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ぐうの音も出ないの意味とは?「ぐう」の正体や語源・使い方を解説

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「ぐうの音も出ない」は、「ぐうのねもでない」と読み、一言も反論や弁解ができない状態を表す慣用句です。

自分の間違いや弱点を的確に指摘されたとき、または相手の主張に反論の余地がないときに使います。

ここでいう「ぐう」は、おなかが鳴る音やいびきではありません。

息が詰まったときに喉から出る声や、苦しいときのうめき声を表すとされています。

この記事では、「ぐうの音も出ない」の意味と使い方、「ぐう」が表す音、語源や古い用例、似た表現との違いを分かりやすく解説します。

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「ぐうの音も出ない」の意味・読み方・使い方

「ぐうの音も出ない」は、相手から非を指摘されたり、筋の通った主張を示されたりして、何も言い返せなくなる様子を表します。

読み方と意味

読み方は「ぐうのねもでない」です。

「音」は「おと」ではなく「ね」と読みます。

主な意味は次のとおりです。

・一言も反論できない

・弁解しようとしても言葉が出てこない

・自分の非や間違いを認めざるを得ない

単に黙っているのではなく、「言い返したくても、反論できる材料がない」という状況に使うのがポイントです。

相手の発言が正しい場合だけでなく、証拠や結果を突きつけられて弁解できない場合にも使えます。

自然な使い方と例文

「ぐうの音も出ない」は、自分が言い返せなかった場面にも、第三者が反論できなかった場面にも使えます。

・提出の遅れを具体的な記録とともに指摘され、ぐうの音も出なかった。

・彼の意見は事実に基づいており、反対していた人たちもぐうの音も出ない様子だった。

・「人に時間を守れと言う前に、自分が遅刻を直すべきだ」と言われ、ぐうの音も出なかった。

・試合結果を見れば実力差は明らかで、こちらとしてはぐうの音も出ない。

自分について「ぐうの音も出なかった」と言う場合は、間違いや負けを率直に認めるニュアンスが生まれます。

一方、「相手をぐうの音も出ないほど言い負かした」のように使うと、勝ち誇った強い印象を与えることがあります。

相手との関係や場面に注意が必要です。

「ぐうの音も出ないほどの正論」は自然な表現

「ぐうの音も出ないほどの正論」は、反論する余地がないほど筋の通った意見を表す自然な言い方です。

ただし、「正論」は話し手の評価でもあります。

意見が本当に正しいかどうかを検討せず、単に自分が賛成する意見へ使うと、決めつけが強く聞こえることがあります。

「ぐうの音」の「ぐう」とは何の音なのか

「ぐう」は、意味のある言葉ではなく、人が苦しいときに発する声を写した表現と考えられています。

息が詰まったときの声やうめき声

集英社の『ルーツでなるほど慣用句辞典』では、「ぐうの音」を息が詰まって苦しいときに出る声や、苦しい状況で発するうめき声と説明しています。

また、『明鏡国語辞典』や『日本語オノマトペ辞典』を紹介したラジオ関西の記事でも、呼吸が詰まったときや喉に物がつかえたときに出る、言葉になる前の声として説明されています。

反論しようとしても、喉の奥から出る「ぐう」という短いうめき声さえ出せないほど追い込まれた状態が、「ぐうの音も出ない」です。

「も」には、わずかなものまで否定して意味を強める働きがあります。

そのため、この慣用句は「何も言えない」よりも、完全に言葉を封じられた様子を強く伝えます。

おなかの音やいびきとは関係がない

「ぐう」は、おなかが鳴る音や眠っているときのいびきを表す場合もあります。

しかし、「ぐうの音も出ない」に含まれる「ぐう」は、空腹音やいびきを指すものではありません。

同じ「ぐう」という音でも、使われる場面と意味が異なります。

「おなかがすきすぎて音も出ない」という意味ではないため、混同しないようにしましょう。

「ぐうの音も出ない」の語源と古い用例

「ぐうの音も出ない」には、特定の歴史上の人物や出来事を由来とする故事は確認されていません。

正確な考案者や、いつ会話の中で生まれたのかも明らかではありません。

擬声的な「ぐう」を使って反論不能を表した

この表現は、苦しさで息を詰まらせたときの声を表す「ぐう」と、「その音さえ出ない」という強い否定を組み合わせたものです。

身体的に声が出ない様子を、相手にやり込められて反論できない心理状態へ重ねた表現と理解できます。

ただし、どのような段階を経て現在の意味になったのかを詳しく示す資料は限られています。

特定の出来事から誕生した言葉として説明するのではなく、声を表す言葉から生まれた慣用的な表現と捉えるのが適切です。

明治時代の小説『多情多恨』に用例がある

『精選版 日本国語大辞典』は、「ぐうの音も出ない」の用例として、尾崎紅葉の小説『多情多恨』を挙げています。

『多情多恨』は1896年、明治29年の作品です。

作中では、相手から続けざまに言われて何も言い返せなくなった場面に、この表現が使われています。

この記録から、少なくとも明治時代後期には、現在とほぼ同じ意味で文章に用いられていたことが分かります。

ただし、辞書に掲載された最も古い用例は、その言葉が生まれた瞬間を示すものではありません。

『多情多恨』を発祥としたり、尾崎紅葉が考案したりしたと断定することはできません。

「返す言葉もない」など似た表現との違い

「ぐうの音も出ない」には、言葉を返せない様子を表す似た表現がいくつかあります。

それぞれ、言葉が出ない理由に違いがあります。

返す言葉もない

「返す言葉もない」は、相手の発言に対して何も答えられないことを表します。

「ぐうの音も出ない」と意味が近く、言い換えやすい表現です。

ただし、「ぐうの音も出ない」のほうが、完全にやり込められた様子を強く感じさせます。

二の句が継げない

「二の句が継げない」は、驚いたりあきれたりして、次の言葉が出てこない状態を表します。

自分の非を指摘されて反論できない場面に限らない点が、「ぐうの音も出ない」との違いです。

言葉を失う

「言葉を失う」は、驚き、悲しみ、感動などによって何も言えなくなることを広く表せます。

反論できないことに焦点を当てた「ぐうの音も出ない」よりも、使える感情や場面の範囲が広い表現です。

開いた口が塞がらない

「開いた口が塞がらない」は、驚きやあきれのあまり、ものが言えない様子を表します。

相手の正しさに納得した場面よりも、非常識な言動や予想外の出来事にあきれた場面で使われます。

「ぐうの音も出ない」を使うときの注意点

意味が通じる表現でも、使う相手や文章の種類によっては強すぎることがあります。

目上の人や仕事の文章では言い換える

「ぐうの音も出ません」は敬語の形にできますが、慣用句そのものには口語的でくだけた響きがあります。

また、相手を言い負かすイメージも伴います。

報告書や改まったメールでは、次のように言い換えると穏やかです。

・ご指摘のとおりです。

・反論の余地はありません。

・私の認識に誤りがありました。

・ご説明を受け、納得いたしました。

状況に合った言葉を選ぶことで、必要以上に対立的な印象を避けられます。

驚いて黙っただけの場面には使わない

美しい景色を見て声が出なかった場合や、突然の知らせに驚いて黙った場合は、通常「ぐうの音も出ない」とは言いません。

このような場面には、「言葉を失う」「息をのむ」「声も出ないほど驚く」などが適しています。

「反論や弁解ができない」という意味が含まれるかどうかで判断しましょう。

「ぐうの音も出ない」に関するよくある質問

「ぐう」は漢字で書けますか?

「ぐう」は人が発する音を表した語なので、通常はひらがなで書きます。

「ぐうの音も出ない」という慣用句全体も、「ぐう」をひらがなにする表記が一般的です。

「ぐうの音が出る」という言い方もありますか?

「ぐうの音」は、ほとんどの場合「ぐうの音も出ない」という決まった形で使われます。

反対の意味を表すために「ぐうの音が出る」と言っても、一般的な慣用表現にはなりません。

「ぐう正論」は同じ意味ですか?

「ぐう正論」は、「ぐうの音も出ないほどの正論」を縮めたインターネット上の俗な表現です。

意味のつながりはありますが、改まった文章や仕事上の会話には向きません。

通常の文章では、「反論の余地がない正論」「まさに正論」などと言い換えると伝わりやすくなります。

「ぐうの音も出ない」は良い意味ですか?

基本的には、指摘された側が反論や弁解をできない状態を表すため、好ましい状況を示す言葉ではありません。

ただし、自分の負けや誤りを素直に認める言い方として使うこともできます。

相手の意見を「ぐうの音も出ないほど正しい」と評価する場合は、相手を認める意味も生まれます。

まとめ

「ぐうの音も出ない」は、一言も反論や弁解ができない状態を表す慣用句です。

「ぐう」は、空腹時のおなかの音やいびきではなく、息が詰まったときの声や苦しいときのうめき声を表すとされています。

正確な発祥や考案者は分かっていませんが、『精選版 日本国語大辞典』には、1896年の尾崎紅葉『多情多恨』が用例として掲載されています。

そのため、少なくとも明治時代後期には、現在とほぼ同じ意味で使われていたことが確認できます。

反論できない場面には使えますが、驚きや感動で言葉が出ないだけの場面には適しません。

仕事や改まった場では、「ご指摘のとおりです」「反論の余地はありません」などへ言い換えると、意図を穏やかに伝えられます。

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