春分の日にやることとは?

毎年3月20日ごろは春分の日で祝日となっています。2024年は3月20日になっています。

この日は休みを楽しむ人も多く、気になることもいろいろありますが、春分の日がどのような祝日なのか本来の趣旨を知っていますか。今回は春分の日にまつわるあれこれやおすすめの過ごし方について紹介します。

まず初めに、春分の日の特徴について説明いたします。

春分の日は春分日の祝日

春分の日は、「春分日(しゅんぶんび)」に基づいて設定された国民の祝日です。法律で祝日が規定される際、元旦が1月1日であるように具体的な日付は示されず、春分日とされています。

春分の日と秋分の日は昼と夜がほぼ同じ長さになる日であり、毎年2月1日に発表される官報で翌年の春分の日が確定します。

春分の日の趣旨は「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」であり、これは春にぴったりの意味合いです。

お彼岸までの寒さと暑さ

お彼岸は春分の日と秋分の日を含む前後3日間を指し、春彼岸と秋彼岸と呼ばれます。

また、暑さ寒さも彼岸までという言葉は、春分の日と秋分の日のころを指しています。

二十四節気によれば、春分は春の4番目の季節で、寒い地域でも春の彼岸になると暖かさを感じる日が増えます。桜の花が咲き始める地域もあります。

春分日の予測

春分日と秋分日は、太陽の通り道である黄道と地球の赤道の交点が天の赤道を形成します。春の交点が春分点であり、秋の交点が秋分点です。これが春分の日と秋分の日の基準となります。

条件が変わらないと仮定すると、春分点と秋分点は計算で求めることができます。

春分の日の楽しみ方

春分の日にぜひやっておきたいことや楽しんでいただきたいことを紹介します。

先祖の供養を行う

春分の日にお墓参りに行くのは良い習慣です。

春分の日と秋分の日は太陽がほぼ真東から昇り、真西に沈む特徴があります。これは仏教では西が極楽浄土の方向であり、春分の日の太陽の向きは故人への導きを象徴しています。春分の日を利用して感謝の気持ちを込めて、供養を行いましょう。

自然と触れ合う

春分の日の趣旨は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」こと。春の訪れや自然の美しい瞬間を楽しむために、春の花々や木々の芽吹き、温かい春風を感じる散策がおすすめです。

最高気温も15℃ほどで、長袖と薄手の上着で十分に楽しめます。公園でレジャーシートを広げて、春の日差しを感じながらくつろぐのも良いでしょう。

ぼたもちを味わう

春分の日にはぼたもちを食べる習慣があります。実はぼたもちとおはぎは同じもので、春分の日には牡丹の花が咲くころであるため、牡丹餅とも呼ばれています。

昔は砂糖が高級だったため頻繁には食べられず、小豆の赤色には魔除けの効果があるとされています。

お墓参りのマナーを守る

春分の日前後に行われるお墓参りの際のマナーについて、以下に紹介します。

仏壇や仏具の掃除

春分の日前後には、仏壇や仏具を丁寧に掃除する習慣があります。写真を撮りながら掃除を行い、先祖にお参りをしてから元に戻す際にも断りを入れるのがマナーです。

掃除の際には、感謝の気持ちをこめていつもよりも注意深く行います。水ぶきや洗剤を使用せず、ほこりを払い、柔らかい布で上から下に向かって汚れを落としましょう。

掃除が終わったら、お供えをして掃除が終わったことを先祖に伝えるためにお参りをします。

お墓参り

お墓参りの際は、先祖にあいさつのお参りをしてから、お墓周りの草取りなどの掃除を行います。墓石を掃除する場合は、水をかけてからタワシなどで優しくこすり、最後に水気をふき取ります。

お参りの手順は次の通りです。

墓石へのうち水をする
お供え
焼香
手を合わせお辞儀をする(合掌礼拝:がっしょうらいはい)

春分の日の場合、ぼたもちをお供えすることもありますが、故人の好物を供えても構いません。

ただし、線香の火災や野生の動物によるお供え物の荒らしに注意が必要です。お供え物は下げてから帰ると良いでしょう。

家族や先祖に思いを馳せる

春分の日にお墓参りをする際は、普段あまり会わない親戚に会う機会も増えます。この特別な時期に、先祖の思い出話を分かち合ったり、家族の終活について相談したりすることもできます。普段難しいと感じる話題も、このタイミングで挙げるのに適しています。

春分の日は暖かさを感じながら外に出かけるのも良い機会です。昼と夜が同じくらいの時間があるこの日は、春の訪れを感じながら過ごすのに最適です。

春分の日と秋分の日の決め方

春分の日と秋分の日は祝日の中で、具体的な月日が法律で定められず、「春分日」と「秋分日」として設定されています。

これらの日付は、国立天文台が毎年2月に官報で発表する形で定められます。

太陽が春分点を通過する瞬間を含む日を「春分日」といい、祝日法ではこれがそのまま「春分の日」とされています。

ただし、地球が太陽のまわりを365日と約6時間かけて回っているため、毎年春分日は約6時間ずつ遅れています。

このため、日付が微妙にずれることがあります。一方で、うるう年の影響により、時折春分日が1日早くなることもあります。

例えば、2016年の春分は3月20日の13時30分でしたが、うるう年のため、2020年の春分は3月20日の12時50分になりました。

秋分日も同様に、うるう年の影響で時折日付が変動します。長期的に見ると、秋分日は約4年ごとに1日早くなる傾向があり、2043年までこの傾向が続くと予測されています。

春分の日の時期の食べ物を紹介

春分の日には、季節の変わり目や新しい生命の息吹を感じるため、春らしい食べ物が楽しまれます。

以下に、春分の日に食べられる代表的な食材や料理をいくつか挙げてみましょう。

筍(たけのこ)

春の訪れとともに地中から芽を出す竹の新芽。たけのこご飯や煮物、天ぷらなどにして味わわれます。

春野菜

春分の日には新鮮な春野菜が市場に豊富に並びます。菜の花、小松菜、新じゃがいも、新玉ねぎなどを使った炒め物やサラダが人気です。

桜餅(さくらもち)

桜の花が咲く季節になると、桜餅が食べられます。桜の花の香りを楽しみつつ、もちもちとした食感が特徴的です。

うなぎ

一部の地域では、春分の日にうなぎを食べる習慣があります。うなぎは栄養豊富で、季節の変わり目に力を補給するために食べられます。

新茶

春は新茶の季節でもあります。新茶は摘みたての新芽を使用しているため、爽やかで清涼感のある味わいが楽しめます。

苺(いちご)

春から初夏にかけて苺が美味しい季節です。苺狩りや苺を使用したケーキ、和菓子が春分の日に楽しまれます。

春巻き

春巻きは、野菜や肉を包み込んだ軽い食べ物で、春らしい彩りが楽しめます。さっぱりとした味わいが春にぴったりです。

これらの食材や料理は、春分の日に限らず、春のシーズン全体に楽しまれるものです。新しい季節の始まりを感じながら、季節の味覚を楽しんでみてください。

春分の日の時期に咲く植物を紹介

春分の日の頃に咲く花は、季節の変わり目を彩り豊かに演出します。以下に、春分の日の頃に咲く代表的な花をいくつか挙げてみます。

スミレ(菫)

寒い冬が終わり、春が訪れると、小さなスミレの花が咲き出します。可憐で淡い色合いの花が、春の訪れを告げます。

タンポポ

春分の日あたりから、道端や草地で元気よく咲くタンポポの花は、明るい黄色で春の訪れを感じさせます。

菜の花(ナノハナ)

菜の花は、春分の日ごろに黄色い花を咲かせます。その明るい色調が、春の陽気を象徴しています。

水仙(スイセン)

寒い冬を越え、春になると水仙が咲きます。独特の形状と香りが春分の日を彩ります。

アネモネ

初春から春にかけて咲くアネモネは、色鮮やかで花びらが重なり合った美しい花を咲かせます。

ラナンキュラス

アネモネと同じく、春に咲くラナンキュラスは、幾重にも花びらを持ち、優雅な雰囲気を醸し出します。

ライラック

春分を過ぎて少し気温が上がるころに、ライラックが咲きます。ライラックの花は淡い色合いで、春の風情を感じさせます。

ミモザ

明るい黄色の小さな花房を持つミモザは、春分の頃に咲き、春の陽気を楽しませてくれます。

これらの花々は、春分の日の頃に咲くだけでなく、春全体を通して庭や公園、花壇などで楽しむことができます。春の花々の美しさを感じながら、新しい季節をお楽しみください。

春分の日の由来

春分の日は、日本の宮中祭祀のひとつである「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」が由来とされています。この祭りは平安時代に始まり、春季皇霊祭の当日には、天皇をはじめとする皇族や神職が参加して様々な儀式が行われます。

春分の日の由来には、神道や皇室といった要素が結びついています。昔の日本では、春分の日に一般の人々も神社や家の神棚でお祭りを行い、先祖を敬い、感謝する習慣が存在していました。これが、春分の日を宮中祭祀の重要な日として位置づける要因となりました。

春分の日は、自然や季節の変化に感謝し、祖先を祀り、新しい季節の幕開けを祝う意味が込められています。春分と秋分の日には昼夜の長さがほぼ等しくなることから、「分(ぶん)」という言葉が使われ、季節の変わり目を象徴しています。

皇霊祭とは?

皇霊祭(こうれいさい、皇靈祭)は、歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式で、宮中祭祀の一環で行われる重要な祭りです。

毎年、春分日には春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)、秋分日には秋季皇霊祭(しゅうきこうれいさい)が執り行われます。

もともとこの日はお彼岸であり、先祖を祀る特別な日でした。また、お彼岸に近い戊の日には、氏子が氏神である神社を訪れ、春には五穀豊穣を祈り、秋には豊かな収穫に感謝する伝統が存在しました。

1878年(明治11年)には、これまでの歴代天皇や主要な皇族の忌日を春と秋にまとめ、一つの祭りに奉祀する形になりました。

1908年(明治41年)9月19日に制定された「皇室祭祀令」では、春季皇霊祭・秋季皇霊祭ともに大祭として指定されました。

この法令は1947年(昭和22年)5月2日に廃止されましたが、1948年(昭和23年)以降も宮中では春季皇霊祭・秋季皇霊祭が従来通りに行われています。祭りの後には、皇霊殿の前庭で神楽の東遊が奏でられます。

また、「年中祭日祝日ノ休暇日ヲ定ム」および「休日ニ関スル件」により、春季皇霊祭は1879年(明治12年)から1948年(昭和23年)まで、秋季皇霊祭は1878年(明治11年)から1947年(昭和22年)まで同名の祝祭日(休日)でした。

その後も「国民の祝日に関する法律」により、それぞれ春分の日・秋分の日に改称され、国民の祝日となっています。

まとめ

春分の日についての要点をまとめます。

春分の日とは

春分の日は、毎年3月20日または3月21日に位置し、昼夜がほぼ等しい時間となる日です。
この日は二十四節気の一つで、季節の変わり目を象徴します。

また秋分の日は毎年9月22日または9月23日に位置します。春分の日は、北半球では春が始まる日であり、南半球では秋が始まる日です。秋分の日は北半球では秋が、南半球では春が始まる日です。

昼夜の長さも春分の日と秋分の日は、昼と夜の時間がほぼ等しいことが特徴です。太陽が赤道を横断するため、昼夜の長さが均等になります。

日本の祝日としての位置づけ

春分の日は日本の祝日の一つで、国民の祝日法に基づいています。春分の日と秋分の日は、お彼岸と呼ばれる時期に位置し、先祖を思い、感謝の意を表す風習があります。

これらの日はお彼岸とも呼ばれ、先祖を思い、感謝の意を表すための行事が行われます。

また特徴として春分の日は新しい生命の始まりや花開きの季節を象徴し、希望や活気を感じさせます。秋分の日は収穫の季節や自然の成熟を象徴し、感謝と安定をテーマにしています。

宮中祭祀との関連

春分の日には、宮中祭祀のひとつである「春季皇霊祭」が執り行われます。

天皇を含む皇室や神職が参加し、歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祀る重要な儀式です。

二十四節気との関連

春分は、太陽が赤道を横断し、北半球では春が、南半球では秋が始まる日です。

二十四節気は、太陽の黄経が一年を通して均等に分かれた24の節目を指し、季節を定めています。

祝日としての歴史

春分の日と秋分の日は、かつては「皇霊祭」として宮中で祀られ、後に国民の祝日に制定されました。

1878年に祝日として制定され、戦後も国民の祝日として継続されています。

季節の変わり目としての意味

春分の日は季節の変わり目を象徴し、新しい生命の息吹と希望を感じる時期とされています。

自然界では花々が咲き、新緑が広がるなど、春の訪れを感じることができます。