岡山の郷土料理柚餅子とは?

柚餅子は、柚子やクルミを使った餅菓子で、携帯や保存に適しており、古くから献上品としても知られています。

この歴史は全国に広がっており、東北や関東ではクルミを使用する一方、岡山県では柚子の生産が盛んで、柚子を使った柚餅子が古くから作られてきました。

江戸時代から続く歴史があり、特に高梁市と矢掛町がその代表的な地域です。

これらの地域は宿場町としても栄え、当時の大名たちにも愛されたと言われています。

原料としては砂糖や水あめ、もち米粉、柚子が用いられ、柚子をもち米粉に練り込んで作る方法や、さらに白味噌や砂糖を混ぜ込んだり、柚子の中に羊羹を詰めたりする方法などがあります。

形状も板状や丸型、結びつけたものなどさまざまです。

柚餅子は日常的なおやつとして、一年を通して楽しまれています。さわやかな柚子の香りとしっとりした食感が、日本茶とよく合います。

調理方法は、もち粉を蒸し、細かく刻んだ柚子の皮と水あめを加えて煮詰め、練りながら冷まします。

その後、白味噌や砂糖を練り込んだり、柚子の中に羊羹を詰めたりします。

柚餅子の材料と作り方

柚餅子の材料(15個分)

もち粉 700g
米粉 300g
砂糖 700g
柚子 4~5個
水 200cc

柚餅子の作り方

1:もち粉をふるっておく。

2:柚子を細かく刻む。

3:鍋に水を沸かし、もち粉と米粉を加えて煮詰める。

4:生地を取り出し、冷ます。

5:冷めた生地を切り分け、表面に砂糖をまぶす。

※レシピは地域や家庭によって異なります。

柚餅子の由来と歴史

柚餅子は、源平の時代に誕生したとも言われています。

当初は菓子というよりも保存食や携帯食に近い性格を持ち、時代と共に菓子としての姿へと変化してきたとされています。

現在では、珍味として扱われるものや和菓子の一種(蒸し菓子や餅菓子など)など、様々なカテゴリーに分類されています。

江戸時代には、徳川家に献上されるなど、高い評価を受けることもありました。

全国各地には、様々な形状や味わいの柚餅子が存在し、製造方法も千差万別です。

備中の柚餅子

岡山県の旧備中国は柚子の産地であったため、高梁市と矢掛町で江戸時代から地元産の柚子を用いた柚餅子が製造されている。

岡山県の柚餅子は形状が様々なのが特徴である。

高梁の柚餅子には薄い平板状のもの、薄い棒状・紐状のものを結んである形のもの、サイコロ状のもの、また上述の丸ゆべしなどがあり、矢掛の柚餅子には羊羹を用いて丸柚餅子に類似した形状のもののほか、紐状のものを結んだ形のもの、上述の竹皮柚餅子(棒柚餅子)や丸柚餅子などがある。

高梁の柚餅子

柚子、もち米粉、水飴、砂糖などを用いて製造され、餅のように柔らかくモチモチとした食感である。

表面には砂糖がまぶしてあり、薄黄色・白っぽい色をしている。土産菓子としてだけでなく、地元では健康食品としても親しまれている。

かつて備中松山城下に居住した小堀遠州が考案したとされる。現在も県内産、特に高梁市内産の柚子が使用される。

派生として味噌風味の「味噌柚餅子」などもある。また、同地には「ゆねり(柚練)」という柚子製品も存在する[3]。

矢掛の柚餅子

柚子のヘタ付近を切り、中をくりぬき、その中に柚子風味の羊羹を練り込んで蒸した独自のもので、丸柚餅子に類似している。

羊羹の代わりに餡などを入れる等、現代風にアレンジした派生品も存在する。他にも高梁風のゆべしや味噌ゆべしなども製造されている。

江戸時代から名物として知られ、矢掛は山陽道の中でも大きい宿場町だったため、銘菓として参勤交代の大名達にも好まれ、同地に宿泊した天璋院(篤姫)も好み大量に食した(竹皮柚餅子)という旨が、岡山県立博物館で発見された宿帳記録に記載されていた。

他にも作家の武者小路実篤も好んだ(丸柚餅子)という。

矢掛は高梁に比べると規模の小さな町であり、以前は多くの柚餅子製造菓子店が存在していたが現在は数店舗のみの営業である。

しかしながら、様々な形の柚餅子があり、独自のゆべし文化が根付いている。

まとめ

柚餅子は、源平の時代に誕生したと言われる和菓子であり、保存食や携帯食として始まり、時代とともに菓子としての姿へと変化してきました。

江戸時代には、献上品としても扱われ、その名声は全国に広がりました。

全国各地で様々な形状や味わいの柚餅子が存在し、製造方法も異なります。

岡山県の旧備中国では特に知られており、高梁市や矢掛町では地元産の柚子を使用した柚餅子が製造されています。

形状は、薄い平板状や棒状、紐状に結んだものなどがあります。

柚餅子の主な原料は柚子ともち米粉であり、水飴や砂糖などが加えられます。

柔らかくもちもちとした食感が特徴で、表面には砂糖がまぶされています。

土産物として人気があり、地元では健康食品としても親しまれています。

柚餅子は、地域ごとに独自の製法や味があり、その文化は各地で根付いています。

江戸時代から現代まで、多くの人々に愛され続けている和菓子の一つです。