岡山県のいしもちじゃこの唐揚げは、瀬戸内海沿岸でよく知られています。
いしもちじゃこは、春から夏にかけて瀬戸内海で水揚げされる小魚です。
一部の地域ではネブトと呼ばれ、標準和名はテンジクダイと言います。
この小魚は頭に大きな石のような骨があり、そのため頭から丸ごと食べることはできません。
一般的には頭を落として調理します。身は少ないですが、から揚げにすると骨ごと食べられ、ほのかな甘みが楽しめます。甘くてねばりがあり、団子にしても食べられます。
いしもちじゃこは、春から夏にかけて水揚げされ、その時期によく食べられます。
いしもちじゃこの頭と内臓を取り除き、洗って水気を切り、片栗粉をまぶして180℃の油で揚げます。塩を振って食べます。
家庭での食べ方のほかに、スーパーでの販売やお惣菜として提供されることがあります。また、飲食店でもお酒と一緒に楽しまれています。
いしもちじゃこの調理方法とレシピ
材料(4人分)
いしもちじゃこ(テンジクダイ) 300g
塩 適量
こしょう 適量
片栗粉 適量
みりん 適量
いしもちじゃこの作り方
1:いしもちじゃこの頭と内臓を取り除く。
2:塩、こしょう、みりんで下味をつけ、水気をとる。
3:片栗粉を薄くつける。
4:油の温度を170℃で揚げる。
※レシピ提供元名: 岡山県農林水産部水産課
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
いしもちじゃこの別名について
いしもちじゃこは別名を持ち、その本名はテンジクダイ(学名: Apogon lineatus)で、スズキ目のスズキ亜目に属する魚です。
関西地方や岡山・広島県の備後地方では、「ねぶと」(広島県の備後地方以外では「ねぶとじゃこ」)、他にも「いしもち」(岡山、香川)、または「めぶと」(岡山県の一部地域)、さらに「めんぱち」(広島県の一部地域)などと呼ばれています。
この魚は太平洋北西部を中心に分布しており、日本を含む各地域に生息しています。
一般に内湾から水深100メートルの砂泥底に生息し、浅い場所や岩礁域、漁港ではあまり見かけません。
この種は大きな群れで沖合を回遊しながら生息していると考えられています。
そのため、一般の人がこの魚に出会う機会は少ないかもしれませんが、驚くべきことに東京湾内でも見られます。
また、船釣りで外道としても稀に釣れることがあります。この魚はネンブツダイとは異なります。
いしもちじゃこの最大体長は約10センチメートルで、小型の魚です。
体色は淡黄色で、体側には暗色の細い横帯が10本近くあります。
背びれ棘の上縁部も暗色です。ネンブツダイと比較すると地味で目立たない色合いをしていますが、捕獲される数は意外に多く、しかし多くの人がその存在を知りません。
この魚は比較的深い沖合いを好むため、目にすることは少ないです。
そのため、普段は生きている姿を目にすることはほとんどありません。
また、この魚は夜行性であり、親魚は受精卵を孵化するまで口にくわえて保護するマウスブルーダー行動を行います。卵の保護は雄が行うと考えられています。
日本では底引き網によって漁獲され、マトイシモチ(学名: A. carinatus)と共に食用とされています。
関西や瀬戸内海沿岸では唐揚げや南蛮漬け、天ぷらなどに加工され、愛媛県ではじゃこ天として食べられることもあります。
地域によるテンジクダイの食べ方
テンジクダイは日本各地で見られますが、その食用としての地域は限られています。
主にテンジクダイが食べられるのは西日本地域で、瀬戸内海や大阪湾で底引き網や定置網で漁獲されたものが食材として使われます。
広島県ではテンジクダイを「ねぶと」または「めんぱち」と呼び、唐揚げや南蛮漬け、煮付けなどで食べられます。
特に「ねぶとの唐揚げ」は広島県の伝統料理として知られ、お酒のつまみとしても人気です。
同様に、広島県と隣接し瀬戸内海に面する岡山県では「いしもちじゃこ」とも呼ばれ、テンジクダイが唐揚げなどで食べられます。
ただし、小魚であるため、頭を丸ごと揚げると発達した耳石(体のバランスを保つための器官)が気になるため、頭部を取り除くことが必要です。
「いしもちじゃこ」の「いしもち」という呼び名は、この耳石が特に発達することに由来します。この呼び名は標準和名でも広く使われ、テンジクダイ科に属する多くの種で見られます。
さらに、テンジクダイは広島県の3市(福山市、三原市、尾道市)と岡山県笠岡市で水揚げされる魚の中から漁師1000人が選んだ「備後フィッシュ」という美味しい水産物の一種に認定されました。
これは、瀬戸内海沿岸でテンジクダイがどれほど愛されているかを示すものです。
まとめ
いしもちじゃこは、日本の西日本地域、特に瀬戸内海沿岸や大阪湾で見られる小さな魚の一種です。その学名はテンジクダイ(Apogon lineatus)であり、スズキ目のスズキ亜目に分類されます。
この魚は主に春から夏にかけて水揚げされ、その食用としての地域は限られています。広島県や岡山県などの地域では、底引き網や定置網で漁獲されたいしもちじゃこが食材として使われます。
地域によっては、いしもちじゃこに様々な呼び名があります。広島県では「ねぶと」や「めんぱち」と呼ばれ、料理としては唐揚げや南蛮漬け、煮付けなどで食べられます。
岡山県では「いしもちじゃこ」と呼ばれ、同様に唐揚げなどで楽しまれます。ただし、調理する際には、頭部から耳石を取り除く必要があります。
いしもちじゃこは、身が少ないながらも、から揚げにすると骨ごと食べられ、甘みやねばりを楽しむことができます。
地域によっては、地元の特産品や料理として親しまれており、地域の食文化や漁業の一環として重要な存在です。