筍の味噌煮の主な伝承地域は、山口県全域です。主な材料は、筍になります。
筍は春の訪れを感じさせる食材で、旬は3月から5月まで。その成長速度の速さから、採れる期間が限られており、新鮮な筍は特に貴重な春の味覚とされる。
ただし、水煮に加工されることで一年を通して利用が可能となり、多くの家庭で親しまれている。
西日本では筍の生産量が多く(農林水産省の資料による)、山口県では特に岩国地域が名産地として知られている。筍はワカメとの煮物や炒め物、味噌で煮る料理など、さまざまな形で楽しまれている。
家庭料理として日常的に作られる一方で、春の訪れを感じる旬の時期に特に親しまれる料理。
筍の味噌煮の作り方として、水煮の筍を適当な大きさに切り、フライパンで油を使って軽く炒める。筍にツヤが出たら水を加え、沸騰させる。その後、味噌、砂糖、醤油、酒を混ぜ合わせた調味料を加え、汁気がなくなるまで煮込む。最後に器に盛り付けて完成する。
家庭でよく作られる料理であると同時に、飲食店のメニューにも取り入れられている。保存会や現代のSNS活用、商品化などの活動を通じて、地域の食文化として継承されている。
筍の味噌煮の材料とレシピ
材料(4人分)
筍: 中サイズ1本(約400g)
米ぬか: 大さじ山盛り1杯(代用として米の研ぎ汁やひとつかみの生米でも可能)
唐辛子: 1本
麦味噌: 大さじ2
酒: 大さじ2
しょうゆ: 小さじ1
だし汁: 1カップ
木の芽: 適量
作り方
1:筍の先端部分を斜めに切り落とし、皮の部分に縦に切り込みを1本入れる。
2:大きな鍋に筍を入れ、たっぷりの水を注ぎ、米ぬかと半分に折った唐辛子を加える。強火にかけて茹でる。
3:沸騰後、火力を保ちながら約1時間茹で、火を止めたらそのまま冷ます。
4:翌朝、筍の皮を剥き、使用しない分は水に浸けて冷蔵保存する。保存中は水を毎日替えれば3日間程度持つ。
5:茹でた筍は柔らかい先端をくし形に、残りを半月切りにする。
6:鍋に切った筍と調味料を入れ、火にかける。味噌を溶かし、煮汁が少なくなるまで煮詰める。
7:器に盛り付け、木の芽を飾って完成。
筍について紹介
筍(タケノコ)は春に竹類の地下茎から出てくる若芽です。竹の一部やササの種類も含まれることがあり、特に日本や中国などの温帯から亜熱帯地域では食材として利用されています。
タケノコという名前は、竹の皮がまだ茎に付いていて離れるまでの状態を指しますが、一般的には地上に茎が出現する前後のものを指すことが多いです。タケノコは夏の季語としても知られています。
タケノコの成長過程
タケノコは温帯、亜熱帯、熱帯地域に分けて種類があり、成長すると竹の茎が伸び、竹の皮が脱落して竹になります。しかし、ササ類の中には茎が包まれたまま成長するものもあります。
食材としてのタケノコ
タケノコは春先に地面から芽が出た部分を収穫し、4月から5月にかけてが旬とされます。
収穫されるタイミングは、茎が地上に現れる前後の柔らかい部分です。収穫後、タケノコは徐々に固くなり、えぐみが増すため、穂先が出る前に収穫することが理想的です。タケノコは部位によって食感が異なり、先端、中央、根元部分でそれぞれ特徴があります。
タケノコの見た目は、ずんぐりした形で穂先が黄色がかり、外皮はツヤのある薄茶色です。
根元付近に赤紫色の小さな突起が出ているのが良いとされ、大きく濃い紫色になると食べ頃を過ぎている可能性があります。
タケノコは収穫後、鮮度が落ちやすく、時間が経つと固くなり、灰汁も強くなります。
そのため、収穫後すぐに調理するか、灰汁抜きをして下処理を行うのが理想的です。下茹では収穫後すぐに行い、皮を剥いてから再度茹でて冷水で冷まします。冷蔵庫で水を替えながら保存すれば、茹でたタケノコは5~6日間持ちます。
まとめ
山口県の郷土料理「筍の味噌煮」は、春の味覚であるタケノコを使った料理です。
タケノコは、春の訪れを感じさせる食材として知られ、山口県でも地元の特産品として親しまれています。特に岩国地域では、タケノコが名産として有名で、筍の味噌煮は家庭料理として広く食べられています。
作り方はシンプルで、まずタケノコを湯がいて柔らかくし、食べやすい大きさに切ります。
フライパンでサラダ油を熱し、タケノコを炒めた後、水を加えてひと煮立ちさせます。その後、味噌や砂糖、醤油、酒を加え、煮詰めていきます。味が染み込み、汁気が少なくなったら完成です。タケノコの食感と味噌の旨味が絡み合い、春の旬の味を存分に楽しめます。
また、この料理は、タケノコが新鮮なうちに食べるのが一番おいしく、タケノコの味わいを最大限に引き出します。タケノコは収穫から時間が経つと固くなり、アクも強くなるため、できるだけ早く調理することが重要です。
「筍の味噌煮」は、家庭の食卓だけでなく、地元の飲食店でも提供されており、春の訪れを祝う特別な料理として、多くの人々に親しまれています。山口県の自然豊かな風土を感じさせる一品であり、地域の食文化を代表する料理となっています。