島根県の郷土料理柿なますとは?

柿なますの主な伝承地域は島根県全域になります。主な使用食材は干し柿、大根(かぶでも可)、人参などになります。

島根県では、西条柿が代表的な柿として生産されています。

日本海の風や気候、赤土との相性が良く、島根県で収穫されるようになりました。

原産地は広島県の東広島市西条地区で、中国地方や四国地方に広く普及しています。

除草剤を使わずに育てるため、年間を通して丁寧な管理が必要ですが、その結果、身が太く、甘さも格別です。

独特の形状である4つの溝と滑らかな食感が特徴で、見た目が出雲大社の祭神である大国主命が持つ「打ち出の小鎚」に似ていることから、「こづち」と呼ばれています。

渋柿ですが、渋抜き後は糖度が17度以上になり、とろけるような甘さに変わります。

中心部はゼリー状になるほど肉質が緻密です。かつては焼酎に漬けて渋抜きされましたが、現在はドライアイスの入った袋に入れて渋抜きされます。

西条柿は干し柿に適しており、干すことで糖度がさらに凝縮されます。

浜田市は西条柿の生産量でトップであり、昭和初期には集落のあちこちに柿の木が見られました。

柿の収穫は10月上旬から11月中旬に行われ、その後、柿摘みが始まり、干し柿に加工されます。

干し柿以外にも、お湯に漬けて渋みを抜く「あわし柿」や塩漬けにする「漬け柿」、柿の天ぷらなど、さまざまな食べ方があります。その中でも干し柿を酢の物にした「柿なます」があります。

干し柿や人参の赤と大根やかぶの白からなる“紅白”はおめでたい料理とされ、祝宴や正月の定番料理として親しまれています。

人参と大根(かぶでも可)のなますは定番ですが、柿を加えるとやさしい甘さと鮮やかな彩りが加わります。

干し柿を食べやすい大きさに切り、細かく切った大根とゆでた人参と混ぜ、酢や砂糖、醤油で味付けします。

冷蔵庫でしばらく寝かせて味をなじませたら完成です。干し柿はよく乾燥しているものを選ぶと良いでしょう。

また、生柿を酢の物にしても美味しいです。生柿は鮮やかな色合いがあり、人参の代わりになるため、柿と大根またはかぶだけで良いです。柚子の皮を添えると風味が良くなります。

近年、柿の消費が減少しているため、地元のJAは生産者団体や県と連携して普及活動を行っています。県内の小学校や中学校でも西条柿を食べる催しが行われています。

柿なますのレシピと材料

材料(4人分)

大根: 200g
人参: 1/4本
【塩水】
水: 3カップ
塩: 大さじ1
干し柿: 1個
【A】
酢: 大さじ1
塩: 少々
砂糖: 大さじ1

作り方

1:大根は皮をむき、長さ5cm、幅1cmの薄い短冊切りにし、人参も同様に切る。

2:ボウルに塩水を入れ、その中に大根と人参を加えてしんなりさせる。

3:干し柿は縦に2等分にし、種を取り除いて千切りにする。

4:2がしんなりしたら、しっかり絞る。

5:Aの調味料を合わせ、3と4を入れてしっかり味を馴染ませる。

※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。

柿の効能について紹介

柿は、栄養価が高い果物として知られており、「柿が色づくと医者が青くなる」という言葉があるほどです。

柿にはビタミンCが豊富に含まれており、さらにカロテン、タンニン、カリウムなど、様々な栄養素が含まれています。

ビタミンCは免疫力を高め、白血球の働きを助けます。カロテンには抗酸化作用があり、免疫力を向上させるとともに、秋の風邪予防にも役立ちます。

柿に含まれるタンニンはポリフェノールの一種であり、悪玉コレステロールを減少させ、動脈硬化や高血圧を予防する効果が期待されます。

さらに、体内の活性化を促し、健康維持に貢献します。また、干し柿には豊富な食物繊維が含まれており、腸内環境を改善し、便秘解消や生活習慣病の予防に役立ちます。

「柿は二日酔いに効く」と言われる理由は、渋みの元であるシブオールと、アルコールデヒドロゲナーゼという酵素がアルコールを分解する働きがあるためです。

また、カリウムの利尿作用があり、二日酔いの予防にも効果的です。さらに、タンニンには解毒作用があり、二日酔いの症状を和らげる効果も期待されます。

柿は生で食べるだけでなく、料理の材料としても利用できます。豆腐を使った白和えやサラダに加えると、彩り豊かな料理が楽しめます。

また、きんぴら風の炒め物やマヨネーズ焼きなど、加熱することで新たな食感や味わいを楽しむこともできます。

柿を楽しむことは、日本の秋を楽しむことでもあります。旬の柿をデザートだけでなく、料理の一部として取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

柿なますは、日本の伝統的な料理であり、島根県を中心に親しまれています。

由来と特徴

柿なますは、島根県で生産される西条柿を使用した料理です。

西条柿は独特の形状を持ち、見た目が出雲大社の祭神、大国主命が持つ「打ち出の小鎚」に似ていることから、「こづち」とも呼ばれます。

干し柿を使用し、大根や人参と一緒に酢の物にすることが一般的です。

材料と作り方

材料は、大根、人参、干し柿、酢、砂糖、塩などです。

大根と人参を細かく切り、干し柿も細かく切ってから、酢や砂糖、塩で味付けし、混ぜ合わせます。

しばらく冷蔵庫で寝かせて、味をなじませたら完成です。

栄養価と効能

柿なますには、大根や人参の栄養に加えて、干し柿の栄養価も含まれています。

干し柿には食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境の改善や便秘解消に役立ちます。

食べ方と保存

柿なますは、祝宴や正月の定番料理として親しまれています。

干し柿の風味と酢の酸味が絶妙に組み合わさり、爽やかな味わいが楽しめます。

冷蔵庫で保存すれば、数日間は美味しく食べることができます。

地域の伝統と保存活動

島根県では、柿なますを含む地域の伝統料理の保存や普及活動が行われています。

地元の生産者団体や県が連携して、柿なますを含む伝統料理の普及活動を展開しています。

柿なますは、季節感溢れる食材を活かした健康的で美味しい料理であり、地域の伝統を守りながら次世代に受け継がれています。