広島県の郷土料理魚飯とは?

魚飯の主な伝承地域は広島県竹原市になります。使用される食材は、白身魚、錦糸卵、しいたけ、エビ、海苔などです。

魚飯は、焼きほぐした白身魚と彩り豊かな具材(錦糸卵、三つ葉、しいたけ、エビ、海苔、たけのこなど)をご飯に盛り、魚の骨から取った出汁をかけて楽しむ料理です。

竹原市はかつて遠浅の海でしたが、江戸時代には干拓が行われ、塩田が整備されました。

1650年から1970年までの約320年間、ここは「塩の町」として栄え、その塩田の所有者である「浜旦那」と呼ばれる人々は、魚飯をもてなしや祭りの際に楽しんでいました。

1960年に塩田が廃止された後、一時的に魚飯は姿を消しましたが、昭和54年に地元新聞に掲載された記事をきっかけに、2008年に「竹原の食を考える会」により再現され、今では飲食店で味わうことができます。

竹原市は、塩田の影響で栄えた商人文化の名残があり、1982年には「重要伝統的建造物保存地区」に選定され、2000年にはその風景が国土交通省の「都市景観100選」に選ばれました。

また、魚飯は浜旦那はおもてなしや祭事の料理として好んで魚飯を食べていました。

魚飯の食べ方は、白身魚(鯛やカレイなど)を焼いてほぐし、地域の旬の食材(錦糸卵、三つ葉、しいたけ、エビ、海苔、たけのこなど)を下ごしらえしてご飯に盛ります。

魚の骨で取った出汁に薄口醤油、みりん、酒、塩で味を調え、その出汁をかけて食べます。元々、魚は塩を煮詰める釜で蒸し焼きにされていました。

2008年に「竹原の食を考える会」により、古文献をもとに魚飯が再現され、現在は地元の飲食店で楽しむことができます。各店で特徴的な魚飯が提供されており、手間をかけたおもてなし料理のため、事前の予約が必要です。

魚飯のレシピと材料

材料(4人分)

白身魚(尾頭付き):120g
塩:2g
酒:20g
塩:1.2g
しばえび:40g
にんじん:40g
エンドウ:40g
ご飯:300g
錦糸卵:120g
焼き海苔:1.2g
酒:8g
干ししいたけ:6g
砂糖:8g
しょうゆ:12g
水:340g

かけ汁

水と干ししいたけの戻し汁:400g
昆布:4g
魚の骨:適量
かつおぶし:4g
しょうゆ:8g

作り方

1:白身魚に少々の塩をふりかけて焼き、骨を取り除く。

2:昆布やかつおぶしを用いた出汁に骨を加え、さらに出汁を取って味を整える。

3:ほぐした魚の身を酒と塩で炒め、そぼろ状にする。

4:しばえびは酒をふりかけて炒め、戻した干ししいたけを砂糖としょうゆで煮る。

5:にんじんを花形に切り、茹で、エンドウはさっと茹でて千切りにする。

6:錦糸卵、焼き海苔、3と4、5の具材を皿に盛る。

7:白ごはんの上に6の具材を載せ、2のかけ汁をかけていただく。

まとめ

魚飯(ぎょはん)は、広島県竹原市の伝統的な郷土料理で、主に白身魚を主役とした美味しい料理です。

この料理は、焼いてほぐした白身魚に、色とりどりの具材を盛り付け、魚の骨でとった出汁をかけて楽しむのが特徴です。

具材には、錦糸卵、しばえび、しいたけ、にんじん、エンドウ、海苔などが使用され、見た目にも華やかです。

魚飯の歴史は江戸時代に遡ります。竹原市はかつて塩田で栄え、地元の富裕層である「浜旦那」がこの料理を祭りやおもてなしの際に好んで食べていました。

しかし、1960年に塩田が廃止されると、この料理も一時姿を消します。2008年、地元の「竹原の食を考える会」により、古い文献をもとに再現され、再び注目を浴びるようになりました。

魚飯は、地元の旬の食材を生かした料理であり、家庭でも簡単に作れるのが魅力です。

白身魚を焼いてほぐし、香ばしい香りを楽しみながら、様々な具材とともにご飯に盛り付けます。出汁は、昆布やかつおぶしを使ってとり、旨味を引き出すことがポイントです。

この料理は、地域の伝統を受け継ぎながらも、各家庭や飲食店によってアレンジが加えられており、訪れる人々にとっても楽しみの一つとなっています。

竹原市を訪れた際には、ぜひ本場の魚飯を味わってみてください。地元の風味と温かみを感じることができるでしょう。