隠岐アラメの炒め煮の主な伝承地域は隠岐地域になります。使用される主要食材は隠岐のアラメ、人参、油揚げなどです。
隠岐は海に囲まれ、さまざまな海藻が豊富に採れる地域です。浅い海域から深さ20mまでの範囲にわたって海藻が育ち、日本海の荒波にもまれるため美味しい海藻が収穫できます。
特に、隠岐のアラメは水深2mから3mの浅い場所や港に生え、凹凸のある表面が特徴で名前の由来となっています。
このアラメは昔から地元で親しまれており、春になると家庭でアラメを使った料理が作られ、その中でも「隠岐のアラメ炒め煮」は特に親しまれています。
アラメの漁は今でも手作業で行われており、漁師は木枠にガラスをはめ込んだ「箱めがね」を使い、長いカマでアラメを刈り取ります。収穫したアラメは天日干しし、その後海水に漬けて渋抜きを行います。
さらに火にかけて炊き上げ、再び乾燥させる工程を経ます。
隠岐で採れるアラメは柔らかく幅広で、2月以降から春にかけて新芽を刈り取り、乾燥保存されるため1年中食べることができます。
他の海藻にはない独特の歯ごたえがあり、煮物や和え物に多く使われます。「隠岐のアラメ炒め煮」のほか、白和えやサラダ、炊き込みごはん、かき揚げなど、家庭で広く食されています。
乾燥したアラメを約2時間水に浸して戻し、弾力を取り戻したアラメを人参や刻んだ油揚げと一緒に鍋やフライパンで炒め、出汁で煮込んで完成です。
アラメは火が通りやすいため、煮すぎないよう注意します。油で炒めることで、繊維が柔らかくなり、旨味も増します。
現在でも一般家庭で日常的に食されており、隠岐島内の小学校の給食でも提供されています。
地域のサロンや男性向け料理教室などでも取り入れられています。近年、収穫量は減少傾向にありますが、アラメ漁の様子は冬の風物詩として定着しています。
隠岐アラメ炒め煮のレシピとな材料
材料(4人分)
乾燥アラメ:20g
人参:25g
油揚げ:1枚
干ししいたけ:3枚
ピーマン:1個
だし汁:50cc
酒:小さじ2
醤油:大さじ1と1/3
砂糖:小さじ2
作り方
1:乾燥アラメをたっぷりの水で戻します。
2:煮干しでだしを取ります。
3:油揚げは湯通しして細切りにします。人参と干ししいたけも細切りにします。
4;鍋にサラダ油を熱し、水切りしたアラメと細切りにした材料を炒めます。
5:材料に油が回ったら、だし汁と調味料(酒、醤油、砂糖)を加え、弱火で煮詰めます。
このレシピは、家庭で調理しやすいように一部アレンジを加えています。また、地域や家庭によっても作り方が異なることがあります。
隠岐アラメとは?
隠岐諸島でよく食される「あらめ」は、日本海域で採れる海藻の一種です。見た目はわかめや昆布とは異なりますが、ひじきのように調理すると、独特の食感が楽しめるおかずになります。
あらめは幅広で表面にしわがあり、赤みがかった黒色の光沢が特徴です。
地元では生のまま調理されることもありますが、多くの場合は乾燥させたものが販売されています。乾燥あらめはぬるま湯に約10分浸すと、元の海藻の状態に戻ります。
調理は簡単で、刻んだ油揚げと一緒にさっと炒め、醤油と酒を加えるだけで美味しいあらめの煮つけが完成します。
日常の食卓にもう一品加えたいときや常備菜としてもおすすめの一品です。簡単で美味しく、健康にも良い「あらめ料理」をぜひお試しください。
あらめを含む海藻類は、水溶性食物繊維を豊富に含んでおり、特にあらめにはアルギン酸とフコイダンが多く含まれています。
これらの成分は、オクラや納豆、モロヘイヤなどのネバネバ食材と同様に健康効果が高く、日常的に摂りたい食材です。
アルギン酸は体内の不要なナトリウムを排出するのに役立ち、高血圧やむくみの予防に効果的です。
フコイダンは腸内環境を整え、整腸効果があります。さらに、あらめにはカルシウムや鉄分、ヨウ素などのミネラルが含まれ、美肌づくりや貧血予防にも役立ちます。健康で美しい肌を保つためには、日々の食事にあらめなどの海藻を取り入れましょう。
まとめ
隠岐アラメの炒め煮は、隠岐諸島特産の海藻「アラメ」を使った伝統的な料理です。以下にその特徴と調理方法をまとめます。
隠岐アラメは、隠岐諸島の海域、特に浅い場所や港で採れる海藻で、その名前の由来となる「デコボコした表面」が特徴です。黒色がかった赤みを帯びた色合いと幅広い葉が特徴的であり、地元では昔から親しまれてきました。
調理方法
準備: 乾燥した隠岐アラメを水に浸し、戻します。その後、水をきって水気を切ります。
材料の準備: 油揚げを細切りにし、人参や干ししいたけも千切りにします。
炒める: 鍋にサラダ油を熱し、水気をきったアラメと千切りにした材料を入れて炒めます。
調味料を加える: 材料に油がまわったら、だし汁、酒、醤油、砂糖を加えて弱火で煮詰めます。調味料が均一になじむように混ぜながら煮ます。
仕上げ: 火が通ったら火を止め、器に盛り付けます。
食べ方
隠岐アラメの炒め煮は、ご飯のおかずとして主に食べられます。
独特の食感と海の風味が楽しめる料理であり、隠岐諸島の地元民にとってはなじみ深い味です。
また、栄養価も高く、食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。
隠岐アラメの炒め煮は、その地域特有の海産物を活かした料理として、伝統と味覚を守り続けています。