ピーマンとパプリカは、どちらもナス科トウガラシ属に属しています。しかし、植物学的な分類や定義は不明確であり、曖昧な要素が存在します。
一般的なイメージとしては、パプリカは赤、黄色、オレンジなどのカラフルな色合いであり、ピーマンは緑色一色です。
ピーマンは小さくて苦味があり、一方でパプリカは大きくて甘みがあります。
ただし、ピーマンよりも小さいパプリカや、パプリカよりも大きいピーマンも存在します。
通常、ピーマンというと緑色を指しますが、カラーピーマンと呼ばれる赤や黄色のピーマンもあり、逆にパプリカには緑色のものも見られます。
赤ピーマンもまたパプリカ同様に甘い特徴を持っています。
ピーマンとパプリカは、色や大きさ、味によってはっきりと区別できない場合があります。
唯一の違いは、果肉の厚さと形です。
果肉が薄くて細長いものがピーマンであり、果肉が厚くてリンゴの形に近いものがパプリカです。
栄養素においては、ピーマンとパプリカは基本的に同じですが、含有量には違いがあります。
ビタミンCやカロテンを多く含む点では共通していますが、パプリカの方がこれらの栄養素が圧倒的に豊富であり、栄養価が高いといえます。
ピーマンとパプリカの外見や収穫時期には何か違いがあるの？
パプリカとピーマンの異なる点は、なんと5つもあります！それぞれの違いを調査すると、以下の5つの要素が浮かび上がりました。
ピーマンとパプリカの収穫時期の違い
ピーマンは未熟な状態で収穫され、おおよそ30日の成長後に収穫されます。
一方で、パプリカは約7週間かかって完熟し、収穫される際にはカラフルな色に変化します。なお、ピーマンも完熟すれば、カラーピーマンとして市場に出回ることがあります。
ピーマンとパプリカの味の違い
パプリカは完熟した状態で収穫され、そのため甘味が特徴です。
これに対しピーマンは、先程のカラーピーマンのように完熟すると甘みが増し、食べやすくなります。
ピーマンとパプリカの食感の違い
パプリカは一般的に肉厚で、柔らかい実を持っています。
この特性から、生食にも適しています。これに対しピーマンは、比較的薄い実を持っています。
ピーマンとパプリカの栄養価の違い
ピーマンとパプリカは基本的に似ていますが、微細な違いが存在します。
例えば、パプリカにはビタミンCとカロテンが豊富に含まれています。
これらの成分は抗酸化作用があり、パプリカの色合いに関連しています。赤いパプリカにはカプサンチン、黄・オレンジにはゼアキサンチンが含まれ、これらが強力な抗酸化力をもたらしています。
ピーマンとパプリカの青臭さの有無
ピーマンには青臭さがありますが、これはピラジンという栄養素によるものです。
ピラジンは体に良い影響を与えると言われています。ただし、ピーマンの品種改良により、その独特な味や青臭さは減少しています。
味や食感は好みに左右されるかもしれませんが、栄養価はどちらも高く、優れた野菜と言えるでしょう。
ピーマンは手頃な価格で入手でき、パプリカは収穫に時間がかかることを理解すると、その価格に納得できるかもしれません。
パプリカの特徴
パプリカは、唐辛子の総称であり、一般的に見かけるものは大型で肉厚なピーマンです。色としては黄色、オレンジ色、赤色、緑色、紫色、黒色、白色などがあり、市場に流通しているものの約8割は輸入品です。
多くはオランダ、韓国、ニュージーランドから輸入され、国内では宮崎県や茨城県などで栽培されています。パプリカはクセがなく、サラダはもちろん、生食、炒め物、煮込み料理にも適した野菜です。
パプリカの特徴は主に黄色、オレンジ色、赤色のバリエーションがある。
ジューシーであり、甘みとほのかな酸味が感じられる。
ビタミンA（カロテン）、C、Eを含んでいる。
完熟した果実で、ベル型であり、100g以上の大きさと肉厚さがある。
生のままでも、加熱しても美味しさがあります。
ピーマンの特徴
ピーマンは、唐辛子の仲間であり、辛味のない唐辛子を改良して生まれたものです。主な産地は茨城県や宮崎県などであり、広く生産されています。
緑色のピーマンは未熟な状態で収穫され、特有の青臭さや苦味が特徴的です。
生のままではあまり食べられず、炒め物や焼き物、煮物などを調理して食べることが一般的です。
近年のピーマンは品種改良により、苦味や特有の香りが軽減されており、サラダにして食べることもおすすめです。
緑ピーマンを完熟させると赤ピーマンに変わり、赤ピーマンは青臭さがなく、代わりに甘みがありますが、果肉はパプリカよりも薄いです。
ピーマンの特徴は緑色であり、苦みがある。
ビタミンC、A（カロテン）を含む。
未熟な果実。
最近の品種は肉薄が多い。
青臭く、生食には向いていない。
などがあります。
パプリカの楽しみ方
パプリカは、ビタミンやカロテンが豊富なカラーピーマンの一種です。
生食でも加熱してもおいしく、使い勝手の良い野菜として楽しむことができます。生のままスライスしてサラダに入れれば、彩りが加わり、見た目も華やか。また、ジュースやシャーベットにしても、甘くてフルーティーな味わいが楽しめます。
加熱して食べる場合も、調理法はさまざまです。
油で炒めることでカロテンの吸収効率が向上し、熱を加えてもビタミンが失われにくいところが嬉しいポイント。
パスタやピザのトッピングとして使えば、鮮やかな仕上がりになり、煮込み料理に加えても煮崩れせずにおいしく楽しむことができます。
パプリカの甘さをシンプルに味わいたいなら、オーブントースターで皮が真っ黒になるまで加熱して、皮をむいて食べるのがおすすめ。
これにより甘みが増して、より一層おいしく感じられるでしょう。
パプリカとピーマンのレシピ
ピーマンの食べ方
ピーマンの美味しい食べ方はいくつかあります。以下はその中からいくつかのアイディアです。
肉詰めピーマン：ピーマンを半分に切り、種を取り除きます。その中に、ひき肉や豆腐、野菜を詰めてオーブンで焼くと、ジューシーでヘルシーな一品が完成します。
ピーマンの天ぷら：ピーマンを輪切りにし、軽く塩もみして水気を抜きます。衣をつけて揚げると、サクサクとした食感が楽しめるピーマンの天ぷらが完成します。
ピーマンのマリネ：輪切りにしたピーマンをオリーブオイル、酢、塩、こしょう、ハーブでマリネにしてみてください。冷蔵庫で一晩寝かせると、ピーマンがより味わい深くなります。
ピーマンのソテー：ピーマンを薄切りにして、オリーブオイルで炒めると、甘みが引き立ちます。お好みでにんにくや唐辛子を加え、香り豊かなピーマンのソテーが完成します。
ピーマンの生春巻き：薄切りにしたピーマンを、生春巻きの具材として使ってみてください。新鮮なクランチ感が生春巻きにアクセントを加えます。
ピーマンのピクルス：ピーマンを輪切りにして、糖分と酢を加えた液に漬け込みます。しばらく寝かせておくと、ピクルスとして利用できます。
これらのアイディアを試して、ピーマンの美味しさを存分に楽しんでみてください！
パプリカの食べ方
パプリカは多彩な調理方法で美味しく楽しむことができます。以下にいくつかのアイディアを紹介します。
焼きパプリカ：パプリカをオーブンで焼くと、独特の甘みが引き立ちます。皮が真っ黒になるまで焼いた後、湿らせた布で包み、蒸らしてから皮をむくと、柔らかくて香ばしい味わいが楽しめます。
パプリカのサラダ：パプリカを細切りにして、トマトやキュウリと一緒にサラダに加えましょう。ドレッシングやハーブで味付けすると、爽やかなサラダが完成します。
パプリカのマリネ：色とりどりのパプリカを輪切りにし、酢やオリーブオイル、ハーブでマリネにすると、ピクニックや軽い食事に最適な一品になります。
パプリカのソテー：パプリカを薄切りにしてオリーブオイルで炒め、にんにくやハーブと合わせてソテーにすると、簡単で美味しい一品ができます。
パプリカのピザトッピング：パプリカを薄切りにしてピザのトッピングに使うと、ピザに華やかさと甘みが加わります。他の具材と組み合わせて楽しんでみてください。
パプリカのスープ：パプリカを使ったスープは、豊かな味わいが楽しめます。トマトベースのスープや、クリームスープに加えてみてください。
パプリカのディップ：フードプロセッサーでパプリカを細かく刻み、クリームチーズやヨーグルトと混ぜてディップにすると、クラッカーや野菜スティックのお供になります。
これらのアイディアを試して、パプリカの美味しさを存分に楽しんでください！
ピーマン・パプリカのツナ炒めのレシピを紹介
ピーマンとパプリカを使った、簡単な炒めもののレシピをご紹介します。
ピーマン・パプリカのツナ炒めの材料（4人分）
緑ピーマン：1袋（4個入り）
赤ピーマン：1袋（4個入り）
黄パプリカ：1個
マグロ油漬け缶：小1缶
あればガーリックパウダー：1振り
しょうゆ：小さじ1
塩・こしょう：適宜
ピーマン・パプリカのツナ炒めの作り方
1：ピーマンとパプリカは縦半分に切り、種を取り除きます。繊維を断つ方向で薄切りにします。ピーマンは長い方を横にして縦に切ります。
2：フライパンに火をかける前に、ツナ缶を油ごと入れます。
3：火をつけ、ツナがジワジワと音がしたら、黄パプリカ→赤ピーマン→緑ピーマンの順に加えて炒めます。
4：ツナの油が回り、パプリカとピーマンが炒まったら、ガーリックパウダーとしょうゆを加えます。味をみて塩・こしょうで味を調整します。
5：器に盛り付けて出来上がり。
ピーマン・パプリカのツナ炒めのコツ・ポイント
フライパンに火をかける前にツナを油ごと入れてください。フライパンを熱した後ツナを入れると跳ねて危険です。
ガーリックパウダーの代わりににんにく（チューブ・すりおろし・みじん切り）を使っても良いです。その際はツナと同時に入れてください。
赤ピーマンは赤パプリカ1個でも代用できます。
ピーマンとパプリカの起源を紹介
ピーマンとパプリカは、いずれもナス科に属する野菜で、その起源は中南米に遡ります。
ピーマン
ピーマンは、主に南アメリカが原産地とされています。
種の改良を経て、ヨーロッパやアジアなど世界中で栽培されています。
最初は辛味がある唐辛子の変種として発見され、時間とともに品種改良により甘みのあるピーマンが育成されました。
パプリカ
パプリカもナス科の一員であり、中南米が原産地と考えられています。
15世紀にヨーロッパにもたらされ、その後ヨーロッパで栽培が広まりました。
特にハンガリーでは、パプリカが非常に人気のある調味料となり、国民的な食材となっています。
これらの野菜は、世界中でさまざまな料理に利用され、様々な品種が育成されています。
それぞれの地域で異なる特性を持つピーマンとパプリカは、多様な料理文化において欠かせない存在となっています。
まとめ
ピーマンとパプリカについてまとめてみました。
ピーマンとパプリカの分類と起源
どちらもナス科に属する野菜であり、中南米が原産地とされる。
ピーマンは南アメリカが起源で、唐辛子の変種から発展した。
パプリカも中南米が起源で、15世紀にヨーロッパにもたらされた。
ピーマンとパプリカの外観と特徴
ピーマン：
小型で緑色が一般的。成熟すると赤や黄色に変色する。
外見は唐辛子に似ているが、辛味がなく、主に食用とされる。
パプリカ：
大型で肉厚で、色は赤、黄、オレンジ、緑、紫などがある。
甘味があり、生食や調理に広く利用される。
ピーマンとパプリカの利用方法
ピーマン：炒め物や煮込み料理、ピクルスなどに利用。
生でも食べられるが、苦味がある。
パプリカ：サラダや生食、調理、焼き物など幅広く利用。
甘みがあり、生でも調理しても美味しい。
ピーマンとパプリカの栄養と健康
どちらもビタミンCやカロテンを含み、栄養価が高い。
パプリカの方が一般的に栄養素の含有量が多い。
ピーマンとパプリカの調理上のポイント
ピーマン：炒めることで風味が引き立つ。苦味が気になる場合は調理すると和らぐ。
パプリカ：生食やサラダに適しているが、調理しても美味しい。
オーブンで焼くと独特の風味が加わり、皮をむいて利用することもある。
ピーマンとパプリカは、その異なる特徴や使い方によって多様な料理に活用され、食卓に彩りと味わいをもたらしています。