送ると贈るには、以下のような違いがあります。
送る:物や事柄そのものを相手に渡したり届けたりする行為
贈る:特別に用意した物や事柄を通じて、感謝や祝福の気持ちを相手に届ける行為
例えば、「拍手や声援を送る」という場合、拍手や声援は特別に準備したものではないため、通常は「送る」を使います。
一方で、「感謝状」や「卒業の言葉」、または「父の日のプレゼント」などは特別に用意されたものであり、感謝や祝福の気持ちが込められているため、「贈る」を使用します。
英語に置き換えると、「送る」は「send」、「贈る」は「award」が近いニュアンスと言えます。どちらを使うべきか迷った場合は、「それが特別に準備されたものか」「感謝や祝福の意図が含まれているか」を基準に判断すると良いでしょう。
送るの漢字を使った例文を紹介
物や情報を届ける
彼女に誕生日プレゼントを送った。
最新の報告書をメールで送る。
お礼の手紙を取引先に送った。
必要な書類を郵送で送ってください。
人を目的地に向かわせる、派遣する
部長は新しいプロジェクトの責任者として彼を送った。
救急車が急患を病院に送った。
管轄を移す
この案件は営業部から広報部へ送ることになった。
同行して見送る
空港まで友人を送った。
子供を保育園に送るのが毎朝の日課だ。
別れを告げる
退職する彼を心からの拍手で送り出した。
別れの歌を歌いながら彼女を送った。
時を過ごす
彼は穏やかな田舎暮らしを送っている。
楽しい休日を家族と一緒に送った。
順々に移動させる
大きな荷物を手から手へ送って運んだ。
ボールをパスして次のプレイヤーに送った。
「送る」は多義的な言葉で、使い方によって意味が変わります。具体的な文脈を意識すると、より的確な表現が可能になります。
贈るの漢字を使った例文を紹介
プレゼントやギフトを贈る
両親に感謝の気持ちを込めて花束を贈った。
友人の結婚祝いに特別なギフトを贈ることにした。
母の日に手作りのケーキを贈った。
誕生日には彼女にネックレスを贈った。
感謝や祝福の言葉を贈る
卒業生に向けて心からの祝辞を贈った。
上司の退職に際し、感謝の言葉を贈った。
応援してくれた全ての人に感謝のメッセージを贈ります。
特別なものを用意して贈る
大切な友人に手作りのアルバムを贈った。
感謝状を贈るための式典が開かれた。
ボランティア活動の成果として、寄付を贈った。
心や気持ちを贈る
遠くにいる友人に励ましの気持ちを贈る。
亡き恩師に感謝の祈りを贈った。
小さな子供たちに夢と希望を贈る仕事をしている。
文学的な表現や比喩的な使い方
作家は読者に感動を贈る作品を生み出した。
彼女の演技は観客に深い感動を贈った。
美しい歌声で、彼は会場全体に癒しを贈った。
「贈る」は特別な感情や思いが込められた行動を表す言葉なので、使う際にはその意図が伝わるような表現にすることが重要です。
まとめ
「送る」と「贈る」は、日本語において同じ「おくる」という読み方を持ちながら、意味や使い方に違いがあります。
送るは、物や情報を相手に届けたり、人を特定の場所へ向かわせたりする行為を表します。
例えば、手紙や荷物を送る、メールを送る、友人を駅まで送る、といった場面で使われます。また、時間を過ごすことや、順番に何かを移動させる場合にも使われるため、日常生活で非常に汎用的に使われる言葉です。
一方、贈るは、特別な感謝や祝福の気持ちを込めて物や言葉を渡す行為を意味します。
例えば、誕生日プレゼントを贈る、卒業生に祝辞を贈る、母の日に感謝を込めて花を贈る、といったように、何か特別な意図を持って相手に届ける場合に用いられます。このため、「贈る」には「心を添える」というニュアンスが含まれています。
使い分ける際には、「特別な思いを込めて準備したものか」「単に届ける行為なのか」を考えるとよいでしょう。
贈り物や感謝・祝福の表現には「贈る」、日常的な行為には「送る」が適しています。この違いを意識することで、言葉選びに深みが生まれます。