すだちとかぼすの違いとは?

すだちとかぼすは、どちらもユズに近いミカン科の香酸柑橘であり、1キロあたりの価格もほぼ同じです。

このため混同されることが多いですが、産地や大きさに違いがあります。

すだちは徳島県が主な産地で、全国の生産量の9割以上が徳島県産です。サイズはゴルフボールほどで、重さは約40gです。

一方、かぼすは大分県の特産で、こちらも生産量の9割以上が大分県に集中しています。サイズはテニスボール程度で、重さは100〜150g程度です。

どちらも刺身、焼き魚、鍋などの薬味として利用されますが、酸味が異なるため、向いている料理にも違いがあります。

さっぱりとした酸味が特徴のすだちは、焼き松茸などとの組み合わせが好まれます。

一方、まろやかな酸味を持つかぼすは、ふぐ料理など、素材の味を引き立てたい料理に適しています。

すだちとかぼすの違いと見分け方

すだちとかぼすの違いと見分け方として、見た目での判別方法としては、まずサイズが分かりやすいポイントです。大きさの順に並べると、かぼすが大きく、すだちはそれよりも小さめです。

かぼすはテニスボールくらい、すだちはゴルフボール程度のサイズで、どちらも濃い緑色で表面に光沢があります。青ゆずは少し黄色みを帯び、表面がゴツゴツしているのが特徴です。

また、果肉の色も異なります。かぼすは少し赤みがかった黄色の果肉で、すだちは黄緑色に近い色をしています。

クエン酸たっぷりなかぼす

大分県の食卓に欠かせない「かぼす」は、唐揚げや刺身、天ぷら、味噌汁と、どんな料理にも相性が良い万能調味料です。大分県が誇るこの特産品は、年間の収穫量が5400トンに達し、2位の宮崎県(24.5トン)を大きく上回っています。

熟すと黄色くなりますが、香りが特に良いのは青い果実。そのため、かぼすの旬は青玉が収穫される8〜10月です。

すだちの約3倍の大きさで、ひと玉から約30ミリリットルの果汁が取れるため、焼き魚の薬味だけでなく、たっぷり果汁を使う酢の物やドレッシング、ポン酢、鍋料理にも活用できます。

酸味のもとであるクエン酸が豊富に含まれていますが、甘みも含んでおり、バランスの取れた柔らかな味わいが特徴です。上品な香りが素材の味を引き立て、白身魚の焼き物など、繊細な味わいの料理にぴったりです。

爽やかな酸味と強い香りが特徴のすだち

「すだち」は、偶然見つかったユズの変種とされ、徳島県の特産品として知られています。国内生産量の約97%を徳島県が占めており、青玉の香りがよいため、こちらも8〜10月が旬です。

3種類の中で最も小さく、重さは20〜40グラムほどで、ゴルフボールほどのサイズです。

酸味はクセが少なく、香りが高いのが特長です。苦みがほとんどなく、様々な食材と合わせやすい爽やかな風味があり、松茸やサンマといった香りの強い食材とも相性が抜群です。

また、皮にはポリフェノールの一種である「スダチチン」が含まれており、体重増加の抑制や糖・脂質代謝の改善効果も期待されています。

産地と生産量の違いについて

すだちは全国の9割が徳島県産で、主な産地として四万十町や土佐市が挙げられます。

かぼすは生産量の約9割が大分県で、臼杵市、竹田市、豊後大野市が主要な産地です。これらはそれぞれ徳島県と大分県を代表する特産品として広く親しまれています。

旬の時期

すだちとかぼすはどちらも夏から秋にかけてが旬ですが、かぼすの旬は少し長めです。

すだちは収穫と出荷が盛んになる8月〜9月が最もおいしい季節です。

一方、かぼすは8月から11月頃までが旬で、すだちよりも少し長い期間楽しむことができます。

近年では、ハウス栽培や保存技術の進歩により、すだちもかぼすも一年を通して手に入れることができるようになっています。

すだちとかぼすの保存方法(冷蔵・冷凍どちらも可能)

すだちとかぼすは冷蔵・冷凍のどちらでも保存ができるので、非常に便利です。以下にそれぞれの保存方法をご紹介します。

すだちの保存方法

冷蔵保存:ペーパータオルに包んでジッパーバッグなどに入れ、野菜室で保存します。1週間ほど持ち、緑色の新鮮なうちに使い切るのが理想です。

冷凍保存:長期保存には冷凍が最適です。洗ったすだちをカットしてジッパーバッグに入れ冷凍庫へ。使用時には必要な分を取り出し、5分ほど常温で解凍すればそのまま使えます。また、皮をむいて冷凍すると、使う際に刻むだけで香りが引き立ちます。

かぼすの保存方法

冷蔵保存:すだち同様にペーパータオルに包んで冷暗所または野菜室で保存します。長期保存の場合は冷凍がおすすめです。

冷凍保存:果汁を絞り、製氷皿に入れて凍らせると使いやすいです。また、薄くジッパーバッグに広げて冷凍することで、必要な分だけ割って使うこともできます。

まとめ

すだちとかぼすは、どちらも日本の香酸柑橘類で、料理に爽やかな香りと酸味を加えるために使用されますが、産地や特徴が異なります。

すだちは主に徳島県で生産され、国内生産量の約9割が同県に集中しています。

ゴルフボールほどの小ぶりなサイズで、酸味がさっぱりとしており、松茸や焼き魚の薬味として好まれます。皮には「スダチチン」というポリフェノールが含まれ、健康効果も期待されています。

一方、かぼすは大分県が主な産地で、こちらも生産量の約9割が大分県産です。

かぼすはテニスボール大のサイズで、酸味がマイルドで甘みも感じられるため、ふぐ料理などの繊細な料理にも適しています。

また、1個から約30ミリリットルの果汁が絞れるため、酢の物やドレッシング、鍋料理などにも使いやすいのが特徴です。すだちとかぼすの旬は8月から10月ですが、栽培や保存技術の発達により、年間を通じて市場に出回っています。