お好み焼きの主な地域は、広島県全域になります。主な食材は、小麦粉、キャベツ、豚肉、焼きそば、卵、ソース、青のりになります。
広島風お好み焼きは、小麦粉を薄くのばし、キャベツや豚肉、焼きそばなどをたっぷり乗せ、薄焼きの卵を重ねて蒸し焼きにする料理です。
ソースは甘めの濃厚なものが一般的で、好みに応じてマヨネーズを加えることもあります。
鉄板で提供されることが多く、ヘラで食べるのが特徴です。
広島は「お好み焼きの聖地」とも呼ばれ、人口10万人あたりの店舗数が全国で最も多いです(総務省「2014年経済センサス‐基礎調査」)。
その起源は戦前の「一銭洋食」にあり、戦後、空腹を満たすためにお好み焼きに変化したと考えられています。
広島は鉄鋼業が盛んだったため、鉄板が手に入りやすく、屋台や店舗が増えたと言われています。
昭和30年代には、住宅を改装した店や豚肉・麺を加える店が増え、お好み焼きが広まりました。昭和50年代に広島カープが優勝した頃から、ガイドブックに掲載されるようになり、全国的に有名になりました。
食べるシーンや時期 広島のお好み焼きは、時期を問わず食べられ、地元の人々にとって欠かせないソウルフードです。特に飲んだ後のシメの料理として人気があります。
小麦粉を薄く伸ばし、キャベツ、豚肉、焼きそば、卵などを重ねて蒸し焼きにし、甘口のソースと青のりをかけて食べます。
地域ごとに特徴的な具材を使ったバリエーションもあり、それぞれの地域に特有のスタイルがあります。
例えば、府中市の「備後府中焼き」はひき肉を使用、呉市の「呉焼き」は細うどんを使用し、半円形が特徴です。
庄原市の「庄原焼き」は米を使い、ポン酢で食べるスタイル。尾道市の「尾道焼き」は砂肝とイカ天が入っています。
竹原市の「純米吟醸たけはら焼き」は酒粕や日本酒が練り込まれ、三原市の「三原焼き」は鶏モツを使います。その他にも、地域ごとに独自の具材を使用したお好み焼きが楽しめます。
広島市にはお好み焼き店が集まるビルがあり、観光客に人気です。
スーパーや駅、空港の土産物店では冷凍お好み焼きが販売されており、広島県内外で広く親しまれています。また、現在では全国の飲食店や祭りの屋台などでも食べることができ、広島の名物として認知が進んでいます。
好み焼きの作り方と材料
材料(1人分)
【生地】だし汁:1/2カップ
【生地】薄力粉:25g
キャベツ:200g
もやし:100g
葉ねぎ:20g
魚粉:小さじ1
天かす:3g
豚肉(三枚肉):2枚
卵:1個
焼きそば(ソバ玉):1玉
お好み焼きソース:1/4カップ
青のり:小さじ1/2
紅しょうが:5g
サラダ油:小さじ1
かつお節:少々
作り方
1:キャベツを細切りにし、ねぎは小口切りにする。
2:だし汁に薄力粉を加えてよく混ぜ、ダマができないように注意する。だし汁は多めに用意しておくと便利。
3:ホットプレートに油を薄く引き、生地を20cm程度の円形に広げ、魚粉をふりかける。
4:生地の上にキャベツ、もやし、ねぎ、天かす、豚肉をのせ、少し生地を加えてつなぎにする。高温(250℃)で約5分、表面がカリッとするまで焼く。
5:大きなヘラで素早くひっくり返す。
6:はみ出た具を中に戻し、形を整えたら、ヘラで軽く押さえる。
7:焼きそばをホットプレートで温め、ほぐして炒める。炒める際には水やお好み焼きソース、または油を使ってほぐす。
8:ホットプレートで卵を割り入れ、よくかき混ぜ、広げる。その上に炒めた焼きそばをのせ、その上に焼いたお好み焼きを重ねて押さえる。卵はスクランブルエッグのように柔らかくせず、20cmくらいに広げて焼く。
9:再度ひっくり返し、お好み焼きソースをかけ、青のり、紅しょうが、かつお節を飾って完成。
広島風と関西風のお好み焼きの違いを紹介
鉄板料理として人気のお好み焼き。ひとくちにお好み焼きと言っても、実は種類が豊富で、大きく分けて「関西風」と「広島風」の2つがあります。それぞれに特徴的な違いがあります。
生地の作り方
関西風のお好み焼きは、水分が少なめで、焼く前の生地はややドロッとしています。
キャベツを大きく切って混ぜるため、生地はしっかりとした硬さになります。一方、広島風は水分が多く、焼く前の生地はさらっとしており、薄いクレープ状の生地に仕上がります。
キャベツ・麺
関西風と広島風では、具材に関して2つの主な違いがあります。まず、キャベツの切り方。
関西風ではキャベツを3cm程度の幅にカットし、広島風では2〜3mmほどの細切りにします。次に、麺の有無。関西風では麺は基本的に使用せず、麺を加えるのは特別注文した場合だけです。対照的に、広島風では麺を加えるのが一般的です。
生地の焼き方
生地と具材の違いから、焼き方にも差があります。
関西風は、生地がドロッとしているため、具材を生地に混ぜ込んで焼くスタイルです。
生地を鉄板に広げて焼き、焼き上がったらひっくり返します。一方、広島風では、具材を生地に混ぜず、薄く焼いた生地の上に具材を重ねていきます。焼き上がったら裏返し、別で焼いた麺の上に重ねて完成させます。
ソースの味付け
関西風と広島風で最も顕著な違いの一つがソースの味です。関西風のお好み焼きに使われるソースは、一般的に辛口です。
オリバーソースの「お好み焼ソース関西」などがあり、野菜と果実が豊富に含まれており、辛口ながらもフルーティーな味わいです。対して、広島風では甘口のソースが使われます。
広島では、この甘口ソースをお土産として買うこともできます。
また、もともと関西風ではお好み焼きにマヨネーズをかけるのが一般的でしたが、広島風ではあまり使われませんでした。
最近では、広島風でもマヨネーズを注文すれば提供されることがあり、卓上に置いてあることもあります。
まとめ
広島お好み焼きは、広島県の代表的な鉄板料理で、独自の作り方と特徴があります。
基本的には、薄い生地の上にキャベツ、豚肉、もやし、焼きそば、卵を重ね、鉄板でじっくり焼き上げるスタイルです。
生地は薄く、クレープのように広げて焼き、具材は別々に重ねていくため、食感や味が一体感を持ちながらも個々に感じられます。
広島お好み焼きの特徴の一つは、麺(焼きそばやうどん)を加えることが多い点です。
麺は生地の上にのせ、焼いた後に卵の上に重ねて焼き上げます。また、キャベツは細切りにして、焼きながら蒸し焼きにすることで甘みが引き出されます。
さらに、ソースは甘口で、広島独自のものが使われることが多いです。トッピングには青のりや紅しょうが、かつお節がかけられることが一般的です。
広島お好み焼きは、戦後の食文化の中で発展しました。鉄を扱う工場が多かった広島では、鉄板を使って手軽に作れる料理として人気を集め、次第に広がりました。
現在では、観光地でも広く親しまれ、全国的にその名が知られています。家庭でも作られ、地元では飲んだ後の締めの食事としても楽しまれています。