とうふめしは、主に岡山県高梁市で伝承されている郷土料理です。
主な使用食材は米、豆腐、卵、さやえんどう、ごぼうです。
歴史・由来・関連行事として、とうふめしはかつて精進料理の一部として食べられ、主に商家で仏事の料理とされていました。
手頃な価格で手に入りやすい材料から、地元の家庭で広く作られるようになりました。
豆腐を生のままつぶしてゆで、布巾で水気を絞り、炒って醤油で味をつけ、裏ごしします。それをご飯に載せ、様々な野菜と一緒に、だしを取って薄味に仕上げ、食材の風味を引き立てる特徴があります。
食べる機会や季節として、明治時代からは精進料理の一環として提供され、また家庭では先祖の供養を行う法事の際の料理としても取り入れられてきました。
調理方法は、生の豆腐を小さくつぶしてゆで、熱いうちに布巾で水気を絞ります。
鍋に油を熱して豆腐を炒り、醤油で味をつけ、熱いうちに裏ごしします。出し汁は煮干しと昆布からとり、しいたけとかんぴょうの煮汁を加えて、醤油と塩で味を調え、つゆを作ります。
ご飯には、裏ごしした豆腐、錦糸卵、さやえんどう、煮た干ししいたけ、かんぴょうの醤油煮、ごぼうを盛り付け、食べる直前につゆをかけてお召し上がりください。
保存・継承の取組として（伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について）豆腐料理店や精進料理店で豆腐飯は提供されています。
岡山の郷土料理豆腐飯の代表的な作り方
とうふ飯の材料（4人分）
米：2合
豆腐：2丁
油：小さじ2
うすくち醤油：大さじ1
干ししいたけ：4枚
うすくち醤油：大さじ2
かんぴょう：14g
うすくち醤油：小さじ1
さやえんどう：4枚
たまご：1個
ごぼう：40g
豆腐飯のつゆの材料
だし汁：3カップ
醤油：大さじ1/2
塩：小さじ1/4
豆腐飯の作り方
1：豆腐は生のまま小さくつぶして鍋に入れ、たっぷりの水を加えてゆでます。
水と豆腐が分離してきたら火をとめ、熱いうちに布巾で絞り、十分水気を切ります。
鍋に油を熱し、豆腐を炒り、醤油で味をつけ、熱いうちに裏ごしにします（フードカッターでも可）。
2：卵は錦糸卵にします。
3：さやえんどうは塩ゆで（分量外：塩ひとつまみ）にし、せん切りにします。
4：干ししいたけは水でもどして細く切り、醤油を加えて煮ます。
5：かんぴょうは水につけて塩もみ（分量外：塩ひとつまみ）にし、水で洗って小さく切り、醤油を加えて煮ます。
※しいたけ、かんぴょうの煮汁はつゆの出し汁に加えるので捨てないでおきます。
6：ごぼうはせん切りにして塩ゆで（分量外：塩ひとつまみ）にします。
7：つゆは、煮干しと昆布でだし汁をとり、しいたけの煮汁、かんぴょうの煮汁を加えて醤油と塩で味を調え、作ります。
8：ご飯に1～6の具を盛りつけ、食べる直前につゆをかけます。
※レシピ提供元名: 高梁市栄養改善協議会連合会
※レシピは地域・家庭によって違いがあります。
群馬県の特産品豆腐と豆腐飯の関係
群馬県は、日本列島のほぼ中央に位置し、上毛三山（赤城山、榛名山、妙義山）や利根川の清流、尾瀬湿原、湖沼、渓谷など、多彩な自然に恵まれています。
また、草津、伊香保、水上、四万などの温泉地も数多く存在し、県の形は上毛かるたで詠まれる「鶴舞う形の群馬県」の通り、鶴の形に似ています。
こんにゃくいも、きゅうり、生しいたけ、ほうれん草、キャベツ、ねぎなどの農産物、そして牛肉、豚肉、鶏肉の生産が盛んであり、「農業王国」「畜産王国」としても知られています。
豆腐飯の由来については、昔から利根地区が大豆の産地で、もめん豆腐作りが盛んであったことが関係しています。
豆腐めしは、「しょうゆめし」に、消化の良い木綿豆腐を炒めて加えたことが始まりであり、大豆が荒れ地でも栽培しやすいことから、大豆加工品は昔の知恵が受け継がれた貴重なたんぱく源とされています。
群馬県の豆腐飯の作り方
豆腐飯の材料・分量
精白米：80g
水：96g
木綿豆腐：60g
にんじん（３cm 短冊切り）：3g
ぶなしめじ（細かく裂く）：10g
にぼし粉：0.3g
砂糖（三温糖）：1.5g
清酒：0.5g
本みりん：1g
こいくちしょうゆ：3g
サラダ油：1.5g
豆腐飯の下ごしらえ
木綿豆腐はしぼって水をきっておく。
豆腐飯の作り方
1：精白米を炊く。
2：鍋にサラダ油を熱し、木綿豆腐を細かく炒める。
3：にんじんとぶなしめじを入れ、さらに炒める。
4：調味料を入れ全体に味がからむように煮汁がなくなるまで炒める。
5：炊き上がったごはんに4を混ぜる。
豆腐めしは、群馬県の利根地区の郷土料理で、昔は豆腐だけでしたが、給食ではにんじんやきのこを加えて彩りや栄養のバランスを考えた混ぜごはんにアレンジされています。
豆腐は植物性たんぱく質やビタミン、ミネラルが豊富であり、低エネルギーなため健康食品として注目されています。
現代人の食生活に動物性食品への偏りがある中、昔ながらの和食を通じてバランスの取れた食事を家庭で楽しんでみましょう。
豆腐丼とダイエットの効果
豆腐はダイエットに適した食材であり、その多くの栄養素が健康や美容に寄与します。
一般的に「なんとなく体に良さそう」と思われることが多いですが、その効果について具体的に知ることは少ないかもしれません。豆腐ダイエットを始める前に、豆腐が持つメリットを把握しましょう。
豆腐一丁には、1日に必要なタンパク質の3分の1以上が含まれています。
タンパク質は体を作るだけでなく、免疫を高めたり栄養を体中に巡らせたりする役割があり、健康的なダイエットに不可欠な栄養素です。
現代では鶏胸肉やささみ、ブロッコリーなどが注目されていますが、豆腐も手軽にタンパク質を補給できるため、体を鍛えている人にも適しています。
豆腐の主成分は大豆とにがりであり、そのためカロリーが低く、ダイエット向きの食品です。木綿豆腐と絹ごし豆腐では若干の差はありますが、どちらも選択しても問題ありません。
主食のカロリー比較（150gあたり）
絹ごし豆腐：85kcal
木綿豆腐：108kcal
白米：252kcal
うどん：158kcal
パスタ：224kcal
もち：353kcal
豆腐は便秘解消にも効果的
豆腐一丁には約50〜60mgのマグネシウムが含まれており、マグネシウムは便を柔らかくする効果があります。
便秘解消に寄与し、腸内環境を良好に保つことが重要です。
大豆イソフラボンには、ストレス緩和の作用があります。
ダイエット中はさまざまな制限からストレスを感じることがあるため、内面のケアをする成分が含まれているのは心強いです。
また、大豆イソフラボンの摂取によりホルモンバランスが整い、美肌効果も期待できます。大豆イソフラボンは美容にも寄与する成分として注目されています。
豆腐ダイエットの成功に向けた注意点
豆腐ダイエットを効果的に行うためには、特に気をつけるべきポイントがあります。
誤ったやり方で実施すると、痩せないどころか逆に太ってしまう可能性があるため、注意が必要です。
以下では、豆腐ダイエットが成功しづらくなる行動に焦点を当て、具体的なポイントを紹介します。
適切な量を守る
豆腐は低カロリーな食材ですが、適量を守らないとカロリー摂取が過多になります。
1日の摂取量は半丁から一丁とされています。
低カロリーだからといって無制限に食べることは避け、適切な量を意識して摂取しましょう。
満腹感を得られず食事が足りない場合は、豆腐を増やすのではなく、野菜や海藻などの付け合わせを増やして満足感を高めることが重要です。
調味料の過剰使用に注意
醤油やドレッシングなどの調味料を過剰に使用すると、痩せない原因となります。
豆腐自体があっさりしているため、過剰な調味料は必要ありません。
物足りなさを感じる場合は、豆腐を他の料理に取り入れて調理するか、付け合わせを工夫して味わい深さを追求しましょう。
間食に気をつける
主食を豆腐に置き換えてカロリーを減らすことは有効ですが、それを実現できても間食に注意が必要です。
スナック菓子やスイーツの摂取は余分なカロリーを摂り、簡単に太る原因となります。
特に日常的に間食の習慣がある場合は、その癖に気をつけることが重要です。
まとめ
豆腐飯は、主に岡山県や群馬県などで伝統的に食べられている郷土料理であり、地域ごとに独自の特徴があります。
以下は、代表的な特徴や調理法に関するまとめです。
起源と歴史
豆腐飯は精進料理の一つとして始まり、商家で仏事の料理とされていました。
安価かつ手に入りやすい材料を使用し、郷土料理として各家庭で広く親しまれています。
主な材料と調理法
豆腐飯の主な材料には、米、豆腐、卵、野菜（さやえんどう、ごぼうなど）が含まれます。
豆腐は生のままつぶしてゆで、布巾で絞り、炒って醤油で味をつけ、裏ごしする。これをご飯と一緒に盛り付け、さまざまな野菜とともにつゆをかけて食べる。
特徴的な調理手法
豆腐飯はだしを丁寧にとり、薄味で食材の持ち味を生かすことが特徴。
豆腐を生かすために裏ごしをするなど、細部にわたり手間暇をかけた調理が求められます。
食べる際のポイント
豆腐飯は食材の繊細な味わいを楽しむため、繊細で薄味なつゆが使用されます。
通常、煮干しや昆布からとっただしをベースに、しいたけやかんぴょうの煮汁を加え、醤油と塩で味を調えたつゆを使用します。
歴史的な経緯
豆腐飯は明治時代から精進料理として提供され、家庭でも法事料理として広く取り入れられていました。
栄養と健康への影響
豆腐は低カロリーかつ高タンパク質であり、豊富な栄養素を含んでいます。特に大豆イソフラボンが美容や健康に良いとされています。
地域ごとのバリエーション
地域によって具体的な材料や調理法が異なり、岡山県や群馬県などで地域独自のバリエーションが楽しまれています。