岡山県の郷土料理くさぎ菜のかけめしとは?

くさぎ菜のかけめしの主な地域は吉備中央町です。使われる食材はくさぎ菜、米、鶏肉、ごぼう、にんじん、しいたけなどです。

くさぎ菜は、山野で育つクサギの若葉を摘んで乾燥させたものです。

非常に強い香りがあり、近くにあるのが分かるほどです。

くさぎ菜の採取はタイミングが重要で、小さすぎず、大きすぎない卵大のものが選ばれます。

岡山県の中北部では、5月下旬に収穫し、乾燥させます。

乾燥の方法は、摘んだ葉をさっと茹で、水にさらしてアクを抜きます。

アクをしっかり抜かないと食べられません。

アクを抜いた後、よく絞り、虫除けネットに広げ、雨に当たらないようにしてから乾燥させて保存します。

くさぎ菜の美味しい食べ方は、かけ飯です。

水で戻したくさぎ菜を小さく切り、多めの油で炒め、鶏肉などと共に下味を付け、ご飯にのせ、別に鶏ガラで取ったすまし汁とさらしネギをかけて食べます。

油で炒めたものは、みりん、醤油、砂糖などで味付けし、惣菜としても楽しむことができます。

くさぎ菜は保存できるので、四季の行事に合わせて作られ、出されます。

くさぎ菜の飲食方法はまず水で戻し、小さく切り、多めの油で炒め、鶏肉、ごぼう、にんじん、しいたけなどと共に下味を付けます。

それをご飯にのせ、別に鶏ガラで取ったすまし汁とさらしネギをかけて食べます。

くさぎ菜のかけめしの材料とレシピ

くさぎ菜のかけめしの材料(4人分)

鶏ガラ:1/2羽分
鶏肉:(胸またはささみ)200g
くさぎ菜:(乾燥)25g
にんじん:80g
ごぼう:80g
卵:2個
ネギ:少々
ご飯:200g

【調味料】

鶏ガラ出汁 4カップ
しょうゆ 大さじ5
砂糖 大さじ2
みりん 大さじ1
酒 小さじ1
塩 少々

くさぎ菜のかけめしの作り方

1:くさぎ菜は、水でゆっくり一晩戻す。

2:鶏ガラを2時間ほど煮出し、スープを作る。途中、鶏肉を入れて湯がいて火が通ったら取り出す。

3:調味料を合わせてかけ汁を作る。

4:水で戻したくさぎ菜をさっと茹で、細かく刻み、油で炒める。かけ汁を加えて味を染み込ませるまで煮る。

5:鶏肉を細く裂き、かけ汁で味をつける。

6:にんじんとごぼうは4cm程度の千切りにし、かけ汁で味をつける。

7:錦糸卵を作る。

8:ネギを小口切りにする。

9:丼にご飯を盛り、上にくさぎ菜、鶏肉、にんじん、ごぼう、卵を彩りよく盛り、中央にネギを添える。

10:かけ汁をかけ、混ぜて食べる。

※レシピ提供元: 吉備中央町観光協会

※レシピは地域や家庭によって異なる場合があります。

くさぎ菜の山菜紹介

山菜の一種であるくさぎ菜は、山地で自生するクサギの若葉を摘んで乾燥させたものです。その強烈な香りから、周囲にクサギの存在がわかるほどです。

くさぎ菜の収穫時期は重要で、小さすぎず大きすぎない程度のものを選びます。岡山県の中北部では、5月下旬に収穫して干します。

くさぎ菜は、茹でてからよく水にさらし、乾燥させることで臭いを抜きます。特に雪の深い山地では、まだ他の葉物野菜が手に入らない時期に、塩漬けや乾燥させたくさぎ菜が重要な保存食となりました。

富山県や本州の三重県以西、四国、九州(奄美諸島を含む)でくさぎ菜が利用されています。広島県では、旧比婆郡や神石郡の直売所で、茹でて乾燥させたクサギの葉が「くさぎ菜」として販売されています。

「クサギ」という名前の由来は、「臭い木」であり、葉や葉柄を砕くと非常に強い香りがします。しかしこの香りは、ピーナッツのような香ばしさであり、「悪臭」とは異なる和風のハーブとされています。

また、クサギは若葉を山菜として利用されています。6月頃に収穫した葉は、塩茹でしてアクを抜き、油で炒めたり佃煮にしたりして食べられます。

茹でた後に乾燥させることで保存も可能です。西日本では「臭木菜」、長野県や静岡県では「採り菜」と呼ばれています。

さらに、禅寺での修行中にクサギが利用されたことから、「ボウズクサイ」や「オボックサイ」といった別名も存在します。

くさぎ菜の由来と歴史

「クサギ」は、シソ科の中高木であり、パイオニアプランツの代表的な存在です。春にはアクが少なく柔らかい新芽が出るため、食用として親しまれる「食の和ハーブ」として知られています。

「パイオニアプランツ(Pioneer Plants)」とは、自然界で開拓的な役割を果たす樹木のことを指します。これらの植物は乾燥や高温に強く、栄養が少ない裸地に好んで生息し、森林の形成に貢献します。

「クサギ」という名前の由来は、「臭い木」であり、葉や葉柄を砕くと非常に強い香りがします。

しかし、この香りはピーナッツのような香ばしさであり、「悪臭」とは異なる和風のハーブです。

クサギは日本全国に広く分布していますが、食用として主に利用される地域は限られています。

歴史的には、江戸時代後期に編纂された『紀南六郡志』によれば、和歌山県ではクサギの新芽を高級山菜として扱っていた記録が残っています。

さらに、北陸地方では大豆などと一緒に煮込む伝統的な料理法も伝わっています。

また、岡山県の山間部では、春の新芽を湯がいて乾燥させ、植物が少ない冬季に保存食として活用していました。

そして、これを使った「クサギ菜飯」は、現在でも地域の郷土料理として親しまれています。

驚くべきことに、九州南部の宮崎県椎葉村周辺にも同じ「クサギ菜飯」が存在します。

地理的に離れた2つの地域で、同じ名称やレシピの食文化が見られることは非常に興味深い現象です。

「クサギ菜飯」が、岡山の山間部と宮崎県椎葉村に同時に存在した理由を考えるとき、平家の落人文化が関連しているという説が浮かび上がります。

岡山県は平家ゆかりの地であり、「クサギ菜飯」の文化はもともとこの地域に根付いていたと考えられます。

そして、平家落人が岡山県から宮崎県椎葉村に移り住んだ際に、その食文化を伝えたのではないかと推測されます。

故郷を追われた人々が新たな土地で故郷の食文化を持ち込み、それが地域の伝統として受け継がれてきたのでしょう。

遠く離れた地域で同じ食文化が見られるという事実は、平家落人伝説の一端を現代に伝えるものとして興味深いものです。

まとめ

クサギ菜は、シソ科の植物であり、山野に自生するクサギの若葉を利用した食材です。春の新芽はアクが少なく、柔らかく、食用として親しまれています。

クサギ菜は強烈な香りがあり、葉や葉柄をちぎると独特の香りが広がります。しかし、その香りは悪臭ではなく、香ばしいとされています。

クサギ菜は山地や草地など自然環境に生育し、山菜として採取されます。

くさぎ菜の利用方法の一例として、新芽を摘んで湯がいたり、油で炒めたりして食べられます。また、乾燥させたり塩漬けにしたりして保存食としても利用されます。

クサギ菜は日本全国に分布していますが、メインで食材として利用される地域は限られています。

地域によっては高級山菜として扱われ、伝統的な料理に使われることもあります。

過去には山菜として収穫され、保存食として利用されてきました。

地域によっては、伝統的な料理や食文化と結びついており、特に山間部や農村地帯で根付いています。

平家の落人文化が関連しているという説があります。岡山県などでの食文化が、平家落人の影響を受けて宮崎県など他の地域にも広まった可能性が考えられます。

クサギ菜は、その独特な香りと味わい、また歴史的な背景から、日本の山菜文化や食文化の一部として重要な位置を占めています。

くさぎ菜のかけめしについて

くさぎ菜のかけめしは、岡山県を中心に根付いている伝統的な料理です。

くさぎ菜を主な食材とし、ご飯の上に炒めたくさぎ菜や鶏肉、野菜類をのせ、鶏ガラでとったすまし汁をかけて食べます。

くさぎ菜のかけめしの材料

主な材料には、くさぎ菜、鶏肉、ごぼう、にんじん、卵、ネギ、ご飯などが含まれます。

調味料としては、鶏ガラ出汁、しょうゆ、砂糖、みりん、酒、塩などが使用されます。

くさぎ菜のかけめしの作り方

くさぎ菜は水で戻しておき、鶏ガラを煮だし、かけ汁を作ります。

くさぎ菜を茹でて刻み、鶏肉や野菜と一緒に炒めます。

ご飯の上に炒めた具材を盛り付け、錦糸卵やネギを添えます。

最後にかけ汁をかけて混ぜて食べます。

くさぎ菜のかけめしの保存・継承の取組

くさぎ菜のかけめしは、地域の飲食店で提供されるほか、家庭でも作られています。

伝統的なレシピや製法を継承する取り組みや、地域の保存会が存在し、食文化の維持・発展に取り組んでいます。

くさぎ菜のかけめしの特徴

くさぎ菜の独特な香りと風味が料理に特徴的な味わいを与えます。

かけ汁をかけて食べることで、具材とご飯が絶妙な味わいになります。

くさぎ菜のかけめしは、岡山県などで親しまれている郷土料理であり、その独自の味わいと歴史的な背景から、地域の食文化の一部として大切にされています。