岡山の郷土料理猪鍋とは?

岡山県北部の自然に恵まれた美作地域では、古くからイノシシやシカが豊富に生息し、イノシシ肉やシカ肉を食べる文化が根付いています。

特に冬には美作地域のご当地料理として知られるしし鍋が人々に親しまれています。地元の猟師だけでなく一般の家庭でも多くの人々が楽しんでいます。

イノシシは美作の山々に生息し、地元の猟師が捕獲しています。

貴重な高級食材であるしし肉は、一頭ずつしか手に入らないため、古くから重宝されてきました。牛肉とは異なる深い味わいがあり、しし肉と野菜を鍋で煮込んだ「ぼたん鍋」が特に有名です。

イノシシ肉は栄養価が高く、冬の時季には貴重なタンパク源として利用されてきました。牛肉とは異なる深い味わいがあり、美味しくいただけます。

野菜(白菜など)を大きく切り、昆布やカツオ節で出汁を取ります。味噌、砂糖、みりん、酒を加えて味を調え、イノシシ肉、野菜、きのこなどを入れます。

一般家庭だけでなく、飲食店でもジビエ料理として提供されています。イノシシやシカ肉を使ったジビエ料理を提供する飲食店を紹介した「おかやまジビエガイド」が発行されています。

猪鍋のレシピを紹介

猪鍋の材料(4人分)

山猪肉(もも肉など、薄切り) 300g
焼き豆腐 250g
白菜 150g
長ネギ 1本
人参 1/2本
春菊 100g
えのき 100g

【スープ】

かつお昆布出汁 500cc
料理酒 100cc
みりん 大さじ3
赤味噌 大さじ3
白味噌 大さじ2
生姜(すりおろし) 大さじ1

猪鍋の作り方

1:白菜をざく切りにし、長ネギは斜めに切り、人参は半月切りに、春菊は5cm程度に切る。えのきは石づきを切り落とし、ほぐす。

2:焼き豆腐を大きめの一口大に切る。

3:【スープ】の材料をよく混ぜ合わせる。

4:土鍋に1と2を入れ、山猪の肉を加える。3を注ぎ、蓋をして火にかけてひと煮立ちさせる。適度にアクを取り、山猪の肉が火が通るまで、弱火で煮込む。

※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。

ぼたん鍋として知られる山猪鍋

山猪鍋は、山猪の肉を使用した日本の鍋料理であり、別名ぼたん鍋としても知られています。

山猪の肉は古代からよく食べられており、それを使った鍋料理は日本各地で見られます。ぼたんという名前は、薄く切った山猪肉を盛り付ける際に牡丹の花に見立てたことに由来しています。

鍋の中では、野菜、根菜、きのこ、芋類、こんにゃく、麩、豆腐などと山猪肉を一緒に煮て食べるのが一般的です。

味付けは地域によって異なりますが、昆布と鰹節で取った出汁に、主に味噌か醤油を加えることが一般的です。

風味付けには日本酒やみりんを加えることもあります。江戸風の場合、割り下にたっぷりの醤油と砂糖を用い、さらに八丁味噌を加えて濃厚な味に仕上げます。

食べる際には、取り皿に生卵を入れてつけたり、薬味として山椒などを振りかけたりします。

山猪が手に入りやすい山間部では、地元の郷土料理として観光資源としても活用されています。

猪鍋とぼたん鍋の違いについて

まず、「ぼたん鍋」とは、猪肉を使った鍋料理の一種です。猪は成長に伴い、肉の色が豚肉のような肌色から牛肉のような赤色に変化します。

猪鍋は、この猪肉をスライスして鍋に入れた料理です。

ぼたん鍋は、「猪鍋」の一種であり、猪は寒くなると脂がたっぷりとつき、脂と肉が赤白と美しく分離します。

これを薄くスライスし、牡丹の花のように肉だけを盛り付けることで「ぼたん鍋」と呼ばれます。

猪肉は古くから日本人に親しまれており、江戸時代には生類憐れみの令により他の動物が食べられなくなった際に、猪は「山のくじら」と呼ばれ、食べられていました。

かつては猪は獣臭いとされ、良いイメージがなかった時期もありましたが、ベテランの猟師が獲物を丁寧に処理し、ストレスのかからないように注意しています。猪の内臓処理も迅速かつ丁寧であり、冷蔵処理も早いです。

また、猪は雑食であり、食べたものが味に大きな影響を与えます。

当店のぼたん鍋の猪は、広島の生口島でみかん畑を荒らしていた猪です。みかんを好んで食べるため、脂の色は黄色がかり、肉の色もやや淡い赤色になります。

臭みがなくさっぱりとして食べやすく、猪の美味しさを堪能できます。臭みがないため、しゃぶしゃぶでもお召し上がりいただけます。

炭火焼きで調理する猪と鍋で使う猪では、生体の大きさが異なります。炭火で焼く猪は、生体が約30キロの雌であり、ピンク色になる柔らかく脂の乗ったものを厳選しています。

鍋に使用する猪は鉄砲で駆除されるため、身に玉が入っている場合もあります。

しかし、薄くスライスする際にはわかるため、お客様に提供することはありませんが、鴨や鹿の場合は散弾に注意が必要です。

一般的に、ぼたん鍋は味噌仕立てで食べられることが多いようです。当店では、国産の無農薬大豆で作った味噌と、本物のたまり醤油を使用しています。鰹と昆布、焼きアゴで取ったお出汁も相性抜群です。

まとめ

猪鍋は、猪肉を主な材料とした日本の鍋料理の一種です。猪鍋は地域によって様々な呼び名で知られており、一部地域では「ぼたん鍋」とも呼ばれます。

猪鍋の特徴として、猪肉をスライスして鍋に入れて調理することが挙げられます。猪肉は、成長に伴い色が変化し、豚肉のような肌色から牛肉のような赤色になります。

一般的な猪鍋の具材には、猪肉の他に野菜、きのこ類、豆腐などが使用されます。味付けは地域によって異なりますが、昆布と鰹節で取った出汁に味噌や醤油を加えることが一般的です。さらに、日本酒や味醂を使って風味を付けることもあります。

猪鍋の猪肉は、ベテランの猟師によって丁寧に獲られ、ストレスのかからない状態で処理されます。また、猪は雑食性であり、食べたものが味に影響するため、食べたものの種類や地域によって味や品質が異なります。

猪鍋は、地域の郷土料理や観光資源としても重要な位置を占めています。一部地域では、猪を利用したイベントや祭りが行われることもあります。

猪鍋は、独特の味わいと食感を楽しむことができる日本の伝統的な料理であり、多くの人々に愛されています。