鳥取県の郷土料理呉和え/なすのずんだ和えとは?

呉和えの伝承地域は日南町(鳥取西部地域)で、主な使用食材は大豆(枝豆)、野菜、きのこ等になります。

「呉和え」は、大豆をゆでてすり潰した「ご」を使って、野菜やきのこと和える日南町の伝統料理です。

日南町は島根県、広島県、岡山県に隣接しており、面積のほとんどを森林が占める豪雪地帯です。

この地域では、耕作地が限られていたため、急斜面を焼き畑にして作物を栽培していました。

その中でも、大豆は重要な栄養源として重宝されていました。特に「呉和え」は、乾燥大豆を一晩水に浸してからゆで、野菜やきのこと和える料理で、枝豆を使うと色鮮やかな一品になります。「ご」は味噌汁に入れて「呉汁」としても楽しまれます。

「呉和え」は、仏事の来客をもてなす際や祭りで食べられます。

大豆をゆで、砂糖、味噌、だし汁を加えてすり鉢でよく混ぜ、それを野菜と和えます。塩漬けきのこやこんにゃくを加えることもあります。

日南町では、地元の食文化を守るため、食育関係者が中心となって郷土料理の冊子を作成し、町のホームページで公開しています。

この活動は県の食育推進活動として表彰されました。また、公民館や集会所で郷土料理の講習会を開き、学校の給食でも提供するなど、若い世代や家庭に郷土料理を伝える取り組みが行われています。

呉和えのレシピと材料

材料(4人分)

なす:300g
枝豆(正味):50g
みょうが:小3個
砂糖:15g
味噌:10g
だし汁:25ml

作り方

1:枝豆を茹でて皮を取り除き、すり鉢で潰し、砂糖、味噌、だし汁を加えてよく混ぜ合わせる。

2:なすを5cm程度の短冊切りにし、軽く茹でてから水にさらす。みょうがは千切りにする。(なすは焼いたり、レンジで加熱してもよい)

3:なすの水気をしっかり絞り、みょうがと一緒に1で作った和え衣で和える。

※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。

まとめ

呉和えは、鳥取県西部の日南町に伝わる伝統的な料理であり、大豆(特に枝豆)、野菜、きのこなどを主な食材として使用します。以下に「呉和え」の特徴や背景をまとめます:

主な特徴と食材

食材: 主に大豆(枝豆)、野菜、きのこなどが使用されます。特に大豆は栄養価が高く、地域の重要な食糧源でした。

調理方法: 枝豆をゆでてすり潰し、「ご」と呼ばれる和え衣に砂糖、味噌、だし汁を加えて混ぜ、野菜やきのこと和えます。

歴史と由来

日南町は森林が多く、耕作地が限られていたため、大豆などの栽培が行われていました。特に大豆は豪雪地帯での重要な栄養源として栽培され、食文化に深く根付いています。

「呉和え」の名前の由来は明確にはわかっていませんが、地域特有の食材を使った伝統料理として長い間親しまれてきました。

食べ方と提供される場面

主に仏事のおもてなしや地域の祭りなどで食べられます。特に訪問客を迎える際や季節の行事で提供されることが多いです。

保存と継承

日南町では、地域の食文化を保護し、次世代に伝える取り組みが行われています。地域の公民館や学校での料理教室や食育活動を通じて、「呉和え」のレシピや歴史が伝えられています。

「呉和え」は地域の特産物である大豆を活用した郷土料理であり、その歴史や食文化を通じて、日南町の文化的な価値を象徴する一品です。