ハタハタ寿司の主な伝承地域は鳥取県の賀露地区で、主な使用食材はハタハタ、おからになります。
鳥取県賀露地区には、日本海を一望できる丘陵に賀露神社があります。
ここで行われる賀露神社ホーエンヤ祭は、県の無形民俗文化財であり、2年に一度、4月末に開催されます。
祭りでは鎧武者や子ども大名の行列が町を練り歩き、テンポの速い麒麟獅子舞が見物客で賑わいます。特に祭りの魅力は豊漁を祝う海上行列で、そこで地元では「しろはた寿司」として知られるハタハタ寿司が振る舞われます。
ハタハタは北海道から山口県までの日本海側に生息していますが、鳥取県のハタハタは春に漁獲され、特にホーエンヤ祭の時期に最盛期を迎えます。
その脂がのった美味しさが特徴で、おからで詰めた寿司として提供されます。
ご飯ではなくおからを使用するため、ヘルシーで独特の食感を楽しむことができます。
鳥取港海鮮市場などで購入可能です。家庭では、白ごまや紅しょうが、わさびを使ったりとさまざまなアレンジが施されます。酸味の効いたハタハタとおからが食欲をそそります。
ハタハタは頭をつけたまま開いて内臓を取り除き、塩水で洗い水気を切ります。塩をまぶして身を引き締め、洗って合わせ酢に漬けて一晩寝かします。
おからを炒り、調味料で味付けし、アサの実と混ぜ合わせます。この具をハタハタの腹に詰め、数日間寝かせて味を馴染ませます。最後に一口大に切って醤油で食べます。
山陰地方では3月から5月にかけて脂ののったハタハタが旬です。伝統の継承と保存の取り組みとして、鳥取県ではSNSや商品化を活用しています。
また、東北日本海側では11月から1月にかけて卵を持つメスのハタハタが特に重宝されます。
ハタハタ寿司のレシピと材料
材料(30匹分)
【材料A】
ハタハタ(小ぶり):30匹
【材料B】
おから:500g
油:少々
塩:少々
【調味料A(合わせ酢)】
5倍酢:100ml
水:400ml
砂糖:100g
【調味料B】
砂糖:50g
5倍酢:20ml
ごま油:適量
その他の材料
アサの実:適量
紅しょうが:適量
作り方
1:ハタハタは頭をつけたまま背開きにし、内臓を取り除き、塩水で洗って水切りする。
2:材料Aの塩をまぶし、一晩寝かせて身をしめる。
3:洗ってから、調味料Aの中に一晩漬ける。
4:フライパンをよく熱し、油を引き、材料Bのおからを少量ずつ炒って水分をとばす。塩を少々加えて調味する。
5:アサの実はごま油で炒る。
6:炒ったおからに調味料Bで味付けし、アサの実を加える。
7:冷めたおからを水切りしたハタハタの腹に詰める。
8:残ったおからでハタハタをびっしりと器に詰め、2~3日寝かせて味をなじませる。
一口大に切って盛り付け、紅しょうがを添えて完成。
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
ハタハタの特徴と生態
ハタハタ(学名:Arctoscopus japonicus、別名:カミナリウオ、シロハタなど)は、スズキ目に属する魚の一種で、日本海側で主に食用とされています。
秋田県では県魚としても知られています。煮魚や焼き魚、干物、塩蔵、味噌漬けなど、さまざまな調理法に用いられ、またしょっつるという魚醤にも加工されます。また、魚卵はブリコと呼ばれています。
ハタハタは体長約20センチメートルで、寿命は約5年です。海底の泥や砂の中で生息し、水深0メートルから約550メートルまでの範囲で見られます。
産卵は11月から12月にかけて行われ、浅い岩場の藻場が主な産卵地です。オスは1歳から、メスは2歳から繁殖活動に参加し、数年間にわたって産卵します。
ハタハタの主な食物は端脚類、橈脚類、オキアミ類、アミ類、イカ類、他の魚類などです。生息域は北西太平洋で、特に日本海、オホーツク海、千島列島、カムチャッカ半島などに広がっています。
この魚は体高が高く、左右に扁平でうろこがありません。口は大きくて上向きに斜めについており、鰓蓋には5本の鋭い突起があります。背ビレは前後に完全に分かれ、尾ビレや胸ビレが非常に大きい特徴があります。
まとめ
ハタハタ寿司は、日本の鳥取県など日本海側で食される伝統的な寿司の一種です。以下はその特徴や作り方、文化的背景についての詳細です。
主な食材と特徴
ハタハタ: ハタハタは日本海沿岸に生息する小型の魚で、春が旬の時期です。脂がのっており、特有の旨みがあります。
おから: 通常の寿司のご飯の代わりに、地元ではおからを使用します。これにより、ヘルシーで独特の食感が楽しめます。
歴史と文化的背景
鳥取県の伝統: ハタハタ寿司は鳥取県では「しろはた寿司」とも呼ばれ、賀露地区のホーエンヤ祭で振る舞われる伝統料理です。豊漁を祝うこの祭りで特に重要視されています。
料理の提供: 地元の行事やイベントでしばしば提供され、その味わいは地域の人々に親しまれています。
作り方
準備: ハタハタを頭をつけたまま背開きにし、内臓を取り除いて塩水で洗い、水切りします。
調理: ハタハタの身に塩をまぶして身を引き締め、調味料に漬け込みます。同時に、おからを炒って味付けし、ハタハタの腹に詰めます。
寝かせる: 2〜3日間寝かせて味を馴染ませ、最後に一口大に切って盛り付け、紅しょうがなどで飾ります。
保存と伝承
地域の保存活動: 山陰地方ではハタハタの旬を活かした保存や伝承活動が行われており、SNSや地域団体を通じてその魅力を広める取り組みも進められています。
ハタハタ寿司は、地域の豊かな漁獲文化と料理の伝統を結びつけた特別な料理であり、その味と歴史的背景から多くの人々に愛されています。