広島県の郷土料理大平とは?

大平の主な伝承地域は広島県大竹市周辺です。主な材料として、鶏肉、里芋、れんこん、にんじん、大根、ごぼう、干ししいたけ、こんにゃく、厚揚げが挙げられます。

広島県大竹市に伝わる伝統的な煮物で、鶏肉やこんにゃく、根菜類(里芋、れんこん、にんじん、大根、ごぼうなど)、干ししいたけや厚揚げを一口大に切り、だし汁と調味料で煮込んで作ります。

大きくて平たい器に盛り付けられることからこの名がついたとされています。

広島県の「煮ごめ」や「八寸」と似ていますが、具材の切り方や調理法に違いがあります。

「煮ごめ」は精進料理のため動物性の材料を含まず、具材は小さめのさいの目に切る一方で、「大平」には鶏肉が入り、比較的大きく乱切りにされます。

「八寸」とも異なり、「大平」は大きな器に盛り、汁気も多く、そのまま汁ごと楽しめるのが特徴です。

祭事や親族が集まる際に振る舞われ、具材の種類を縁起の良い奇数にして供されることが多いです。隣接する山口県岩国市にも同様の料理が伝わっています。

大平は主にお祭りやお盆、正月などで作られ、縁起物として出されます。最近では、自治会や親睦会でもよく作られています。

大平の調理方法は、根菜類は乱切りにし、鶏肉や干ししいたけ、厚揚げは一口大にします。こんにゃくは手でちぎり、これらをだし汁、しょうゆ、砂糖、みりんなどで味付けして煮込みます。

大平はは郷土料理として現在も大切に受け継がれており、祭りや地域の行事で提供されることが多いです。学校給食や地域の食文化教育の一環としても提供され、市民団体による料理指導や家庭での調理も行われています。

大平の作り方と必要な材料

材料(4人分)

こんにゃく: 150g
にんじん: 80g
ごぼう: 60g
里芋: 200g
さやいんげん: 20g
鶏もも肉: 120g
れんこん: 100g
大根: 120g
干ししいたけ: 4枚
厚揚げ: 1/2枚

調味料

しょうゆ: 大さじ1.5
砂糖: 小さじ1
みりん: 大さじ1/2
酒: 大さじ1
塩: 小さじ1/2
油: 大さじ1/2
だし汁: 520ml

手順

1:こんにゃくは手でちぎって適当な大きさにし、下ゆでする。

2:れんこん、にんじん、大根は不規則な形に切り、ごぼうは小さく切って水にさらしてあく抜きする。

3:干ししいたけはぬるま湯で戻し、一口サイズにカットする。

4:厚揚げは熱湯で油抜きしてから一口大に切り、里芋も適当に切っておく。さやいんげんはゆでて半分に切り、最後の彩りに使う。

5:鶏もも肉をひと口大に切って油で炒め、だし汁を入れて、こんにゃく、野菜類を加え、調味料を入れて煮込む。

6:里芋と厚揚げを加え、具材がやわらかくなったらさやいんげんを添えて盛り付けて完成。

まとめ

大平(おおひら)は、広島県大竹市を中心に伝わる郷土料理で、祭事や正月など、祝い事や人が集まる際にふるまわれる煮物料理です。

使用される食材は、鶏肉、里芋、れんこん、にんじん、大根、ごぼうといった根菜類のほか、こんにゃく、干ししいたけ、厚揚げなど多様で、具材が大きく切られるのが特徴です。

これらの具材を、だし汁やしょうゆ、砂糖、みりんなどの調味料でじっくり煮込み、風味を染み込ませて仕上げます。

「大平」という名前の由来は、大きな平たい器に盛り付けられることからきていると言われています。

広島県の「煮ごめ」や「八寸」にも似ていますが、調理方法や味わいが異なります。「煮ごめ」は精進料理のため肉を使わず、具材を小さく切るのに対し、大平は鶏肉を使い、具材は大きめに乱切りされます。

また、「八寸」とは違い、大平は汁が多く、だしのうま味を活かした汁ごと楽しむのが特徴です。

近年では、地域の食育活動の一環として学校給食に取り入れられたり、郷土料理を継承するための調理講習会が行われるなど、次世代へと伝えられています。