鳥取県の郷土料理どんどろけ飯とは?

どんどろけ飯の伝承地域は、鳥取県東部・中部地域になります。使用食材は、米、椎茸、豆腐、糸こんにゃく、ごぼう、人参、油揚げ(三角)になります。

どんどろけ飯とは、鳥取県の東部から中部にかけて伝わる炊き込みご飯で、豆腐と地元の野菜が特徴です。

名前の由来は、豆腐を炒めた時のパリパリとした音が雷のように聞こえたことから来ています。

かつては、豆腐がごちそうであり、貴重なタンパク源として扱われ、地元の豆腐小屋で自家製の豆腐が作られていました。

季節の野菜や干し椎茸、油揚げが加わり、地元食材をふんだんに使った郷土料理として親しまれています。

昔は肉を使わず野菜のみでしたが、昭和になると鶏肉も加わるようになりました。炊き込みご飯として始まった料理ですが、炊飯器の普及に伴い、次第に混ぜご飯へと変化しました。

主に農作業が一段落した後や村の集まりで作られ、寒い時期に食べられることが多かったです。

まず豆腐を炒め、その後に野菜や油揚げを加えてさらに炒めます。これを米とだし汁と一緒に炊飯器で炊き、鶏肉やこんにゃくを加えるとさらに美味しくなります。薄味で、さっぱりとした風味が特徴です。

現在では「どんどろけ飯」を作る機会は少なくなりましたが、鳥取市気高町ではこの料理を後世に伝えたいというグループが活動しています。

このグループは、2009年の「鳥取・因幡の祭典」で「どんどろけ弁当」を出品し、賞を受賞しました。

さらに、学校給食での提供や「どんどろけ料理」をアレンジしたメニューが登場し、地域活性化に向けた取り組みも進んでいます。

雷飯(どんどろけ飯)の作り方と材料

材料(4人分)

米:400g
豆腐:400g
干し椎茸:4枚
糸こんにゃく:50g
ごぼう:50g
人参:50g
三角油揚げ(大):100g
油:20g
酒:30g
薄口醤油:40g
だし汁(干し椎茸の戻し汁):400ml
青ねぎ:50g(小口切り)

作り方

1:豆腐は水分をしっかり切っておきます。

2:干し椎茸は水に浸して戻し、細切りにします。

3:糸こんにゃくは軽く茹でて、ざく切りにします。

4:ごぼうはささがきにし、水にさらしてアクを抜きます。

5:人参は細めにそぎ切り、油揚げは2cmの長さに切ります。

6:鍋を熱し、油を入れて豆腐を砕きながらきつね色になるまで炒めます。次にごぼう、椎茸、人参、糸こんにゃく、油揚げを加えてさっと炒め、酒と醤油を加えます。

7:炊飯器に米と炒めた具材を入れ、混ぜ合わせた後、だし汁を加えて炊きます。

8:炊き上がったご飯に青ねぎを混ぜ、器に盛り付けます。

このレシピは地域や家庭によって異なる場合があります。家庭で調理しやすいように一部アレンジされています。

まとめ

どんどろけ飯は、鳥取県東部から中部地域にかけて伝わる伝統的な炊き込みご飯です。

この料理の特徴は、地元の豆腐や野菜を使い、シンプルながらも食材の旨味を引き出すことにあります。

「どんどろけ」という名前は、鳥取県の方言で「雷」を意味します。由来は、豆腐を炒める際にパリパリとした音が雷鳴に似ていることからきています。

かつて、豆腐は貴重な食材であり、栄養価の高いご馳走とされていました。村ごとに豆腐小屋があり、地元で採れた大豆を使って豆腐を作る習慣がありました。どんどろけ飯は、そうした豆腐をメインに、地元の旬の野菜や干し椎茸、油揚げを加えた炊き込みご飯で、栄養豊富な一品です。

昭和時代になると鶏肉が加わるようになり、具材がさらに豊富になりました。昔は「炊き込みご飯」として作られていましたが、炊飯器の普及に伴い、現在では混ぜご飯として食べられることも多くなっています。

どんどろけ飯は、豆腐や地元の野菜を使った素朴ながらも深い味わいのある料理です。歴史や文化とともに受け継がれ、今も鳥取県の伝統を感じさせる一品として親しまれています。