結論から言えば、どちらも適切です。
日本という国名の発音は、古代にはひのもとと呼ばれていました。
平安時代になると、にほんとニッポンという二つの発音が一般的になり、江戸時代には「にほん」が主流になりました。
1934年(昭和9年)、文部省臨時国語調査会は日本という言葉を「ニッポン」と統一することを提案しましたが、政府はこの提案を受け入れず、現在でもどちらの発音も正しいとされています。
NHKでは、公式な国名としてニッポンを使用し、他の場面ではニホンと発音しても問題ありませんとの方針を採用しています。
最近の調査によれば、国内でニホンを支持する人が61%であり、一方でニッポンを支持する人は37%であり、特に若い世代でニホンの支持が増えている傾向があります。
このように、どちらの発音も正しいものであり、どちらを使用するかは個人の好みや文脈によって選択すべきです。
日本という漢字の読み方の歴史
日本という単語の発音の歴史は、古代から現代にかけて、主に3つの時代に区分できます。
古代(奈良時代以前)
古代においては、日本はひのもとと発音され、その意味は太陽の昇る国を指していました。
歴史書である古事記や日本書紀でも、ひのもとという表現が見られます。
中世(平安時代以降)
平安時代には、中国との交流が増加し、中国の発音の影響を受けてにほんとニッポンといった二つの発音が使われるようになりました。
にほんは、中国語の発音に由来し、「日」を「ニエット」と読み、「本」を「プァン」と読むことからニエットプァンが発展したと言われています。
ニッポンは、同様に中国語の発音に影響を受け、「日」を「ジッ」と読み、「本」を「ポン」と読むことから「ジッポン」という表現が生まれたとされています。
近現代(江戸時代以降)
江戸時代には、にほんの発音が主流になりました。
これは江戸の地域言葉の速い発音がにっぽんをにほんと変化させた結果だと考えられています。
1934年(昭和9年)、文部省臨時国語調査会は日本の発音をニッポンに統一することを提案しましたが、政府はこれを受け入れず、現在もどちらの発音も正しいとされています。
平成時代
平成21年(2009年)、民主党の議員が国の呼び名について質問し、政府は『にほん』又は『ニッポン』という読み方は、どちらも一般的であり、統一の必要はないと考えている。と回答し、国の呼び名を統一しない方針を確立しました。
NHKでは、正式な国号としてニッポンを使用し、その他の場面ではニホンと発音しても問題ないとしています。
最近の調査によれば、ニホン派が61%で、ニッポン派が37%となっており、特に若い世代ではニホン派が増加傾向にあります。
このように、にほんもしくはニッポン、どちらの発音も正しいものであり、どちらを選ぶかは個人の好みや文脈に依存するべきです。
日本が昔、ひのもとと呼ばれた由来や意味とは?
日本という単語の由来は、古代にさかのぼり、ひのもとという発音でした。
この言葉は、「日」が「太陽」を、「本」が「国の基盤」を指し、つまり「太陽の昇る国の基盤」を意味しています。
古代の人々は、日本列島が他の地域よりも太陽が早く昇る場所であると考えました。そのため、ひのもとという呼び名が用いられるようになりました。
ひのもとは、古事記や日本書紀などの歴史書にも登場し、日本を象徴する表現として広く使われました。
現代においても、ひのもとは、日本を美称する際に使用されることがあります。歌詞や詩の中で、ひのもとの国やひのもとという表現が見られます。
このように、日本の昔の呼び名であるひのもとは、太陽の昇る国を指し、日本を象徴する言葉として存続しています。
にほんとにっぽんの発音の歴史
日本という漢字には、「にほん」と「にっぽん」という2つの発音が存在し、どちらも広く使われており、政府もその発音を一元化していません。
例えば、日本語は通常にほんごと読まれ、日本刀はにほんとうと発音されます。
一方で、紙幣の裏にはNIPPON GINKOと書かれ、日本銀行はにっぽんぎんこうと読まれます。
その他にも、日本航空、日本大学はにほん。日本郵政、日本体育大学はにっぽん」読まれ、混在した発音が存在します。
日本という国名が初めて使われたのは飛鳥時代とされていますが、当初はやまとと呼ばれており、にほんやにっぽんという発音は存在しませんでした。
奈良時代の歴史書である『日本書紀』には、日本をやまとと表現した内容が記録されています。
平安時代になると、日本と中国(唐)との交流が活発化しました。
この時、中国の人々は日本を日の本の国と解釈し、ニエット プァン(niet puən)と発音しました。日本人はこれを模倣し、にっぽんと呼ぶようになりました。
一方、「にほん」という発音が広まったのは江戸時代に入ってからと言われています。
江戸時代の国学者である本居宣長が著した書籍で、「新たに日本(にほん)という」という記述が見られ、当時は「にほん」と呼ばれていました。
にほんという発音は、江戸時代の江戸っ子たちの速い言葉遣いから派生したとされ、簡略化されたにっぽんとにほんの違いが生まれました。
このため、西の地域(例: 大阪)ではにっぽん、東の地域(例: 東京)ではにほんと呼ばれ、地域差が存在します。
現在でも、日本橋は大阪ではにっぽんばしであり、東京ではにほんばしと呼ばれており、その名残が残っています。
昭和時代に入り、国名の一元化についての議論が起こりました。
1934年に国名をにっぽんに統一しようという提案が行われましたが、政府はこれを受け入れず、結論は出ませんでした。
1970年には、日本万国博覧会(大阪万博)の開催前に国名をにっぽんに統一しようとする議論が国会で行われましたが、結局統一の決断は下りませんでした。
平成時代に入り、2009年に国名の呼び方についての議論が結論に至りました。
当時、民主党の議員が国名の一元化について質問し、当時の総理大臣はにっぽんとにほんのどちらも通用するとの立場を示し、国名の呼び方を統一しないことが決定しました。
NHKでは、国名としてはにっぽんを使用し、その他の場面ではにほんと発音しても問題ありません。
調査によれば、国名としてのにっぽんとにほんの発音には大きな違いはなく、近年になるほどにほんと発音する傾向が強まっており、特に若い世代ではにほん派が増加していることが示されています。
日本国と日本の違い
日本国と日本の違いは、主に国名と地名の違いにあります。
日本国は、日本を正式に指す際に使用される国名です。この国名は、国際法上でも使用され、その国の公式な名前を示すものです。
一方、日本は、日本列島そのものを指す地名です。この地名は、日常生活の中で使用され、特定の場所を指すために用いられます。
したがって、日本国は国家としての日本を表現し、国際的な文脈で正式な国名として使用されます。
一方、日本は地理的な日本を指し、通常の日常会話や地名として使用されます。
具体的に言えば、次のようになります。
日本国: 国家としての日本、国際法的に正式な国名として使用される。
日本: 地理的な日本、日常生活で特定の場所を指すために使用される地名。
なお、NHKでは、日本国を正式な国名として使用し、他の場面では日本と呼んでも問題ありません。