たこめしはタコを使ったご飯料理の一種で、郷土料理として親しまれています。

タコとご飯を一緒に炊き込む方法や、煮たタコをご飯に乗せて食べる方法、これらを組み合わせたものなど、さまざまなバリエーションがあります。

この料理は、愛媛県、香川県、広島県、岡山県、兵庫県など、瀬戸内海沿岸やその周辺の地域で広く食べられています。

また、茨城県でも太平洋のタコを使って作られています。

またタコ飯は、以下の駅で販売されているものが有名です。

三原駅、福山駅、尾道駅、新尾道駅(広島県) – 「珍辨たこめし」、「あっぱれ多幸」。「珍辨たこめし」は1953年に発売が開始された長寿駅弁です。

神戸駅、新神戸駅、芦屋駅、西明石駅(兵庫県) – 「ひっぱりだこ飯」。タコの形をした容器で提供されます。

姫路駅(兵庫県) – 「明石たこやわらか煮弁当」。後からタコを乗せるタイプのたこめしです。

大洗駅(茨城県) – 「三浜たこめし弁当」。炊き込みたこめしの上にタコの煮物の薄切りを乗せています。

まとめ

タコ飯は、タコを使った郷土料理の一つで、特に瀬戸内海沿岸の地域で親しまれています。

タコの旨味を米に染み込ませて炊き込んだ料理で、味付けはシンプルながらも、タコの風味が引き立つ美味しい一品です。

タコと米を一緒に炊く方法のほか、煮たタコを後からご飯に乗せる方法、またその両方を組み合わせる方法もあります。使用されるタコは、瀬戸内海で獲れるマダコが多く、特に地域によっては「三原やっさタコ」など、ブランド化された地元産のタコが使われることもあります。

タコ飯の魅力は、何と言ってもその食感と風味です。

タコは炊き込むことで柔らかくなり、ご飯に豊かな旨味を加えるとともに、ぷりっとした食感が楽しめます。

また、タコの代わりに煮たタコを乗せたり混ぜたりするスタイルも一般的で、食べる時にアクセントが加わります。

元々、タコ飯は漁師たちが船の上で新鮮なタコを使って手軽に作って食べていた料理で、漁師飯としての歴史を持っています。

現在では、家庭や飲食店でも一般的に作られ、駅弁や地元の名物料理としても多く販売されています。特に広島県や岡山県、愛媛県、香川県などの瀬戸内海沿岸では、地域ごとの特色が加わったタコ飯が楽しめます。

また、タコ飯には地域の行事や祭りとの関連もあります。

例えば、田植えの時期に稲の成長を祈って食べられることがあり、こうした習慣もタコ飯をより特別なものにしています。

そのシンプルさと奥深い味わいで、多くの人々に愛され続けているタコ飯は、瀬戸内海の豊かな海の恵みを感じることができる一品です。