岡山県で伝統的に作られるアミと大根の煮付けは、瀬戸内海沿岸地域で親しまれています。
この煮付けには、アミと大根を砂糖、酒、醤油で煮込みます。
秋の訪れを告げるこの料理は、昔ながらの味わいを楽しむことができます。
大根とアミが同時期に出回ることから、これらを組み合わせた料理として考案されたとされています。
アミは脂が豊富であり、大根と一緒に調理すると相性が良く、美味しく仕上がります。
アミは瀬戸内海で水揚げされ、初秋に旬を迎えます。岡山では、アミを生のまま醤油で食べたり、ゆでて酢醤油で食べたりするほか、塩漬けの「漬けアミ」としても楽しまれています。
昔は11月から2月までの約4か月間、風が強く海が荒れるため、漁に出ることができませんでした。
そのため、この時期にはアミを干したり塩漬けにして保存食として用意し、食べていました。
アミと大根の煮付けのレシピ
材料(4人分)
アミ 400g
大根 1本
酒 大さじ2
しょうゆ 大さじ4
砂糖 大さじ3
作り方
1:アミをざるに入れて水でよく洗い、水気を切っておく。
2:大根は皮をむき、いちょう切りにする。
3:鍋に砂糖、酒、しょうゆ(大さじ3)を入れ、沸騰させた後、アミと大根を加え、落としぶたをして弱火で煮る。
4:大根が柔らかくなったら、しょうゆ大さじ1を加え、一煮立ちさせる。
※レシピ提供元: 岡山県農林水産部水産課
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
岡山にとってのアミとは?
アミと聞いて、最初に思い浮かぶのはアミ大根でしょう。岡山で生まれ育った人なら、一度は口にしたことがあるでしょう。
秋になり、野菜売り場の大根が冬の大根に変わる頃、鮮魚売り場には生のアミが並びます。
アミ大根やネブカとアミの煮付けなどは、岡山のほとんどの家庭で冬のおかずとして親しまれています。
また、アミの塩辛は酒のつまみとしても有名です。
瀬戸内海や有明海に住むアミは、しっぽに赤い斑点が特徴です。
和名はアキアミ。これは、アミ科の佃煮に使われるよく知られたアミとは異なります。
これは岡山の特産品で、体長は2〜3センチほど。赤く長い触角を持ち、新鮮なものは体が透明です。
秋に採れることから、「秋醤蝦(あきあみ)」とも呼ばれます。
岡山では、宇喜田秀家が岡山城を建設した時代から、児島湾でのアミ漁が盛んだったという記録が残っています。さらに古くは、西行の詩集にもアミについての詩があります。
岡山県の農林水産統計年報によれば、平成16年度の岡山県のアミ漁獲量は597トンで、そのうち340トンは牛窓で生産されています。
しかし、現在は児島湾産のアミが一般的ではありません。
児島湾でのアミ漁が衰退した原因の1つは、明治時代に児島湾の干拓が進み、1959年には児島湾の締め切り堤防が完成したことです。
これにより、児島湾の一部が児島湖になり、潮の流れが変わりました。
この変化は、樫木網漁と呼ばれる伝統的な漁法にも大きな影響を与えました。
干潟に生息していた魚介類や、児島湾の潮の流れによってやって来ていた魚たちが影響を受けました。
アミ漁だけでなく、シラウオやうなぎ、チンダイガイなどの豊富な漁獲も過去のものとなりました。
まとめ
アミとだいこんの煮付けは、岡山県を代表する伝統的な料理の一つです。この料理は、瀬戸内海や有明海で採れるアミと、秋に旬を迎えるだいこんを組み合わせて作られます。
主な材料は、アミとだいこん、そして調味料として酒、しょうゆ、砂糖が使われます。
アミは小型のエビであり、岡山特産のものであり、その特徴はしっぽに1対の赤い斑点があることです。
だいこんは、秋になると野菜売り場で見かける大根が使われます。これらの材料を使って、砂糖、酒、しょうゆで煮込んで作ります。
アミとだいこんの煮付けは、秋の訪れを告げる郷土料理として親しまれており、岡山県内の家庭や飲食店でよく提供されています。
アミの脂とだいこんの甘みが絶妙に合わさり、食欲をそそる味わいとなっています。
また、アミとだいこんの煮付けには、地域によって微妙なアレンジが加えられることもありますが、基本的なレシピは上記の通りです。
この料理は、岡山の食文化や地域の特産品を楽しむ一例として、地元の人々や観光客に愛されています。