岡山県では、イイダコは主に倉敷市の児島地域にある下津井周辺でよく採れます。
イイダコは体内に多くの飯粒状の卵を含んでおり、「飯蛸(イイダコ)」と呼ばれています。
卵の大きさは直径5~6mmほどで、1匹に200~500個ほど入っています。
塩を加えてしっかりもみ洗いし、水気をきってから煮ます。
イイダコは墨を持っていますが、イカの墨が嫌われるのとは異なり、「イイダコは墨が味わい深い」とされています。
墨を含むイイダコを食べると、墨を食べることでのぼせるということもあり、墨袋を取り除いて調理することが一般的です。
イイダコは冬に胴の部分に卵を持ち、岡山ではこの時期に煮付けとして一般的に食べられます。
イイダコを調理する際には、ぬめりを取るために塩を加えてよくもみ洗いし、水で洗います。
調味料を入れずに鍋に水を入れ、弱火でイイダコを煮ます。その後、鍋に醤油、みりん、砂糖、水を加えて沸騰させ、煮たイイダコを加えます。一度煮立ったら中火にし、落とし蓋をしてイイダコが固くならないように煮ます。
イイダコの煮付けは家庭料理として定着しており、飲食店でも広く提供されています。
イイダコの煮付けの材料と作り方
イイダコの煮付けの材料(4人分)
タコ(イイダコ) 500g
しょうゆ 大さじ3
みりん 大さじ3
砂糖 大さじ2
水 2カップ
イイダコの煮付けの作り方
1:タコのぬめりを取るために、塩を振ってよくもむ。足は1本1本丁寧に洗い、吸盤の汚れを取る。洗った後は水で洗い流す。
2:大根でタコの足を軽くたたいてから、一口大に切る。これによって身が柔らかくなる。
3:鍋に水を入れ、弱火でタコを煮る。調味料を先に入れずにタコを煮ると、より柔らかく仕上がる。
4:別の鍋に煮汁の材料を入れて沸騰させ、その後タコを加える。一度煮立ったら中火にし、落とし蓋をして約20分程度煮る。
5:鍋止めをする。
※レシピ提供元名: 岡山県農林水産部水産課
※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。
イイダコの調理法下処理なしだとどうなるの?
イイダコをぬめりを取らずに調理すると、食感が損なわれ美味しさが損なわれます。塩もみをしてしっかりぬめりを取ることが大切です。
そのためイイダコはしっかり下処理しましょう。
イイダコの洗い方
イイダコをザルで水切りし、たっぷりの塩を使ってよく揉みます。泡が出たら、水でよく洗い、ぬめりを取ります。
2〜3回、塩揉みして水洗いを繰り返します。ぬめりをよく取るため、丁寧に洗ってください。
ぬめりと汚れを取り終えたイイダコは、多くの料理の前に下茹でする必要があります。イイダコは火の通りが早く、茹で過ぎると硬くなるため、沸騰した熱湯で4〜5杯ずつ小分けにして茹でます。
茹で時間は中小型サイズで10秒、ピンポン玉大の良型イイダコでも20秒が目安です。茹で上げたら流水に通し、粗熱を取り、ザルに上げておきます。
タコを叩く理由
タコを叩くことは、日本だけでなく、タコを食べる民族で広く行われています。
タコは全身が筋肉の塊であり、筋繊維に方向性がないため、事前に叩くことで筋繊維を適度にほぐし、軟らかくすることが考えられています。
イイダコを柔らかくする方法
鍋に酒、水、砂糖、しょうゆ、みりんを入れ、煮立てたらイイダコを加えます。落し蓋をして、弱火で約20分間煮ると、イイダコが柔らかくなります。
イイダコの美味しいおつまみレシピ
イイダコの干物を戻して煮ると、炙るのとは違った風味が楽しめます!
材料
イイダコの干物(約10個)
調味ベース
こいくち醤油 50ml
みりん 50ml
料理酒 50ml
ざらめ 大さじ1
作り方
1:お湯を沸騰させ、イイダコの干物を投入して約5分茹でます。
2:別の鍋で調味ベースを合わせ、ひと煮立ちさせます。
3:茹でたイイダコを取り出し、調味ベースが入った鍋に加え、弱火で5分煮込みます。
4:火を止め、粗熱が取れたら完成!
コツとポイントは、調味ベースは煮立つとすぐに溢れるので、その辺りを注意してください。
まとめ
イイダコの煮付けは岡山県の郷土料理であり、倉敷市の児島地域でよく取られています。
イイダコは体内に飯粒状の卵を含んでおり、「飯蛸(イイダコ)」と呼ばれます。
調理の際には、ぬめりを取るために塩を使ってよくもみ洗いし、水で洗います。
また、タコの足を軽く叩いてから一口大に切ることで、身が柔らかくなります。
鍋には水を入れ、弱火でタコを煮ます。煮汁の材料を別の鍋で沸騰させ、タコを加えて中火で煮ると、味が染み込み、タコがふっくらと仕上がります。
煮上がったら、茹で過ぎないように注意し、流水で冷やして粗熱を取ります。
この煮付けは家庭料理としても定着しており、岡山県を代表する郷土料理の一つとして愛されています。