島根県の郷土料理トビウオの刺し身は主に島根県の東部地域と隠岐地方で食べられています。
島根県はトビウオの漁獲が盛んな地域で、「アゴ」として親しまれています。
日本国内には約30種類のトビウオが存在しますが、島根県では「ホソトビウオ」と「ツクシトビウオ」が漁獲されます。
トビウオ漁は定置網や刺網、またはまき網が主な方法で行われます。
トビウオは身が筋肉質で脂肪が少なく、淡白な味わいが特徴です。
その名の通り、トビウオは空中を滑空することもあります。
この特性を生かした独特な漁法が「アゴすくい」であり、夜に船上で行われます。
トビウオが照明や松明の光に引かれて飛来し、大きな網で捕獲されます。この漁法により、一晩に600尾から900尾の漁獲が可能です。
その姿は飛躍や躍進を連想させ、1989年には県魚に指定されました。
毎年初夏になると、島根県沿岸にトビウオが産卵のために多数現れ、多くが漁獲されます。
この時期には家庭や地元の飲食店でトビウオ料理が提供されます。産卵シーズンの6月から8月は、トビウオが旬であり、体に栄養を蓄えています。
トビウオの食べ方は新鮮な状態で刺身として食べる他、焼いても美味しくいただけます。
トビウオは脂肪が少なく、さっぱりとした上品な味わいがあります。
料理の際には、エラやヒレ、うろこをしっかり取り除くことが重要です。
トビウオは出汁としても利用でき、その風味は甘くて独特です。
また、魚卵の「アゴの子」は高価で珍重されています。
加工品としては、すり身をちくわ状にして焼いた「あご野焼」が有名です。この料理は独特な食感と旨味が特徴で、野外で焼かれたことから「松江藩七代藩主の松平治郷」によって名付けられました。
トビウオの刺し身は地元の魚屋やスーパーマーケットで販売される他、乾燥出汁としても利用されています。
また、料理教室や観光客向けの体験イベントなどを通じて、トビウオ料理の普及に努められています。
トビウオの刺し身のレシピと材料
トビウオの刺し身の材料(2人分)
トビウオ 2尾(300g)
大根 40g
青じそ 2枚
醤油 適量
わさび 適量
トビウオの刺し身の作り方
1:トビウオを水で洗い、うろこを取り、胸ビレと一緒に頭を切り落とします。
2:腹ビレは包丁で押さえて取り除きます。
3:腹を開いて内臓を取り出し、水洗いして水気をふき取ります。
4:三枚におろし、腹骨を切り取り、尾側から皮を引きます。
5:皮を引いた身を切り分けます。
6:大根を細い千切りにして敷き、青じそをのせ、刺身を盛りつけます。お好みでわさびを添えてお召し上がりください。
レシピ提供元: 島根県食生活改善推進協議会
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
トビウオとはどんな魚なのかを紹介
トビウオは、ダツ目トビウオ科に属する海水魚で、太平洋、インド洋、大西洋の亜熱帯から温帯の海に生息しています。世界中で約50種が知られており、日本近海でも約30種ほどが存在します。
その名前の由来は、水上に飛び出し、胸ビレを広げて滑空することからきています。
日本では食用としても漁業の対象となっており、九州や日本海側では「アゴ」としても知られています。島根県では「県の魚」に指定されています。
トビウオは細い筒状の逆三角形の断面を持ち、最大の種でも全長は約30-40cmです。
体色は背中が藍色で腹が白色で、胸ビレが発達しており、尾ビレは上端と下端が長く伸びたV字状です。滑空時には胸ビレを広げ、腹ビレも大きい種では4枚あるように見えます。
トビウオは一般に陸地に近い沿岸部に多く生息し、海の表層近くで動物プランクトンなどを食べます。
滑空時には海面すれすれを猛スピードで飛び、マグロやカジキ、シイラなどの捕食者から逃げるために行われます。滑空中は高さ3-5mに達し、速度は35km/hから70km/hまで達します。さらに、勢い余って漁船に飛び込むこともあります。
2008年には、NHKのクルーが鹿児島県沖のフェリーから45秒間にわたって飛び続けるトビウオの様子を撮影し、過去最長の記録として報じられました。
まとめ
トビウオは、ダツ目トビウオ科に属する海水魚であり、太平洋、インド洋、大西洋の亜熱帯から温帯の海に広く分布しています。世界中で50種ほどが知られ、日本近海でも30種ほどが見られます。
その名前の由来は、水上に飛び出し、胸ビレを広げて滑空する特徴からきています。日本では食用として漁業の対象となっており、九州や日本海側では「アゴ」としても知られています。また、島根県では「県の魚」に指定されています。
トビウオは細長い体形をしており、背は藍色、腹は白色で、胸ビレが特に発達しています。滑空時には胸ビレを広げ、尾ビレも特徴的なV字状になります。海の表層近くに生息し、動物プランクトンなどを主な餌としています。
トビウオの滑空は、捕食者から逃れるための防衛行動とされており、最大でも約30-40cmの全長で海面すれすれを猛スピードで滑空します。速度は35km/hから70km/hまで達し、高さは3-5mにもなります。
トビウオはしばしば船や岸に飛び込むことがあり、その滑空能力は驚異的であり、2008年にはNHKのクルーが過去最長の45秒にわたって滑空するトビウオの映像を捉えました。