お月見団子の由来や意味とは?なぜ中秋の名月にススキと共にお供えするのか?

十五夜に、月見団子が楽しまれます。

この日には、お団子を作り、ススキを備え、月に捧げ、美味しい団子を味わいます。

しかし、なぜ月にお供えするのか、なぜ団子が供え物になったのでしょうか?

また、月見団子の起源や意味は何でしょうか?

月見団子をいくつ供えるべきかも気になりますね。

そんな疑問を調べました。

月見団子の由来と意味

月見団子の由来の主流は2つあると言われています。

まず、古代中国の中秋の名月の行事から受け継がれたものです。

中秋の名月は、旧暦の8月15日に見られる満月で、古代中国では月餅と呼ばれるお菓子を供え、豊作と家族の健康を祈る伝統がありました。

もう1つは、日本の古来からの月信仰に由来します。日本では、月が収穫と生命の象徴として信仰され、秋には稲や栗などの収穫物を月神に捧げて豊作を祈りました。

江戸時代には、これらの要素が融合し、米粉で作られた団子が供えられる習慣が根付きました。団子はその形状から月になぞらえられ、また、団欒や円満を象徴する意味も込められています。

通常、お月見団子は3個または5個を供えます。

3個は三位一体や三種の神器を表し、5個は五穀豊穣や五行思想を示すものです。

お供えの後、月見団子は食べられ、月の神々の恩恵を受けて健康と幸福を得ると信じられていました。

地域によって、月見団子の形状や味に違いがあり、関東では丸い団子が一般的で、関西では三角形の団子や栗入りの団子が好まれています。

お月見は、美しい満月を観賞するだけでなく、秋の収穫に感謝する祝祭です。月の満ち欠けは生命のサイクルと関連づけられ、祖先への感謝も表現されます。

お月見団子はなぜ京都では芋型なのか?

京都のお月見団子は、他の地域とは異なり、丸い形状ではなく、楕円形で上部がわずかに尖った特異な形をしています。この独特な形状にはいくつかの由来が考えられています。

1つの説によれば、京都のお月見団子の形状は、かつて十五夜に里芋を供えたことに起因しています。

十五夜は別名芋名月とも呼ばれ、この日に里芋を供えたことから、団子の形状は里芋を模していると言われています。

里芋は秋に収穫され、豊穣や生命の象徴として崇拝されていました。したがって、里芋を供えることで、豊作や家族の健康を祈る習慣が生まれたと考えられます。

もう1つの説では、この特殊な形状が雲を表しているとされています。十五夜には月が最も美しく輝くが、雲がかかって見えることもよくあります。

このため、雲がかかった月を里芋に見立て、お供えすることで、豊作や家族の幸福を願う習慣が発展したとされています。

また、京都の伝統的な菓子店である伊藤軒の創業者、伊藤清兵衛氏は、この楕円状のお月見団子の形状を考案したと言われています。

伊藤氏は、里芋が、丸い形状よりも楕円形の方が、月に似ていると考え、この形状を採用しました。

このように、京都のお月見団子の形状は、里芋を模しており、豊作、家族の健康、幸福を願う意味を込めたものと言えます。

なぜ中秋の名月にお月見団子やススキを供えるのか?

中秋の名月は、旧暦8月15日に観測される満月を指します。この日は秋の中頃にあたり、その美しさから中秋の名月と呼ばれています。

中秋の名月は、日本を含む東アジアの多くの国や地域でお月見の行事が行われる特別な日です。この行事では、お月見団子や栗などの秋の味覚が供えられ、家族や友人たちと共に月を眺め、豊作や家族の健康、幸福を祈ります。

中秋の名月のお供え物にススキが使用される理由は、日本の風習や文化に根ざしています。ススキは秋の季節を象徴し、収穫の時期を表現します。そのため、中秋の名月にススキを供えることで、収穫の成功と家族の幸福を祈る意味が込められています。

日本のお月見行事は江戸時代に一般的になり、お供え物としてお月見団子が定着しました。

この団子は丸くて白く、月に見立てられ、家族の円満や幸福を願うシンボルとなりました。中秋の名月は旧暦に基づく行事であるため、毎年の日付は異なりますが、その日には月と共に収穫の恵みを感謝し、家族の絆を深める機会として祝われます。

なお、中秋の名月は、旧暦の行事であるため、毎年日付が変わります。2024年は9月17日です。

お月見団子をお供えを始めた由来と起源とは?

中秋の名月にお月見団子を供える習慣は、大きく2つの理由に基づいています。

1つは、古代中国から伝わった中秋の名月という行事に由来しています。中秋の名月は、旧暦8月15日に現れる満月を指し、中国ではこれに関連して月餅と呼ばれるお菓子を捧げ、豊作や家族の健康を願う行事が行われていました。

もう1つは、日本の古来からの月信仰に起因しています。日本では、月は長らく豊穣や生命の象徴として崇拝されてきました。

したがって、秋に収穫期を迎える作物(稲や栗など)を月神に捧げ、豊作を祈る儀式が行われていました。

江戸時代には、これらの2つの行事が融合し、米粉を用いた団子を供える習慣が一般的になりました。

団子は形状が丸く、白く、月に見立てられ、また「団欒」や「丸くおさまる」という意味が込められ、家族の調和と幸福を願う象徴となりました。

江戸時代の初期において、中秋の名月は貴族や武士の間で主に行われており、その際には団子ではなく、秋の味覚である栗や羊羹などが供えられていました。

しかし、江戸時代後期に入ると、庶民の間でも中秋の名月が広く普及し、団子を供える慣習も浸透していきました。この変化は、米の需要が増加し、団子が庶民にも手軽に提供できるようになった結果と言えます。

なお、お月見団子は地域によって形状や味が異なり、関東地方では丸い団子が一般的である一方、関西地方では三角形の団子や栗を含むバリエーションが好まれています。

ススキをお供えを始めた由来と起源とは?

中秋の名月にススキを供える習慣には、大まかに2つの理由があります。

1つは、ススキを稲穂の代わりに供えるためです。

稲穂は古来から日本において豊作と生命の象徴として崇拝されてきました。

したがって、秋に収穫の時期を迎える稲穂を捧げて、月の神に豊作を祈る儀式が行われていました。

しかし、中秋の名月の時期はまだ稲穂が成熟していないことが多かったため、ススキの穂を稲穂に見立てて飾る習慣が始まったとされています。

ススキの穂はしばしば月に見立てられ、豊作と家族の幸福を願う象徴として用いられました。

2つ目は、魔除けとしてススキを供えるためです。

ススキは古来から神聖な存在と考えられており、その鋭い切り口が魔除けとしての効力があるとも信じられていました。

したがって、中秋の名月にススキを飾ることで、悪霊や厄を遠ざけ、収穫物を保護し、翌年の豊作を願う習慣が築かれました。

一部の地域では、お月見で使ったススキを捨てずに、庭や水田に立てたり、軒先に吊るしたりして、災いから田畑や家を守る習慣が今でも続いています。

なお、ススキには地域によって「すずき」や「さらさ」など、様々な名前があります。

お月見団子の色にはそれぞれ意味がある?

お月見団子の色には、それぞれ象徴的な意味が込められています。

白:白は、月そのものを表します。月は美しさや清浄さの象徴であり、そのためお月見団子は一般的に白い色が用いられます。

赤:赤は魔除けや縁起の良い色として知られています。お月見団子に赤色の餡や着色料を加えることで、邪気払いや家族の幸福を願う意味が込められます。

茶色:茶色は土や大地を象徴します。お月見団子に茶色の餡や着色料を用いることで、豊穣や収穫の成功を祈る習慣が表現されます。

緑:緑は生命や成長を意味します。緑色の餡や着色料をお月見団子に使うことで、健康や成長を願う意味が込められます。

一部の地域では、3つの色を組み合わせた団子が供えられます。この場合、白は月、赤は魔除け、茶色は豊穣を表現しています。

さらに、近年ではかぼちゃや抹茶、黒糖などを用いたお月見団子も登場し、多彩な色や味わいが楽しまれています。

お月見団子を食べる適切な時間は?

お月見団子は、お供えした後、適当なタイミングで食べることができます。一般的に、夜に家族が集まり、お月様を眺めながら月見団子を楽しむことが多いです。

お月見団子は、お供えした後にいただきます。これにより、月の神様にお供えを捧げ、月からの祝福を受けると信じられていました。

そのため、お供えした翌日からお月見団子を食べるのが一般的ですが、お供えした当日に食べても問題ありません。

また、最近では、事前にお月見団子を用意し、お月見の日に食べる家庭も増えています。この場合も、お供えの翌日からお月見団子を楽しむのが一般的です。

ただし、お月見団子には賞味期限があります。白玉粉を使用したお月見団子は、冷蔵庫で保存した場合、3〜4日程度で食べきるようにしましょう。

お月見団子は関西と関東で違いはあるの?

お月見団子は、関東と関西で形や味に違いがあります。

形状

関東では、丸い形の団子が一般的です。この形状は、満月を象徴しています。

関西では、三角形の団子や栗入りの団子が好まれます。

三角形の形状は、月見団子を里芋に見立てたものと考えられています。

味わい

関東では、こしあんが一般的です。

関西ではこしあんに加えて、粒あんや白あんも利用されます。

また、栗や抹茶などのバリエーションも広まっています。

地域の違いの理由

関東と関西でお月見団子における違いは、江戸時代の文化の違いに由来しています。

江戸時代において、江戸では団子は庶民に愛され、手軽なおやつとして親しまれていました。そのため、シンプルな丸い形状の団子が一般的となりました。

一方、京都では、団子は貴族や武士階級の間で高級なおやつとして高く評価されていました。そのため、栗を詰めた団子や、三角形のような凝った形状の団子が好まれました。

近年では、関東でも三角形の団子や栗入りの団子など、関西風のお月見団子が人気を集めています。

お月見団子の供え方とお月見団子の数はいくつが正しいのか?

月見団子を供える際の方法や数には厳格な決まりはありません。一般的に、15個、13個、5個、3個のいずれかを供えることが一般的です。

15個:15個の月見団子は、通常、満月の十五夜に供えられます。この場合、1段目に9個(3×3)、2段目に4個(2×2)、3段目に2個を並べるのが一般的です。

13個:13個の月見団子は、十三夜に供えられることが多いです。1段目に9個(3×3)、2段目に4個(2×2)を配置します。

5個:5個の月見団子は、五穀豊穣や五行思想を象徴し、十五夜や十三夜のいずれにも供えられます。

3個:3個の月見団子は、神様の数である三位一体や三種の神器を表し、十五夜や十三夜のどちらにも供えられます。

地域によっては、12個や7個を供える習慣も存在します。

お月見団子は、供えた後に食べます。月の神様に供えることで、月の祝福を受け、健康と幸せを願うと信じられています。

お月見団子の一般的なレシピを紹介

お月見団子の代表的な作り方を紹介します。

白玉粉 300g
水 200ml
こしあん 300g
きなこ(お好みの量)
黒蜜(お好みの量)

ボウルに白玉粉と水を入れ、よく混ぜます。ダマにならないように注意しましょう。

手でこねながら、生地が耳たぶの硬さになるまでこねます。こねすぎないようにしましょう。

生地から団子を作ります。大きすぎず、小さすぎず、均等な大きさになるようにしましょう。

鍋にたっぷりのお湯を沸かし、団子を入れて茹でます。団子が浮き上がったら、すぐに取り出します。

きなこや黒蜜をかけて、お月見団子の完成です。

お月見団子の作り方のポイント

白玉粉と水をしっかり混ぜ合わせて、ダマにならないようにしましょう。

生地をこねすぎないように注意しましょう。こね過ぎると固くなります。

団子は均等な大きさに作りましょう。

茹ですぎないように気をつけてください。茹で過ぎると固くなります。

お月見団子のアレンジレシピ

かぼちゃ入りの団子:かぼちゃをすりおろして、白玉粉と混ぜます。

抹茶入りの団子:抹茶を白玉粉に混ぜて作ります。

黒糖入りの団子:黒糖を白玉粉に混ぜて作ります。

栗入りの団子:栗を刻んで、白玉粉と混ぜて作ります。

お好みに合わせて、美味しいお月見団子を楽しんでください。お供えした団子は必ず食べることを忘れずに!

お月見団子のおいしい食べ方は?

お月見に食べる月見団子は、通常味がついていないため、一度にたくさん食べるのは難しいことがあります。

また、十五夜なら団子は15個、十三夜なら13個と、数は多いですよね。ここでは、お月見で余った団子を美味しくアレンジして楽しむ方法をご紹介します。

砂糖醤油で食べる:この方法は非常に簡単で、砂糖と醤油を混ぜてできます。団子にこれをかけて食べると、シンプルながら美味しい味わいが楽しめます。

あんこやきなこなどをつけて食べる:最初から中にあんこが入っている月見団子もありますが、シンプルな団子の場合、あんこやきなこなどをつけて食べると、さらに美味しさが引き立ちます。

味噌汁や汁物の具にする:団子を味噌汁や他の汁物の具として利用するのもおすすめです。食事用の汁物に団子を加えれば、簡単にアレンジが楽しめます。

バターと醤油で焼く:フライパンにバターを溶かし、そこに団子を入れて、醤油で味付けし、焼き色をつける方法も美味しいアレンジです。

アイスクリームと一緒に食べる:団子に小豆や生クリームをトッピングし、アイスクリームと一緒に食べると、クリームあんみつ風のデザートが楽しめます。

お月見団子をアレンジすることで、新しい味わいを楽しみながら、余った団子を無駄にしない方法です。

まとめ

お月見団子は、日本の伝統的な秋の行事であるお月見に欠かせないお菓子です。以下にお月見団子に関するまとめを提供します。

お月見団子の特徴

お月見団子は、白玉粉と水を混ぜて作る団子状の和菓子で、一般的には味付けされていません。形状は地域によって異なり、関東と関西で違いがあります。

団子は、通常、月を象徴するため、白く丸い形状が一般的です。

一般に、お月見団子は15個、13個、5個、3個など、特定の数で供えられます。

起源と意味

お月見団子の起源には、古代中国から伝わった「中秋の名月」と日本の古くからの月信仰が結びついたとされています。

お月見団子は、月の神様に感謝し、豊作や家族の幸せを祈るために供えられました。

形や色に込められた意味もあり、白色は月、赤は魔除け、茶は豊穣、緑は成長を表しています。

地域差

お月見団子には、関東と関西で形や味に違いがあります。関東では丸い団子が一般的であり、関西では三角形の団子や栗入りの団子が好まれます。

月見団子の食べ方

お月見団子は、供えられた後に食べられ、月の神様からの恩恵を得ると信じられています。

お月見団子を食べる際、砂糖醤油、あんこ、きなこ、味噌汁、バターと醤油、アイスクリームなどを添えてアレンジすることが一般的です。

豊かなアレンジ

近年、お月見団子には多彩なアレンジが加えられており、かぼちゃ、抹茶、黒糖、栗などのバリエーションが楽しめます。

お月見団子は、秋の風物詩であり、家族や友人とともに楽しむ伝統行事の一部です。月を見上げながら美味しいお月見団子を楽しむことは、日本文化の素晴らしい一面の一つです。